岩屋遺跡の整備事業
岩屋遺跡は伊丹スカイパークの整備事業に先立ち,平成15年から16年にかけて兵庫県教育委員会により発掘調査がおこなわれました。
調査区のうちE地区とF地区では,弥生時代の蛇行する自然河川跡とその護岸施設や,井堰・用水路などの灌漑施設がみつかりました。
市ではこの貴重な発見を後世に伝えるため,堰遺構の復元などの整備事業に取り組んできました。
岩屋遺跡の発掘調査成果から
次の図は岩屋遺跡の範囲を示したものです。



堰1と水路
用水路の底の土は何回も取り除かれて手入れされていたようです。水路の先には水田が広がっていたのでしょう。
この灌漑施設は,今から2400年も前に,当時としては最先端の技術によってつくられたもので,国内ではまだ発見例が少ない貴重なものです。
調査結果を示した兵庫県立考古博物館「ひょうごの遺跡兵庫県埋蔵文化財情報」(PDFファイル) (外部リンク)
http://www.hyogo-koukohaku.jp/publication/remains/5tpuaj0000003te1-att/5tpuaj0000003tee.pdf
参考文献
- 兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所編『岩屋遺跡・森本遺跡 大阪国際空港周辺緑地整備事業に伴う発掘調査報告書』兵庫県文化財調査報告第300冊、兵庫県教育委員会、2006年
- 上田健太郎「岩屋遺跡における新視点―弥生人と川とのかかわり―」『地域研究いたみ』第37号、伊丹市立博物館、平成20年
岩屋遺跡の整備
岩屋遺跡の重要な発見を後世に伝えるため,伊丹市教育委員会では公園整備課と調整の上,堰1の主要部分を復元することにしました。
また,調査成果を紹介する展示をスカイパーク北部のパークセンターに開設するとともに,神津地域から出土した埋蔵文化財をモチーフにしたサインモニュメントを園内に設置しました。
モニュメントにはクイズが添えられ,パークセンター内で正解を見ることができます。
事業内容
展示コーナー「岩屋遺跡と神津の歴史」開設
岩屋遺跡周辺の景観を復元したジオラマと岩屋遺跡の出土品をメインに,神津地域の埋蔵文化財と歴史を紹介しています。
サインモニュメント5基設置
次の5つの出土品をモチーフにし,園路沿いに設置しました。
- 口酒井遺跡出土の土偶 縄文時代
- 口酒井遺跡出土の壷(口縁部の形と文様) 弥生時代
- 中村出土の銅鐸 弥生時代
- 原田西遺跡出土の石斧と石包丁 弥生時代
- 口酒井遺跡出土の浅鉢(籾あと付き)
弥生時代堰1遺構の復元模型設置
堰1の主要部分を復元し,発見された場所と同じ位置に設置しました。なお,実際の遺構は地下にそのまま保存しています。
この記事に関するお問い合わせ先
都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048
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更新日:2023年03月15日