被災文化財の復旧事業

更新日:2021年05月25日

史跡

国・県の補助を受け,復元工事が平成7年7月から8年2月までおこなわれました。工事はいったん石垣を崩壊部・既存部ともに撤去して石材を調査したあと,ふたたび裏込めの栗石とともに積み直しました。

史跡の復旧1

石材に番号を付け,いったん撤去

史跡の復旧2

積み直し中の石垣

史跡の復旧3

竣工した復元石垣

建造物

旧岡田家住宅

建物全体に大きな被害をこうむった旧岡田家住宅については,文化庁建造物課の被害調査の結果,店舗・釜屋・酒蔵のすべての建物を解体修理することが決定され,平成7年度から10年度までの4ヵ年計画で修理がおこなわれました。

解体修理にさいしては,財団法人文化財建造物保存技術協会に設計管理を委託し,平成7年7月から解体工事に着手しました。解体修理後の復原については,現状の建物が創建時から相当改造を加えられていることから,建物の調査をおこないながら進められました。

また,建物の調査に加え発掘調査を実施し,地下に残る建物の改造の痕跡も検証しました。

また,解体修理完了後の公開を含めた活用案についても検討され,現在は市立伊丹郷町館のメインの建物として公開されています。

昆陽寺山門と観音堂

平成7年度に観音堂,8年度に山門の復旧工事がおこなわれました。

観音堂は,被害の程度からみて全解体の必要がなく,半解体で修理をおこないました。

被害の中心は建物のねじれであるため,屋根瓦を下ろしてゆがみを補正し,ふたたび瓦を葺き直しました。

山門の場合は,建物全体が礎石から移動しているため,いったん建物全体を浮かして元の位置に戻しました。

昆陽寺山門の写真

昆陽寺山門の修理

山門大棟瓦の写真

山門大棟瓦の積み直し

鴻池神社本殿

覆屋ごと大きく後方に傾いていましたので,覆屋を解体したのち本殿を移動しました。基壇の石垣を修理したあと,ふたたび本殿を置き,覆屋を新築しました。工事は平成7年度中に完了しました。

春日神社(口酒井)本殿

平成8年度に修理をおこないました。

仏像

未指定の仏像のなかでとくに文化財的に注目されていた昆陽寺山門二天立像,発音寺三面大黒天立像・毘沙門天像は,発音寺十一面観音立像とともに,平成7年度中に京都国立博物館内にある財団法人美術院に運はれ,補修がおこなわれました。また,昆陽寺山門仁王像2体は,山門修理工事のさいにあわせて補修されました。

未指定文化財

市では早くから未指定文化財の被害調査を実施しました。それらのうち文化財的価値の高いものについては,先ほどの昆陽寺山門内の二天立像や発音寺大黒天立像のほか,荒牧容住寺本堂の修理工事を,財団法人文化財保護振興財団補肋金の助成を受けておこないました。

この記事に関するお問い合わせ先

都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048

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