寛文9年銘道標
この道標は,もと市内北伊丹2丁目の旧西国街道と,池田・伊丹道の交差する三つ辻にありました。寛文9年(1669年)に造られたもので,昭和63年に伊丹市の有形文化財に指定されました。

花崗岩製の角柱型で下半部を欠損しています。現存高は97センチ,幅は正面で24.5センチです。右側面には「寛文九年 己酉三月朔日」の銘文が刻まれています。
正面には「南無阿弥陀仏」の左右に「左 あまかさき・いたみ」「右 ひやうこ・にしのミや」と刻まれ,西国街道を東から来た旅人に,まっすぐ行けば西宮・兵庫へ,左に折れて池田道をたどれば伊丹・尼崎へ至ることを示しています。
在銘の道標としては市内最古で,兵庫県下でも宝塚市にある寛文8年銘の道標2基(うち1基は現在所在不明)についで3番目に古いものです。また,全国的にみても17世紀にさかのぼる例は少なく,たいへん重要な道標です。伊丹は西摂地方の中でも酒造業で栄え,とくに中心部は在郷町として発展しました。このような経済力に支えられて,周辺部の道路や道標が整備されたと考えられます。
所在地
注意:本道標が展示中であるかは市立伊丹ミュージアムにおたずねください。
参考文献
- 「寛文九年銘道標」『伊丹の文化財』伊丹市教育委員会、平成7年
- 古川久雄「寛文9年在銘北伊丹道標」『地域研究いたみ』第18号、伊丹市立博物館、平成元年
地図情報
この記事に関するお問い合わせ先
都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048
- このページの感想をお聞かせください
-
更新日:2023年03月15日