伊丹市公共施設マネジメント基本条例

更新日:2021年03月31日

公共施設マネジメント基本条例を制定

伊丹市は、公共施設マネジメントに関する条例としては兵庫県内で初、公共施設の総量規制を謳った条例としては全国初となる「伊丹市公共施設マネジメント基本条例」を制定しました。(平成28年4月1日施行)

この条例は、安定的で持続可能な行財政運営を図るとともに、魅力あるまちづくりの基盤となる公共施設を将来にわたって適切に維持管理することを目的としています。

総量規制を定めました

市が所有するハコモノ施設の量に関して、中長期的な人口動態や財政見通しのもとで延床面積削減の目標値を定め、その数値以内で、現在の施設の利用状況・老朽化度合等を勘案しながら、効率的かつ効果的な施設の再配置を実施するものです。

また、総量規制が、単なる財政負担軽減のための削減とならないよう、総量規制の実現にあたっては、市民サービスの質の向上と行政需要への柔軟な対応を確保することについても定めています。

条例化の目的

公共施設マネジメントには、一貫性を持った中長期にわたる継続した取り組みが必要であり、継続性の担保が必要となります。

そこで、公共施設マネジメントに関する基本理念、市の責務、計画策定手続き、計画変更の妥当性の検証等の基本的なルールを明文化し、基本計画に計画期間、基本的な方針、総量規制の目標値を定めることを規定しました。

条例化により継続性を担保し、市と市民等で理念を共有することで、一貫した取り組みとして公共施設マネジメントを推進していきます。

条例全文

伊丹市公共施設マネジメント基本条例(平成28年伊丹市条例第3号)

目的

第1条 この条例は,公共施設の老朽化の進展が市民の生活及び市の将来の行財政運営に重大な影響を及ぼすおそれがあることに鑑み,公共施設の管理に関し,基本理念,基本的な計画の策定その他の基本となる事項を定めることにより,安定的で持続可能な行財政運営を図るとともに,魅力あるまちづくりの基盤となる公共施設を将来にわたって適切に維持管理することを目的とする。 

定義

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

  1. 公共施設 市が公用又は公共の用に供する建築物,道路,橋りょう,公園,上下水道等の施設(これらに附属する施設を含む。)をいう。
  2. 公共施設の管理 公共施設の配置,維持管理,運営及び更新をいう。
  3. 公共施設マネジメント 公共施設の管理に係る財政負担を軽減しつつ,行政需要に合ったサービスを安定的に供給するための,公共施設の総合的かつ計画的な管理に関する市の取組をいう。
  4. 総量 公共施設のうち市が所有する建築物(周壁を有しない駐輪場,あずまやその他これらに類する構造の建築物,仮設の建築物その他小規模なものとして規則で定める建築物を除く。)の延べ床面積の合計をいう。
  5. 総量規制 総量を一定の数値以下に制限することをいう。

基本理念

第3条 公共施設マネジメントは,次に掲げる事項を基本理念として行うものとする。

  1. 公共施設が長期にわたり安全かつ快適に利用でき,公共施設による行政サービスが人口動態その他社会情勢の変化に柔軟に対応できるよう取り組むこと。
  2. 公共施設の管理に係る財政負担の軽減又は平準化を図り,将来の世代へ負担を先送りすることがないよう取り組むこと。
  3. 公共施設マネジメントの推進に当たっては,市,市民,事業者等(公共施設の管理の事業に携わる事業者その他の団体をいう。以下同じ。)が連携し,及び協働して取り組むこと。

市の責務

第4条 市は,基本理念にのっとり,計画的に公共施設マネジメントを推進するものとする。

2 市は,公共施設マネジメントの推進に当たっては,人口動態,財政状況等の中長期の見通し並びに公共施設の現状及び利用状況等を踏まえ,行政需要を的確に予測して,効果的かつ効率的に行うものとする。 

3 市は,市民に対し,公共施設の現状及び公共施設マネジメントに関する情報を分かりやすく周知するとともに,市民との熟議により公共施設マネジメントを推進するよう努めるものとする。

4 市は,公共施設マネジメントの推進に当たっては,民間の資産及び能力の活用に努めるものとする。

市民の責務

第5条 市民は,まちづくりの主体として,公共施設マネジメントに理解及び関心を深め,公共施設を,より良い形で将来の世代へ引き継ぐことができるよう,公共施設マネジメントの推進に参画するよう努めるものとする。

事業者等の責務

第6条 事業者等は,市と協力し,効果的かつ効率的な公共施設の維持管理,運営又は更新に関し,より有効な手法の追求,技術の向上等に努めるものとする。

総量規制

第7条 市は,目標とする総量(以下「目標値」という。)を定めて総量規制を図るものとする。

2 市は,総量規制に当たっては,公共施設の機能の移転又は複合化,公共施設の統合,民間の資産の活用等,多様な手法により,行政サービスの質の向上及び行政需要への柔軟な対応の確保を図るものとする。

基本計画の策定

第8条 市長は,公共施設マネジメントを総合的かつ計画的に推進するため,公共施設マネジメントの推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 基本計画は,次に掲げる事項について定めるものとする。

  1. 計画期間
  2. 公共施設マネジメントの推進に関する基本的な方針
  3. 総量規制の目標値
  4. その他基本計画の実施に関し必要な事項

3 市長は,毎年度,基本計画の進捗状況を調査し,その結果を公表するものとする。

4 市長は,市の人口動態及び財政状況その他公共施設を取り巻く社会経済情勢に大きな変化があったときは,前項の調査の結果を踏まえ,基本計画の内容を検討し,必要があると認めるときは,これを変更するものとする。

5 市長は,基本計画の策定,変更又は廃止をしたときは,速やかにこれを公表するものとする。

伊丹市公共施設マネジメント推進検討委員会

第9条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき,市長の附属機関として,伊丹市公共施設マネジメント推進検討委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は,市長の諮問に応じ,基本計画の策定,変更(第8条第2項第1号から第3号までに掲げる事項に係る変更に限る。)又は廃止に関する事項を調査審議し,答申する。

3 委員会は,委員8人以内で組織する。

4 委員は,次に掲げる者のうちから,必要の都度,市長が委嘱する。

  1. 市民
  2. 関係団体を代表する者
  3. 学識経験者

5 委員の任期は,委嘱の日から当該諮問に係る答申の日までとする。

6 前各項に定めるもののほか,委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則で定める。

付則

施行期日

1 この条例は,平成28年4月1日から施行する。

経過措置

2 この条例の施行の際現に策定されている伊丹市公共施設等総合管理計画は,第8条第1項に規定する基本計画とみなす。

この記事に関する
お問い合わせ先

総合政策部施設マネジメント課
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所3階)
電話番号072-780-4345 ファクス072-784-8136

このページの感想をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか。
このページは見つけやすかったですか。
このページで分かりにくい点等ございましたら、ご記入ください