令和8年度(2026年度)施政方針

更新日:2026年02月25日

令和8年度(2026年度)施政方針

令和8年度施政方針

中田慎也市長は、令和8年2月25日、令和8年第1回市議会定例会で、令和8年度の施政方針を表明しました。

施政方針は次のとおりです。

目次

1.誇りあるまちを、次の世代へ

2.市政運営の基本方針

(1)次世代への投資
(2)安全・安心なまちづくり
(3)ブランド・魅力の発信

3.令和8年度の取り組み

4.予算概要

5.むすび

 

  

1.誇りあるまちを、次の世代へ

(はじめに)

令和8年度各会計予算、及び各議案の提案に際し、市政運営の基本方針、並びに予算案の諸事業について、所信の一端と施策の大綱を申し上げます。議員各位をはじめ市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

(次代へつなぐまちづくり)

昨年4月、市民の皆さまから数多くの温かいご支援を賜り、第25代伊丹市長に就任させていただいてから、早くも10か月が経とうとしております。この間、私は市民目線と現場の声を重視した「現場主義」を大切にしたいという思いから、市内各所で行われている地域活動等に参加させていただき、多くの市民の皆さまと直接、対話を重ねてまいりました。地域の清掃に精を出す姿、タウンミーティングで熱心に議論を交わす様子、子どもたちの登下校を見守るボランティアの皆さま、そして伝統ある祭りを次世代へつなごうと奮闘する若者たち。こうした皆さまの献身的な姿を間近で拝見し、非常に心強く、感謝の気持ちが込み上げてまいりました。このまちをもっと良くしたい、次の世代に素晴らしいまちを引き継ぎたい、そんな市民お一人おひとりの純粋な想いとまちへの愛着を胸に刻み、誇りあるまちを次の世代へつないでいくため、全力で市政運営を進めてまいります。
さて、日本の人口は、2008年の約1億2,808万人をピークに減少傾向にあり、国が公表した「2026年1月1日現在の概算値」では、約1億2,295万人となっており、65歳以上の高齢者数は、約3,618万人で総人口のおよそ3割を占めています。また、昨年12月の報道によれば、出生数についても2025年に国内で生まれた日本人は約66万8千人と大きく減少することが見込まれ、これは1899年の統計開始以降、最少を更新する見通しとされています。国は、このような状況を受け、人口減少は、わが国最大の問題であるとの認識のもと、「人口戦略本部」を設置し、こども・子育て政策を含む人口減少対策を総合的に推進することとしています。
本市の人口については、2020年9月の19万8,725人を境に減少局面に転じ、2026年2月1日時点では、19万5,401人にまで減少し、65歳以上の高齢者数は、5万1,772人となり全体の26.5%を占めています。また、出生数についても、2025年は1,323人となり、減少傾向で推移しています。これらの統計が示すように、全国的に進む少子高齢化が、本市においても深刻な課題となっております。
こうした人口構造の変化は、労働力不足や社会保障関係経費の増嵩等、社会経済のあらゆる側面に深刻な影響を与え、将来の予測を困難なものにしています。私は、先行きの不透明な時代を乗り越えるための要諦は、これまでの慣例や既成概念に捉われない「次世代への投資」と、市民の生命と暮らしを守り抜く「安全・安心なまちづくり」にあると確信しております。
私が目指す本市の姿は、「人」が安心して暮らし、地域への深い愛着を持ち、住みたい、住み続けたいと感じられるまちの実現であります。この「安全・安心」という揺るぎない基盤の上に、伊丹ならではの固有の「ブランド」や「魅力」をさらに磨き上げ、市内外へと戦略的に発信していくことが極めて重要であると認識しております。
全国的に人口減少が加速する中、本市における2025年の1年間をみると、社会増が自然減を大きく上回り、兵庫県内最多となる647人の人口増加となりました。これは、本市が様々な施策を展開し、まちの魅力を発信し続けた結果、本市の取り組みが着実に成果を上げている証左であります。
今後も、まちの主役である「人」が健やかに育まれ、「安全・安心」がしっかりと守られる体制を堅持してまいります。そして、その確かな「魅力」に多くの人々が集うという好循環を確立することで、交流人口はもとより、関係人口、ひいては定住人口の増加へとつなげてまいります。私は、この好循環を通じて本市を持続可能なまちへと発展させ、「選ばれるまち」として進化させていく決意であります。
本市が有する、長きにわたり培われてきた歴史や文化、四季折々に表情を変える豊かな自然、そして何よりも、人と人とのつながりを大切にする市民力は、まちの財産であります。これらかけがえのない本市の財産をさらに輝かせ、市民お一人おひとりが伊丹のまちに誇りを持ち、誰もが暮らしやすさを実感できる魅力あふれるまちを皆さまとともに築き上げていく所存です。
 

2.市政運営の基本方針

次に、市政運営の基本的な考え方について、申し上げます。
令和8年度の市政運営にあたりましては、「次世代への投資」、「安全・安心なまちづくり」、「ブランド・魅力の発信」を柱とした各施策を積極的に推進してまいります。

(1)次世代への投資

1つ目は、「次世代への投資」です。
子どもたちは、まちの未来を担うかけがえのない存在であるとの考えから、「次世代への投資」を最優先に取り組みます。次代を担う子どもたちの健やかな成長は、まちの活力向上や高齢者支援を含む地域社会全体の持続可能な発展を確かなものにします。本市の子どもたちが、将来のまちを支える人材となることはもとより、能力を最大限に発揮し、世界へとはばたけるような環境を整えることこそ、現在を生きる私たちの世代に課せられた責務であります。未来への確かなバトンを、着実に次世代へとつないでまいります。

(子どもの習い事応援)

「協調性」や「やり抜く力」といった非認知能力は、子どもたちが予測困難な社会を幸せに生き抜くための土台であり、次世代を担う子どもたちにとって重要な要素の一つです。
学校の放課後や休日の時間を有効に活用し、子どもたちの興味や個性を生かした学習や文化、スポーツ等の習い事経験は、非認知能力を育成するとともに、学校とは異なる環境で社会性を身につけることに寄与するなど、未来を担う子どもたちの無限の可能性を伸ばすことに大きくつながります。
家庭の経済的事情によって体験や学びの機会が制限されることなく、できる限り多くの子どもたちがその機会を享受できるよう、就学援助を受給している市内小学生の保護者を対象に、習い事に必要な費用として、月額8千円を上限に助成します。

(学校給食費の無償化)

学校給食は、子どもたちの心身の健全な発達に不可欠な「食育」の根幹を成すものであり、安定した質の確保が重要です。本市では、これまで、各家庭の負担が重くなる中学校給食費の完全無償化に取り組むとともに、小学校給食費についても、物価高騰の影響を受けている保護者の負担を軽減するため、食材費の物価上昇分等を公費で負担してきました。
来年度からは、国において、小学校給食費の負担軽減策が行われることとされています。本市においては、子育て世代の保護者の皆さまの負担をさらに軽減するため、国の支援では不足する部分を市が全額負担することで、小学校給食費を完全無償化します。これにより、本市では、小学校から中学校までの全学年の給食費が完全無償化となります。

(部活動の地域展開)

現在、本市では、中学校の部活動の地域展開について、運動部は令和8年度の夏季総体後の7月頃から、また、文化部は秋季学習発表会後の9月頃からの実施に向けて進めています。
子どもたちが自分の興味や関心に基づき、それぞれのペースで熱中できる活動を経験することは、子どもたちの豊かな成長にとって重要であると認識しております。スポーツや文化活動を気軽に楽しめるクラブから専門性の高いクラブまで、すべての地域クラブへの参加が家庭の経済状況によって制限されることがないよう、就学援助を受給している市内中学生の保護者に対し、地域クラブの参加に必要となる費用を補助します。また、登録地域クラブの活動初期において、物品の調達や指導者の研修に関する費用等、スタートアップに必要な費用の一部を補助します。子どもたちが自らの意思で選択した地域クラブに参加する際、在籍校以外の校区で活動する生徒の移動手段として自転車の利用増加が見込まれます。大切な命を守るため、ヘルメット購入に必要な費用を補助し、安全な移動を支援します。また、地域クラブ活動は、学校のグラウンド等、屋外運動施設において、日没以降の活動が想定されます。学校部活動と同様の活動環境を確保するため、照明設備を整備します。
さらに、地域クラブにおいて質の高い指導を確保するとともに、子どもたちが安心して地域クラブに参加できるよう、相談受付体制を整備します。地域クラブ、保護者、そして学校の三者が連携・協力できる体制を構築し、子どもたちの活動を力強く支えてまいります。

(TOYO TIRES 伊丹スポーツセンター整備)

スポーツ環境のさらなる充実に向けて、年間約30万人を超える利用者が集うTOYO TIRES 伊丹スポーツセンターについて、利用者の安全確保と利便性向上を図るため、大規模な改修を実施します。
陸上競技場のトラックについては、水はけが良く、雨天時や車いす陸上競技等にも対応可能な全天候型競技場とするとともに、フィールドは、サッカーやラグビー等の競技スポーツや、子どもから高齢者まで安全に利用できる生涯スポーツに適した人工芝への改修や、スタンド、ナイター照明の整備に向け、実施設計を行います。
テニスコートにおいても、人工芝の張り替えや、照明設備のLED化の改修を実施し、より快適にご利用いただける環境を整備します。
さらに、子どもたちをはじめ市民の皆さまから要望のありましたバスケットゴールを屋内プール北側に整備します。

(ボール遊びを楽しめる公園の環境整備)

子どもたちのボール遊びは、運動能力の向上や、コミュニケーション能力の育成等、様々な効果があるといわれております。しかし、現在、市内の多くの公園では、ボール遊びが制限されており、私自身、市長就任以前より、子どもたちや保護者の皆さまから身近な公園でボール遊びがしたいといった声をいただいておりました。
サッカーやキャッチボール等のボール遊びを楽しめる環境づくりのため、新たに瑞ケ丘公園の野球場、古池公園、及び稲野公園の運動広場の3施設を一時開放するとともに、スポーツセンターでは、テニスの壁打ちコートを開放します。
さらに、子どもたちが身近な場所で安心してボール遊びを楽しめる公園の環境整備に向けて、地域住民の皆さまや関係団体と連携し、地域の特性に応じた柔軟なルール作りに向けた協議を進めます。

(2)安全・安心なまちづくり

2つ目は、「安全・安心なまちづくり」です。
「安全・安心」は、すべての市民生活の基盤であり、持続可能なまちづくりを進める上での大前提であります。
私は、災害対策の強化はもとより、救急医療体制の充実、地域防犯や交通安全対策を徹底し、不測の事態から市民の皆さまの生命と財産、そして健やかな暮らしを守り抜くことこそが基礎自治体として最も基本的で重要な責務であると認識しております。この認識のもと、市民の皆さまお一人おひとりの暮らしの安全・安心を確保するため、全力を尽くしてまいります。

(市立伊丹病院統合再編整備)

統合新病院整備事業については、令和9年度後半の開院を目指し、高度急性期病院として脳卒中や心筋梗塞等、重篤な救急疾患に常時対応できるよう、救命救急センターの機能を備えた西棟の工事等を進めます。また、統合新病院の開院前に、近畿中央病院の診療休止を踏まえ、現行の市立伊丹病院において、「耳鼻咽喉科」・「脳神経内科」に常勤医を招聘し、安定した医療サービスを提供するとともに、新たに「腎臓内科」を開設し、入院治療サービスを一層向上させます。
令和8年4月から近畿中央病院の医師や看護師、その他の専門職といった医療人材を集約することで、安全で質の高い医療を安定的に提供できる体制を構築し、子どもから高齢者まですべての人が、将来にわたって安心して暮らせる安全なまちづくりを進めます。

(市立伊丹病院統合再編整備(交通アクセス確保等))

近畿中央病院を利用されている皆さまから、診療休止後に市立伊丹病院へ通院する場合の交通アクセスの向上に対する要望がございました。令和8年度から2年間、公立学校共済組合と共同で近畿中央病院と市立伊丹病院を結ぶ無料の直通シャトルバスを運行することで、市立伊丹病院への通院手段を確保するなど、今後も市民の皆さまに安心していただける医療提供体制の構築に向けて取り組みます。
また、近畿中央病院の跡地については、先月、1月30日に企画競争による売却先の公募を開始するなど、公立学校共済組合において手続きが進められています。引き続き、回復期機能を有する民間医療機関の誘致の実現に向けて、公立学校共済組合と協力しながら取り組みを進めます。

(物資備蓄)

災害時に指定避難所として使用される市内の小・中学校、及び高等学校において、停電時の夜間に、必要な明るさを確保するとともに、安全に仮設トイレへ移動することができるよう、LED投光器とインバーター発電機を配備します。また、防災公園の防災倉庫についても発災直後から災害備蓄品を迅速に搬出できるよう、照明設備等を配備します。
さらに、避難所におけるトイレ環境の整備を進めます。組立式仮設トイレを新たに72基整備するとともに、発災直後から仮設トイレが設置されるまでの期間に必要な携帯トイレキットを8万8,600個備蓄するなど、避難生活における良好な生活環境の確保に努めます。

(3)ブランド・魅力の発信

3つ目は、「ブランド・魅力の発信」です。
基礎自治体を取り巻く環境が厳しさを増す中にあっても、本市が誇る数多くの魅力をさらに磨き上げ、その価値を最大化して広く発信していくことが、「伊丹で子育てをしたい、住みたい、そして住み続けたい」と市民の皆さまが心から思えるまちを実現するための羅針盤となります。また、たとえ伊丹を離れることがあったとしても、「いつかもう一度戻り住みたい」と思っていただけるよう、魅力あふれるまちづくりを推進してまいります。

(ブランド戦略)

本市が持続的に発展し続けるためには、市民の皆さまが「このまちに住み続けたい」と感じ、まちへの愛着と誇りを深めることが重要であると認識しております。全国的な人口減少が加速する中、本市においても微減傾向にあり、将来にわたって「選ばれるまち」となるため、本市の「魅力」と「住みやすさ」をブランドとして言語化することが必要です。
このため、市民の声を調査・分析し、ワークショップ等を通じて意見交換を重ねながら、交流人口をはじめ、関係人口、定住人口の増加につながるブランド戦略を市民の皆さまとともに策定してまいります。さらにその戦略を起点にした様々な取り組みを通じて、本市に住まうことでウェルビーイングを実感できるまちづくりを展開します。

(ブランドデザインアドバイザリー)

本市の有する魅力のブランド化に向けて、パーパスの策定をはじめ、ブランド戦略、及び広報戦略の策定に取り組んでいます。それらの効果を最大限に高めるためには、各戦略を一体的に進めることが必要であり、まち全体を大所高所から広く見渡す「鳥の目」、生活者としての足元を注意深く見つめる「虫の目」、社会や時代の変化、潮目を見失わない「魚の目」といった視点が求められます。
そこで、専門知識を有する外部の人材、チーフ・マーケティング・オフィサー、いわゆるCMO補佐官を登用します。民間ならではの知見を導入することで、職員全員に「伝わりやすさ」や「伝えるべき情報」を意識した広報マインドを注入するとともに、本市のブランドデザインや広報デザイン等、まち全体の魅力を戦略的にコーディネートすることで、未来にわたって誇れるまちづくりを推進します。

(清酒発祥の地PR(日本遺産推進))

「清酒発祥の地 伊丹」は、本市が誇るべき貴重な歴史・文化であり、かけがえのない魅力の一つであります。先人たちが築いたこの歴史・文化を、未来を担う世代へ継承し、伊丹のまちの魅力をさらに高めてまいります。
日本酒のたしなみ方等に関する講座や、「清酒発祥の地 伊丹」に関連する様々な施設を訪れ、五感で体感いただくガイドツアー等を実施します。また、神戸市や西宮市等が参画する「阪神間日本遺産推進協議会」と連携し、構成団体が一体となって広域的に日本遺産関連のイベント情報を発信することで、「清酒発祥の地 伊丹」としてのPRをさらに強化します。

3.令和8年度の取り組み

令和8年度の諸事業について、第6次伊丹市総合計画の大綱に沿って述べさせていただきます。

大綱1 安全・安心

大綱の1つ目、「安全・安心」です。
緊急情報等を伝達する防災行政無線について、現在使用しているMCA無線のサービスが、令和11年5月に終了することから、新たなシステムへ更新するための設計を行います。
豪雨等による浸水対策として、金岡川改修工事、及び荒牧地区雨水管渠布設工事等を実施します。
救急体制のさらなる強化を図るため、消防車両整備計画に基づき、南野出張所の救急車を更新するとともに、旧車両を非常用救急車として活用します。
救急業務の円滑化と傷病者の負担軽減を図るため、救急現場でマイナンバーカードから医療情報を確認し、病院選定等に必要な情報を把握できるマイナ救急を導入します。
自転車をはじめとした交通事故の削減に向け、交通安全教室において、より臨場感が得られるVR教材を導入します。

大綱2 育ち・学び・共生社会

大綱の2つ目、「育ち・学び・共生社会」です。
大阪大学大学院連合小児発達学研究科との連携協定に基づき、睡眠を中心とした子どもたちの生活習慣の改善に取り組みます。小学校低学年を対象に、睡眠の大切さを学ぶことができる出前講座を実施するとともに、乳幼児期の子どもを対象に睡眠支援アプリを活用し、子どもの健やかな発達につなげます。
利用者の増加や多様化するニーズに対応するため、私立放課後児童クラブを3施設誘致します。
保育需要の増加が見込まれる市南部地域において、新たに60名分の保育定員を確保するため、私立保育施設1施設の整備を補助しま
す。
長期欠席やその傾向にある児童生徒に対応するため、市立小・中学校全校において不登校対策支援員の配置を週20時間に拡充します。
安全・安心でおいしい学校給食を継続して提供するため、小学校給食第2センターの建替工事を実施します。また、中学校給食については、現在使用している磁器食器から、破損のおそれが低い樹脂製のPEN食器とPEN食器専用の食器かごに更新します。
安全で良好な教育環境の確保を図るため、市立小・中学校、及び特別支援学校の大規模改修工事や空調設備改修工事等を実施します。
市内で自習できる環境の充実を図るため、従来の静かに学習する『自習室』に加え、皆で学び合える『自習スペース』を増設し、座席数を現在の約2倍となる700席程度に拡充するとともに、Wi‐Fi環境を整備します。

大綱3 健康・医療・福祉

大綱の3つ目、「健康・医療・福祉」です。
市内企業からの寄附を活用し、新たに産婦健康診査にかかる費用を助成するとともに、新生児聴覚検査にかかる補助額を増額します。
生まれてくる子どものRSウイルス感染症の感染、重症化予防を図るため、妊娠28週から36週までの妊婦の方を対象にRSウイルスワクチンの定期予防接種を実施します。
若年期の過ごし方で生涯の骨量が決まることから、「骨の健康づくり」にフォーカスしたアウトリーチ型の健康教育を実施するとともに、保健センターで骨密度測定会を実施します。
国民健康保険加入者の健康増進と各種検診の受診率向上を図るため、人間ドックの受診費用の助成を拡充します。
地域福祉の拠点施設である地域福祉総合センターいきいきプラザの屋上防水、外壁、内装改修等の大規模改修工事を実施します。
要介護者の介護度改善に大きく寄与している事業所に対して、表彰や報奨金を付与するとともに、介護度の改善度合いが高い方への個人表彰を実施することで、事業所や要介護者の意欲の向上を図り、自立支援や重度化防止につなげます。

大綱4 市民力・にぎわい・活力

大綱の4つ目、「市民力・にぎわい・活力」です。
令和8年度供用開始予定の地域活動の拠点施設みなみ交流センターの建築工事を実施するとともに、南センターとコミュニティセンター梅ノ木の解体工事を実施します。
JR伊丹駅構内にある観光物産ギャラリーの大規模改修工事を実施します。
文化施設の大規模改修に向けて、東リ いたみホールについては、特定天井の改修工法の検討等について基本設計を行い、音楽ホールについては、建物・設備等に関する実施設計を行います。
市の創業支援情報を創業者へ発信するとともに、創業者や創業希望者同士の交流会を実施します。また、起業に興味・関心がある高校生を対象に、ビジネスゲームや創業に関する講義等の起業教育を実施します。
伊丹スカイパーク利用者の安全性と利便性の向上を図るため、冒険の丘の法面に安全で歩きやすい園路や階段等の設置工事を実施します。

大綱5 環境・都市基盤

大綱の5つ目、「環境・都市基盤」です。
脱炭素シンポジウムの開催や脱炭素に取り組む企業を表彰するなどの支援策を通じて、市内企業の脱炭素経営を促進します。
24時間いつでも予約状況を確認し、手続きを行うことができる斎場予約システムを導入します。
豊中市と共同で、し尿公共下水道放流施設の新施設の整備に向けた基本設計を行います。
公園施設長寿命化計画に基づき、西桑津公園ほか2公園の遊具の更新や天神川緑地の園路舗装工事を実施します。
市営住宅等整備計画に基づき、荒牧第6、第7団地について、解体工事等を実施するとともに、玉田団地1号館ほか3棟の用途廃止に向けた測量委託等を行います。
市バス利用者の利便性向上を図るため、交通局、及び阪急伊丹市バス総合案内所でキャッシュレス決済を導入します。
街路樹管理計画に基づき、市道桑津口酒井線や市道南町6270号線ほか3路線の歩道再整備を実施します。

大綱6 参画と協働・行政経営

最後に、大綱の6つ目、「参画と協働・行政経営」です。
市民サービスの維持・向上と業務効率化の推進に向けて、市ホームページ上で稼働しているAIチャットボットについて、生成AI等、新しい技術と連携したシステムに更新します。
施策の効果検証や市民満足度の把握を通じて、市政に対する市民ニーズを的確に施策へ反映させるため、市民意識調査を実施します。
みなみ交流センターの開所に伴い、廃止する南センターに設置されている市民課南分室を生涯学習センターラスタホール1階へ移転します。
職員が安心して働けるだけでなく、来庁者が心地よく利用できる環境づくりのため、カスタマーハラスメントの防止に取り組みます。
市長の市政運営を評価する仕組みの導入に向けて、市長の退職金に、客観的な意見を取り入れた成果報酬型の評価制度を検討します。

4.予算概要

次に、令和8年度歳入歳出予算案の概要についてご説明いたします。
令和8年度当初予算の編成にあたりましては、行財政改革により、財源を確保し、主要施策に重点的に予算を配分するとともに、賃金や物価の上昇を的確に予算に反映しました。また、行財政プランの規律を堅持し、財政の健全性を確保した結果、一般会計予算の総額は過去最高となる957億円で、前年度当初予算に比べ30億円、率にして3.2%の増となりました。
次に、予算の主な内容についてご説明申し上げます。
まず、一般会計の主な歳入歳出予算の状況について、概数で申し上げますと、歳入については、市税収入では、給与所得の増加による個人市民税の増収や、家屋の新増築による固定資産税、及び都市計画税の増収が見込まれることなどから、前年度に比べ6億9,000万円、率にして2.0%増の350億7,000万円を見込んでおります。
地方交付税は、地方財政計画において、人件費の増加や物価高への対応等、所要の一般財源総額が確保された結果、前年度に比べ6億5,000万円、率にして6.9%増の100億5,000万円を見込んでおります。
県支出金は、小学校給食費負担軽減に伴う交付金の増加等により、前年度に比べ1億3,000万円、率にして1.6%増の81億1,000万円となりました。
歳出については、扶助費では、利用者数の増加による障害福祉サービス費や、賃金・物価の上昇に伴う保育所保育委託料の増加等、社会保障関係経費が増加することなどから、前年度に比べ8億4,000万円、率にして2.6%増の334億9,000万円となりました。
補助費等は、小・中学校の給食費完全無償化や、子どもの習い事応援事業の実施等、主要施策に要する経費が増加することから、前年度に比べ2億7,000万円、率にして2.7%増の105億7,000万円となりました。
公債費は、公債管理基金を活用した繰上償還に伴い、償還元金が増加することなどにより、前年度に比べ14億1,000万円、率にして20.8%増の82億円となりました。
特別会計では、国民健康保険事業特別会計等、6会計総額で、前年度に比べ19億3,000万円、率にして4.8%増の421億8,000万円となっております。
公営企業会計では、病院事業会計等、6会計総額で、前年度に比べ42億3,000万円、率にして6.1%増の736億8,000万円となっております。
次に、主な財政指標について申し上げますと、実質公債費比率は前年度に比べ0.9ポイント減の3.9%となり、健全な水準を維持しております。また、将来負担比率は、公債費充当可能財源等が将来負担額を上回るため、発生しない見込みです。
市の貯金である財政調整基金は、基金運用利子のほか、財源の年度間調整のために2億4,000万円の積立を行う一方、中学校給食費の無償化に要する経費や、クリーンランド負担金の年度間調整のために4億8,000万円を取り崩すことから、基金残高は前年度に比べ2億4,000万円、率にして1.7%減の140億1,000万円となる見込みです。
また、市の借金にあたる市債残高は、繰上償還を行うことなどにより、前年度に比べ40億5,000万円、率にして7.2%減の522億円となる見込みです。
今後とも、歳入・歳出両面において、行財政改革に果敢に取り組み、次の世代へつなぐための行財政運営に努めてまいります。

5.むすび

「今日、誰かが木陰で休めるのは、遠い昔に誰かが木を植えたからだ」
これは、米国の投資家ウォーレン・バフェット氏の言葉です。
私たちが今、この伊丹の地で享受している利便性や豊かな環境は、決して偶然の産物ではございません。はるか昔、未来を信じ、弛まぬ努力を重ねてこられた先人たちが築いてくださった尊い礎の上に、成り立っているものであります。
この事実に深い敬意と心から感謝するとともに、次は私たち自身が「未来の木を植える」番であると、その責務を改めて強く認識しております。
未来を担う子どもたちが、希望に満ちた笑顔で健やかに成長できる環境を整えること。すべての市民が、住み慣れた地域で安心して心豊かな日々を送れる地域社会を築き上げること。そして、伊丹というまちが持つ可能性を最大限に引き出し、持続的に発展していくための確かな種を蒔くこと。これらこそが、今を生きる私たちに課せられた使命であります。
しかしながら、木が育つには、年月を要するからこそ、私たちは今、行動を起こさなければなりません。
数十年後の豊かな「木陰」を確かなものにするためには、時代の変化を敏感に先取りする「スピード感」と、前例のない困難に対しても怯むことなく果敢に立ち向かう「チャレンジ精神」が不可欠であります。
小さくとも確かな一歩の積み重ねが、やがて数十年後の豊かな実りへとつながります。
私は、未来の市民が誇りに思える「豊かな木陰」をこの伊丹に残すため、全身全霊を懸けて職務を全うする所存です。
議員各位をはじめ、市民の皆さまの深いご理解と温かいご協力を、心よりお願い申し上げます。