鬼貫(おにつら)筆「秋ハ物の」句一行書

更新日:2023年03月15日

伊丹の生んだ俳聖・上島鬼貫の名句のひとつで,元禄5年(1692年)の『天満拾遺(てんましゅうい)』に入集したものです。この書は墨染寺(ぼくせんじ)の鬼貫句碑の底本として使われました。平成18年に市の有形文化財に指定されました。

「秋ハ物の」句一行書の写真

(読み)秋は物の 月夜烏は いつも鳴く 仏兄(さとえ)書

仏兄は鬼貫の号のひとつです。当時流行の歌謡,隆達節(りゅうたつぶし)の「爰(ここ)は山中森の下陰月夜烏はいつも啼く(なく)」をとり入れながら,物のあわれの秋となれば,誰しも身近に実感される人と自然の「まこと」を謳歌した名句です。この書はそれを,いかにも楽しく伸びやかに書き表しています。

元は柿衞文庫主岡田利兵衞氏の所蔵品で,市立博物館開館にあたり寄贈されたものです。これを底本とした墨染寺の句碑は,幕末の伊丹俳人たちが建立した一連の鬼貫句碑の最初のものです。

同時に指定された「にょっぽりと」句一行書と甲乙付けがたい充実した大作で,句と同様に,より成熟した特色を見せています。

所在地

市立伊丹ミュージアム

注意:展示中かどうかは市立伊丹ミュージアムにお問い合わせください。

参考文献

  • 「鬼貫句碑」 『伊丹の文化財』伊丹市教育委員会、平成7年

地図情報

この記事に関する
お問い合わせ先

都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048

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