知っていますか?「水平社宣言」

更新日:2022年05月17日

2022年(令和4年)3月3日で我が国初の人権宣言である「水平社宣言」が出されて100年を迎えます。
この宣言は、1922年(大正11年)3月3日、被差別部落の人々が差別からの解放を目指して創立した「全国水平社」の創立大会で読み上げられました。
宣言の原文には、長い歴史の中で不当な差別を受けてきた人々の痛切な思いとともに、すべての人があらゆる差別を受けることなく、人間らしく生きていける社会の実現を願う気持ちが込められています。また、結びの一文には「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と、人間の尊厳と平等への願いが高らかに謳いあげられています。
水平社宣言に込められた被差別の立場にある人々の願いに思いをはせるとともに、次世代を担う子どもたちのためにも、全ての人の人権が尊重される心豊かな社会の実現を目指し、一人ひとりが差別をなくす行動を続けていくことが大切です。

水平社宣言本文
水平社宣言(要約文)

全国に散らばっている、われわれ差別を受けている人々よ、団結せよ。
長い間、いじめられてきた仲間たちよ、解放令がだされてから約50年の間、われわれのためといって、多くの人々がさまざまな方法で行った運動は、効果をもたらすものではなかった。同情やあわれみに根ざした運動では差別はなくならないのだ。このことを思えば、今、われわれ自身から人間を尊敬することによって、自ら自由と平等を求める集団運動をおこすのは、当然のことである。
仲間たちよ、われわれの祖先は、自由と平等を心から求め実行してきた者であった。厳しい支配政策の犠牲者であり、たくましく社会や文化を支えてきたものであった。心を引き裂かれるようなどんなに厳しい差別の中でも、人間としての誇りは失わなかった。そして、今、その犠牲者のわれわれが、差別を投げ返す時がきたのだ。われわれが、差別を受けてきた者であることを誇りうる時がきたのだ。
われわれは、自分自身を低くみたり、臆病になったりして、これまでたくましく生きてきた祖先をはずかしめたり、人間の尊厳をおかしたりしてはならない。人の世がどんなに冷たいか、人間を大切にすることが本当はどんなことであるかを知っているからこそ、われわれは、心から人生の熱と光を求め、その実現をめざすものである。
水平社はこのように生まれた。
人の世に熱あれ、人間に光あれ。

1922年(大正11年)3月3日

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