令和3年度(2021年度) 施政方針

更新日:2021年06月15日

藤原保幸市長は、令和3年6月7日、令和3年第3回市議会定例会で、令和3年度の施政方針を表明しました。

施政方針は次のとおりです。

目次

「未来へつなぐまちづくり」の実現

1.市政運営の決意

2.「選ばれるまち」を目指して

3.情勢認識

4.4年間の重点施策

(1)大綱1 安全・安心
(2)大綱2 育ち・学び・共生社会
(3)大綱3 健康・医療・福祉
(4)大綱4 市民力・にぎわい・活力
(5)大綱5 環境・都市基盤
(6)大綱6 参画と協働・行政経営

5.補正予算案の編成方針

6.予算概要

 

令和3 年第3 回伊丹市議会定例会の開会にあたり、令和3 年度一般会計補正予算(第5 号)をはじめ、各議案の提案理由をご説明申し上げるとともに、今後4 年間の市政運営に対する所信の一端を申し述べさせていただきます。議員各位をはじめ市民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

1.市政運営の決意

4月に執行された市長選挙におきまして、多くの市民の皆さまにご支持をいただき、第24代伊丹市長として、市政運営を担わせていただくこととなりました。
私は市長就任以来、一貫して「安全・安心のまちづくり」を市政運営の一丁目一番地として、そして「まちづくりは人づくりから」との信念のもと、地域の特性に合わせて多様な行政課題に取り組んでまいりました。本市の地域資源である豊かな歴史・文化・自然と市民力・地域力が相乗したまちづくりにより、「訪れたい 住みたい 住み続けたい」と多くの方に感じていただけるような"まちの魅力"が根付いてきております。そして、ふるさと伊丹のゆるぎない未来のために、健全で安定した行財政の基盤づくりにも注力してまいりました。
しかし、昨年3月から本市にも広がりを見せた新型コロナウイルス感染症は、私たちの日常を根底から覆し、経済も大きく打撃を受けるなど、これまで経験したことのない深刻な事態をもたらしました。国、県と連携し、市民の皆さまにもご負担をお願いしながら、感染症対策を講じていますが、未だ収束を見通せません。
新型コロナウイルス感染症収束への切り札として期待されているワクチンの接種では、予約申し込みの電話が集中して混乱が生じましたが、その後、Webでの受付を開始するなど改善に努め、6月1日時点で65歳以上の市民、約78%が予約を完了し、同じく、約25%の方の1回目の接種が完了いたしました。国が目標とする7月末までに、希望される全ての高齢者へのワクチン接種が完了するよう、7月から新たに中心市街地の民間施設に集団接種会場を設け、市内4か所で集団接種を行う体制に強化する予定です。また、65歳未満の市民にも速やかに接種が進むよう、今後も必要な対策を講じてまいります。
私たちの社会は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や地球温暖化による気候変動・異常気象などの困難に直面しています。一地方自治体と言えども、世界規模の問題と決して無関係ではいられません。少子高齢化が加速する中で、この難局に対峙することは、市民の皆さまから私に託された責務と考えます。迫る課題を乗り越え、これまでの暮らしやにぎわいを取り戻し、全ての市民が安心して生き生きと暮らすことができるよう、市政運営に全身全霊を捧げてまいります。

2.「選ばれるまち」を目指して

1940年に誕生した本市は、81年目を迎えました。この間には、戦争と戦後の復興、伊丹空港の開港、阪神淡路大震災等、歴史的な出来事を経験し、先人は力を合わせて幾多の苦難を乗り越え、今日の発展へと導いてこられました。
私が市長に就任した2005年は、日本の人口が初めて減少に転じた年で、総務省統計局が「我が国の人口は減少局面に入りつつあると見られる」と発表しました。日本が歴史上経験したことのない人口減少社会へと突入したもので、これは自治体経営にとっても大きな問題でありましたが、市民の皆さまとともにまちづくりに取り組んできた結果、国、兵庫県の人口が減少する中で、本市の人口は増加を続けてきました。
人口や地価は、地域の活力を定量的に示す客観的指標と捉えており、これまではいずれも上昇傾向で推移してきましたが、人口動態では、2018年以降は、死亡数が出生数を上回る自然減に転じ、この半年間は転出数が転入数を上回る社会減の傾向も見られます。
また、国土交通省の2021年地価公示によりますと、新型コロナウイルス感染症の影響等により、本市を含む大阪圏では、商業地が2013年以来8年ぶりに、住宅地では2014年以来7年ぶりに下落した中で、本市では、全ての調査地点で下落がありませんでした。
第6次伊丹市総合計画では、今後8年間のまちづくりの指針を定めておりますが、新型コロナウイルス感染症がもたらしたライフスタイルの変化等も見極めながら、時代に即した公共サービスへ各施策をブラッシュアップし、「選ばれるまち」を目指してまいります。

3.情勢認識

新型コロナワクチンの接種が進む国、地域では、新規感染者数が減少し、社会・経済活動が再開されるなど、感染症収束後に向けた動きが出てきましたが、インド、ブラジルなどでは、感染者急増による医療提供体制の逼迫など、危機的な社会・経済状況が続いています。
日本においても、変異株の感染者が増加していることなどを踏まえ、感染防止を徹底すべく3度目となる緊急事態宣言が発出されました。感染者数は減少に向かっているものの、医療提供体制が依然逼迫している状況であることから、緊急事態宣言の期間が延長となりました。政府は、更にワクチンの接種を加速させ感染の抑え込みを図る方針で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた準備も進められています。
また、先月、内閣府が発表した2020年度のGDPは、新型コロナウイルス感染症の影響で実質の伸び率がマイナス4.6%となり、リーマンショックが起きた2008年度を超える大幅な下落を記録しました。
そして感染症の拡大は、改めて日本社会、とりわけ行政のデジタル化の遅れを顕在化させ、社会経済活動を継続するためのテレワーク、オンライン教育、オンライン診療等、非対面・非接触での新しい生活様式を支えるデジタル技術の重要性を再認識させられました。国は、デジタル政策の司令塔となる「デジタル庁」を本年9月に始動させ、自治体情報システムの標準化や共通化を進め、業務の効率化や住民サービスの向上を進めるとしています。
菅内閣総理大臣は、首相就任時の所信表明演説において、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すと宣言し、本年4月にアメリカ大統領主催で開催された気候変動サミットでは、2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標を、2013年度比46%減とすることを表明して、地域の再生可能エネルギーを活用した脱炭素化や企業の脱炭素経営の促進など、経済と環境の好循環につなげるための「グリーン成長戦略」へと舵を切りました。
私は、「デジタル改革」と「グリーン成長戦略」が日本社会を持続可能な社会へと転換させ、次なる成長の原動力になりうると考えております。

4.4年間の重点施策

第6次伊丹市総合計画に掲げる将来像「人の絆 まちの輝き 未来へつなぐ 伊丹」の実現に向け、社会情勢の変化に対応し、スピード感を持って取り組んでまいります。
市民の皆さまとお約束しましたマニフェストの重点施策について、第6次伊丹市総合計画の枠組みに沿ってお示しいたします。

(1) 大綱1 安全・安心

安全・安心見守りネットワークの充実

大綱の1つ目、「安全・安心」です。
近年の大型化する台風や頻発する集中豪雨、近い将来発生が予測されている南海トラフ地震などの自然災害から生命や暮らしを守るため、常日頃から自助・共助と公助による地域防災力の強化に取り組まなければなりません。
2022年秋には、防災拠点として市民の暮らしを守り・支える市役所新庁舎が完成するほか、災害拠点病院としての機能を有する統合新病院の整備も進めているところです。また、防災施設の整備・保全や消防・救急体制の強化などとともに、避難所の感染防止対策や「いたみ防災ネット」による災害情報のメール配信、AIを活用して迅速な情報収集・避難支援を行う「LINE防災アプリ」を今月から運用を開始するなど、適時適切な防災情報の提供に努めてまいります。
防犯では、1,200台の見守りカメラとビーコン受信器を組み合わせた「安全・安心見守りネットワーク」の整備や地域の見守り活動などにより、2020年の街頭犯罪認知件数が、ネットワーク整備前の2014年に比べて約3分の1と大幅に減少しました。
「安全・安心見守りネットワーク」の更新に向けて、デジタル技術の進化を注視しつつ、機能の充実や利便性の向上について研究を進めます。
これらハード・ソフトの両面から地域防犯に取り組み、子どもから高齢者まで、「誰もが安全・安心を感じながら暮らすことのできるまち」を目指してまいります。

(2)大綱2 育ち・学び・共生社会

教育・保育環境の充実、放課後児童くらぶの充実

次に、大綱の2つ目、育ち・学び・共生社会です。
国の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」に、複数の省庁にまたがる子育て支援策の総合調整機能を担う「こども庁」の創設が盛り込まれる見通しと報道されています。
私は、伊丹の未来を担う子どもたちの教育や子育て支援を「未来への投資」と考え、平成31年度に子ども・子育て支援施策を所管するこども未来部を教育委員会に再編し、全ての子どもが質の高い教育・保育を受け、生きる力を育むことのできる環境整備を行いました。
多くの若い世代に伊丹のまちで子育てをしたいと思っていただけるよう、増加する保育需要には、民間保育施設の開設等を支援して定員増を図るとともに、不足する保育人材の確保に向けて民間事業者を支援してきました。引き続き、教育・保育・子育て支援と保育環境の充実を図ってまいります。
放課後健全育成事業いわゆる「放課後児童くらぶ」における、長期休業中の昼食の提供に関して、提供体制の研究や保護者ニーズの把握などを行い、検討を進めます。
これからのグローバル社会を生きる子どもたちには、急速で急激な変化に適応していく能力が必要です。特に、デジタル技術の進展は著しく、近い将来に、今は存在しない全く新しい職業が世の中を席捲していることも想像に難くありません。
昨年度は、市内小中特別支援学校の児童生徒にタブレット端末を一人1台配布し、ICTを活用した学校教育の情報化を進め、今年度はデジタル教科書の実証研究を行っています。時代の潮流に遅れることなく、子どもたちが必要な資質や能力を身につけることができるよう、今後も適切な教育環境、体制整備を進めてまいります。

(3)大綱3 健康・医療・福祉

統合新病院の整備、市バス特別乗車証の継続

次に、大綱3、健康・医療・福祉です。
市立伊丹病院と公立学校共済組合近畿中央病院を統合する新病院は、「地域に信頼される、安全で安心な医療の提供と健康づくりの推進」を基本理念とし、地域医療の中核病院として2025年の開院を目指します。
統合新病院は、さらに高齢化が進む今後の医療需要に応える施設整備を行い、阪神北準圏域での高度急性期医療の提供、救急搬送患者の受け入れ、がん診療連携拠点病院としての機能強化、周産期医療の体制強化など、高度で良質な医療の提供を使命とします。また、新たな感染症に機動的に対応できるよう、兵庫県と連携しながら医療体制の強化に努めます。
近畿中央病院跡地には、地域の医療ニーズに対応した回復期機能を有する民間医療機関が誘致できるよう、公立学校共済組合と協議し、地域完結型の医療提供体制の充実に向けた取り組みを進めます。
また、市内各方面から新病院への公共交通機関によるアクセスの向上については、市バスの系統も含めたダイヤ編成の見直し等の中で検討を進めます。
市バスは高齢者の日常生活を支える手軽な移動手段であり、市バス特別乗車証は70歳以上の約8割の市民に利用されています。2020年度に実施しました利用者アンケートの結果では、「外出範囲が広がるなど、心身の健康面によい効果があった」と答えた方が全体の9割を超えており、高齢者の社会参加の促進に貢献しているものと受け止めております。
市民の皆さまが、生涯にわたって活躍し続けることができるよう、市バス特別乗車証を継続し、高齢者にやさしいまちづくりを進めてまいります。

(4)大綱4 市民力・にぎわい・活力

地域自治組織へのデジタル化支援

次に、大綱の4つ目、「市民力・にぎわい・活力」です。
本市では、「伊丹市まちづくり基本条例」に沿って、地域自治組織の設立や地域ビジョンの策定、地域の総意に基づく交付金の活用など、参画と協働によるまちづくり活動が定着してまいりました。
多世代が交流するイベントの開催やまちの環境美化、子どもの見守り活動、地域防犯や防災活動など、市民や地域を主体に多岐にわたる活動が行われてきました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、イベントの延期や中止、総会や会議の書面開催等、活動の自粛を余儀なくされており、本格的な活動再開には、オンライン会議やホームページ、SNSでの情報発信など、デジタル技術の活用が有効な手段となります。これらは、役員の負担軽減にもつながると期待できることから、地域の実情やニーズに応じて地域自治組織の運営にデジタル技術を活用することを支援し、市民による主体的なまちづくりを推進してまいります。

(5)大綱5 環境・都市基盤

温室効果ガス排出量の削減、太陽光パネルの設置促進

次に、大綱の5つ目、「環境・都市基盤」です。
国際公約となった「2050年カーボンニュートラル」の目標は、地方自治体にも温室効果ガス排出量の削減に向けた実効性ある取り組みを迫るもので、一人ひとりがライフスタイルを変えていくことで、社会経済や産業構造の変革をもたらすとされています。
これまで省エネ製品への買換えや公共交通機関の利用をはじめとする「COOL CHOICE」の啓発など、市民や事業者、大学等と連携・協働して環境施策を進めており、本市が実施する事業などから排出される温室効果ガスの削減に向け、クールビズ等環境マネジメントシステムの取り組みや、照明のLED化、低燃費車の導入の推進などを行ってきました。
今後、国が示す地球温暖化対策計画に沿って、第4次伊丹市地球温暖化対策推進実行計画を策定して自らの温室効果ガス排出量の削減目標を定め、取り組みを推進してまいります。
市役所新庁舎では、室内の快適性と大幅な省エネルギー化を両立し、自然環境への負荷低減を図る建物として、延床面積20,000平方メートルを超える大規模庁舎では全国初となる、「ZEB Ready」の認証を取得しました。これらに加え、現庁舎と千僧浄水場で使用する電力の全量を再生可能エネルギーで賄うことや公用車の電気自動車への計画的な更新を進めます。
また、統合新病院でも「ZEB Ready」の認証取得や、電気自動車に対応した急速充電設備の設置を検討します。
さらに、兵庫県下の自治体初、一般市では全国初となる「太陽光発電及び蓄電池設備の共同購入支援事業」で、戸建て住宅等への太陽光パネルの設置を促進し、市民の温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みを支援してまいります。

(6)大綱6 参画と協働・行政経営

デジタル技術を活用した市民サービスの向上

最後に、大綱の6つ目、「参画と協働・行政経営」です。
市役所新庁舎のオープンを見据え、職員に向けて「Smart Itami」を宣言し、行政文書の電子化・ペーパーレスの促進、RPAやAIチャットボットを導入した事務処理、キャッシュレス決済の試行など、デジタル技術を活用した業務改革や働き方改革を進めております。また、コロナ禍においては、テレワークの推進や行政手続きのオンライン申請の拡充なども行ってきました。
本年4月に新設したデジタル戦略室を中核として、自治体デジタル・トランスフォーメーションを進める全庁横断型組織を整備し、行政手続きのオンライン化や、その基盤となる情報システムの標準化、AI、RPAの更なる活用など、デジタル戦略の検討を進めているところです。
また、多くの市民が利用する窓口では、スマートフォンやタブレットを活用した"書かせない""待たせない"「スマート窓口」やユニバーサルデザインによる案内サインなどの検討を進めております。感染症対策にも配慮した、多機能で誰もが利用しやすく、質の高い行政サービスを提供する新庁舎を目指します。
これら時代のニーズに即した施策の実現に向け、公共施設マネジメントの推進をはじめ、公民連携による積極的な財源の確保、事務事業の見直しやデジタル技術の活用など、効率的・効果的な行財政運営に取り組むとともに、国の経済対策等の有利な財源を活用し、健全な財政基盤を維持してまいります。
第6次伊丹市総合計画前期実施計画期間の4年間では、まず、新型コロナウイルス感染症の収束に向けた対策を進め、これまでの暮らしやにぎわいを取り戻して行かねばなりません。
コロナ禍で私たちは、テレワークやオンライン授業を経験し、通信販売やデリバリー、テイクアウト、キャッシュレス決済、動画配信を利用し、移動手段には徒歩や自転車が増えるなど、新しい生活スタイルを実践しました。困難な状況から生まれた行動が、これまでの日常を変え、それが次の時代の新たな日常となるでしょう。
私たちには、"取り戻すこと"と同時に"新しいスタイルに変わること"が、求められているものと考えます。未知のウイルスが存在する時代のありようを市民の皆さまとともに思い描き、「人の絆 まちの輝き 未来へつなぐ 伊丹」の実現に向け、参画と協働によるまちづくりを基本として市政を運営してまいります。

5.補正予算案の編成方針

以上、今後4年間の市政運営の決意と重点施策について申し述べました。続きまして、令和3年度一般会計予算における補正予算案の主要な事業について、第6次伊丹市総合計画の枠組みに沿ってご説明申し上げます。
今回の補正予算案につきましては、市長マニフェストに掲げた事業のうち早期に着手が可能なものや、市民の皆さまからご要望いただいた事業などを中心に取り組むこととしており、その財源につきましては、骨格的予算として編成しました令和3年度当初予算で計上した予備費や基金等を活用し編成いたしました。

(1)大綱1 安全・安心

大綱の1つ目、「安全・安心」です。
避難所での新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策として、テント型間仕切りを整備するとともに、感染症対策用の備蓄品の増加に対応するため、笹原公園の隣接地に備蓄倉庫を整備します。
また、おむつ等生活用品の備蓄計画を見直し、福祉事業などへ有効活用します。

(2)大綱2 育ち・学び・共生社会

次に、大綱の2つ目、「育ち・学び・共生社会」です。
保育所業務のICT化を推進するため、中央保育所ほか公立保育所3施設におけるWi-Fi環境を整備し、幼児教育センターなどが実施する研修や会議等のオンライン化を進めます。
また、私立保育所等の保育士の事務処理に係る負担を軽減するため、システムの導入費用を補助します。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う失業や外出自粛等で孤立するなど、不安を抱える女性を支援するため、男女共同参画センターに相談窓口を設置します。

(3)大綱3 健康・医療・福祉

次に、大綱の3つ目、「健康・医療・福祉」です。
がん治療の副作用による患者の心理的負担を軽減し、就労等社会参加を促進するため、医療用ウィッグなどの補正具の購入費用を助成します。
不妊に悩む方の早期受診を促し、不妊症の早期発見、早期治療を推進するとともに、経済的負担の軽減を図るため、保険適用とならない検査費用を助成します。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、経済的に困窮する子育て家庭に食料品や日用品を提供するとともに、生活再建に向けた支援を実施します。

(4)大綱4 市民力・にぎわい・活力

次に、大綱の4つ目、「市民力・にぎわい・活力」です。
すずはら幼稚園跡地の一部を利用し、共同利用施設の集約化による新たな地域活動拠点施設を整備するため、幼稚園舎の解体工事や測量委託、基本設計等を行います。
地域経済の活性化を促し雇用の創出を図るため、市内で創業する事業者に対し、新たに構えた事務所等の賃借料などの一部について補助します。
新型コロナウイルス感染症の感染沈静化後に、消費喚起と地域商業の活性化を図るため、商店街等が取り組むプレミアム付きお買物券の発行を支援します。

(5)大綱5 環境・都市基盤

次に、大綱の5つ目、「環境・都市基盤」です。
温室効果ガス排出量の削減のため、公用車の電気自動車への計画的な更新を進めます。また、温室効果ガスの削減量を売買可能な"クレジット"として国が認証する「J-クレジット制度」へ登録申請を行います。
用途廃止となった若松団地の解体工事を行うとともに、民間保育施設の誘致に向けた検討を行います。
空き家の解消と若年・子育て世帯などの市内定住促進のため、空き家を購入し居住される世帯に対し、改修費用の一部を補助します。
歩行者と自転車の安全性・快適性の確保を図るため、歩道のセミフラット化と合わせた昆陽車塚線の自転車レーンの整備を進めます。

(6)参画と協働・行政経営

最後に、大綱の6つ目、「参画と協働・行政経営」です。
デジタル技術を活用し、来庁せずに転出届の提出や住民票・戸籍関係証明等の請求ができるオンライン申請サービスを導入します。
社会経済情勢を踏まえた公共施設の適切な維持管理を行うため、伊丹市公共施設等総合管理計画の見直しを行います。

6.予算概要

以上、ご説明いたしましたこれらの主要施策を盛り込んだ、令和3年度6月補正予算案の規模は、一般会計で6億9,577万7千円となっております。
公営企業会計につきましては、交通事業会計において、市バスの混雑状況などの情報を提供するためのシステム導入経費を措置し、6,249万7千円を計上しています。
以上、令和3年度の補正予算案の主要な事業について申し上げました。議員各位をはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。