市民に親しまれる柿衞文庫へ 伊丹大使の坪内稔典さん(広報伊丹2019年1月1日号掲載)

 伊丹大使で俳人の坪内稔典さん(74歳)が昨年7月、柿衞文庫の理事長に就任しました。
 柿衞文庫は、元伊丹市長である岡田利兵衞氏から寄贈された貴重な俳諧資料をもとに設立、昭和59年に開館し、日本三大俳諧コレクションの一つとされます。郷土伊丹の俳人・上島鬼貫に関するものや松尾芭蕉、正岡子規など軸や短冊、資料など1万点を超え、市民に開かれた展覧会や講座を開催しています。
 なかでも坪内さんが平成3年当初から深く携わってきたのが、俳句公募事業「鬼貫顕彰俳句大賞(小・中・高の部)」です。毎年市内の学校から約1万8千近い句の応募があります。
 さらに市独自の教科「ことば科」を持つ伊丹。その子どもたちについて坪内さんは、「全国的にも俳句のレベルが高く、コンテストでは大賞や上位入賞者の常連で、教科書に俳句が掲載された児童もいる」と高く評価しています。

坪内稔典さん

  柿衞文庫の今後の構想にも子どもに向けた「崩し字」の普及を考えています。坪内さんは「柿衞文庫にある古文書などを小学生が読めるようになればすごい。崩し字博士が生まれるかも知れない」と話し、「古文書も一般の人からは遠い存在だが興味の持ち方で全然違ったものになる。崩し字にはまった子どもが江戸時代の文化を自分のものにする可能性がある」と目を輝かせます。
 市民向けには、毎月19日を「伊丹一句の日」として、市民が俳句を詠む日の創設や「音楽やアートと俳句のコラボレーション」、「お酒をたしなみながら俳句を詠むイベント」の開催など想いは尽きません。
 「『我がまちには江戸時代の作品があって、鬼貫という面白い俳人もいた』と市民が誇りに思い、柿衞文庫を市民の財産として気軽に利用できる、親しみある施設にしていきたい」と期待に胸を膨らませています。