令和7年度兵庫県加西市・兵庫県西脇市

更新日:2026年03月10日

1.視察出張委員

委員長     北原 速男       副委員長     大江ひろと

委    員     高塚 伴子       委       員     杉        一

    〃         齊藤 真治            〃          岸田真佐人

    〃         永松 敏彦

2.視 察 先 兵庫県加西市・兵庫県西脇市

3.実 施 日 令和8年1月28日(水曜日)

4.調査事項 下記報告のとおり

 

◎1月28日 10:00~ 兵庫県加西市

<子ども議会の取組について>

   初めに、加西市議会議長より歓迎のあいさつを受けた後、北原委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、加西市議会議会運営委員長から説明がなされたのち、質疑応答がなされた。最後に、大江副委員長よりお礼のあいさつがなされたのち、議場見学を行った。

<説明の概要>
1.こども議会の取組について
1)開催経緯と目的
   議会による主権者教育の重要性の高まりから、未来を担う児童が、議会制民主主義を体験的に理解することで、政治への関心を深めることを目的として実施するため、令和5年11月に当時の議長の発案により、全議員に協力を要請した。その後、議員協議会で実施方法の検討を行い、令和6年7月に小学生を対象に初めて開催した。
2)内容
(1)事前研修会
   初めに、子どもと保護者に対して議会の仕組みや議員の役割について説明している。今年度は、議員が説明を担当した。
   次に、議場や委員会室、議長室の見学会を実施した。なお、子どもの誘導や各所の説明は議員が担当した。
   次に、市議会議員による質問書作成指導を実施した。事前に子どもたちから質問したい内容について提出を受けており、それを基に議員が原則1対1で質問の方法や質問書の作成方法を教えるようにしていた。
   最後に、任命式として、こども議員に議場で任命書と缶バッチを渡した。ここで、当日の演壇への登壇方法などのリハーサルも同時に行っている。
(2)こども議会本会議
   こども議員の中から希望制で議長を選出し、議事進行を行ってもらっている。子ども1人あたりの質問時間は、議員からの答弁も合わせて5分以内。子どもは演壇で質問を行ったのち、質問席に座り議員からの答弁を受けることになる。今年度から、答弁に対する再質問や、意見等を述べることをできるようにした。
(3)アンケート結果
   こども議会終了後、アンケートを返送してもらう形式で実施した。
・こども議員アンケート
   12人中9人から回答があり、「こども議会に参加して市議会への興味関心は高まりましたか。」という問いに対して、7人が「すごく高まった。」、2人が「少し高まった。」と回答したことから、こども議会を開催した目的は一定達成できたと考えている。また、「将来選挙に行きますか。」との問いに対して、回答者全員が「必ず行く。」と回答した。
・保護者アンケート
   回答結果から、子供からの回答と同様に、市議会への関心の高まりが見受けられた。
(4)その他
・傍聴の有無
   保護者に限定し、事前研修会時の同伴やこども議会当日の傍聴を可能としている。
・会議の映像配信や会議録の公開など
   個人情報の取扱いを考慮し、映像はYouTubeにより参加者に限定し配信している。また、会議録は、費用がかかるほか開催目的が児童に議会を体験させることに重きにおいて実施していることから、作成してはいない。なお、当日の集合写真を送付する際に、各参加者に対する答弁要旨について送付するとともに議会だよりに掲載している。

2.伊丹市議会からの質問事項に対する回答
1)開催に至った経緯
   議会による主権者教育の重要性が高まる中、令和5年11月に議長の発案で議会主体でのこども議会の実施について全議員に協力要請を行い、令和6年3月定例会終了後から詳細を議員協議会で協議し、5月に学校経由で児童にチラシを配布、6月に申込みを受け付け、7月に事前研修会とこども議会本会議を初開催した。令和7年度は6月下旬から申込受付、8月18日に事前研修会、8月24日にこども議会本会議を開催した。
2)こども議会の議題等
   こども議会の開催に伴い特定の議題は定めていない。各児童が日頃生活する中で課題を見つけた事象について質問している。
   また、児童、議員、事務局の役割は以下のとおりである。
(1)児童
   こども議会当日に質問する内容を事前研修会までの課題として提出する。また、こども議会当日には、市議会議員に対して、一般質問を行ったほか、議長に立候補した4名が交代で議事を進行した。
(2)議員
   事前研修会では、「議会のしくみ・議員の役割」について説明を行ったほか、議会棟見学では、議場や議長室の案内や児童からの質問に答えた。また、児童から提出された事前課題を基に、校正、アドバイスを行い、児童とともに発言通告書を作成した。その際に、児童と質問内容や趣旨のすり合わせを行っている。当日は、受付、保護者の誘導のほか、登壇・降壇の仕方の指導、こども議員からの質問に対する答弁などを議員が行った。
(3)事務局
   議長と調整の上、実施内容の検討、シナリオ作成を行うとともに備品の準備等の事前準備全般を担った。また、児童から提出を受けた事前課題の校正案の作成、答弁書素案作成を行った。
3)参加者の募集方法
   昭和63年から平成19年まで執行者が主体となって実施していた加西っ子議会では、各学校に参加者の選定、質問のとりまとめや作成、参加者の送迎などを依頼しており、学校の負担が大きく中止となった経緯があることから、令和6年度より開催しているこども議会では、個人参加型の形式で開催している。なお、学校には募集チラシの配布依頼を行っている。
   令和6年度の申込者数は、18名と定員15名を超えた。当初、申込者が伸び悩んだことから、議長、副議長を中心に各学校への募集依頼を行った経緯もあり、抽選を実施せずに申込者全員を参加可能とした。
   また、令和7年度の申込者数は12名だった。
4)実施による効果
   効果測定は難しいが、アンケート結果から、当初の目的は達成できたと考えている。
5)現状における課題
(1)参加者数の確保
   学校の負担軽減を図るため、個人参加型を採用していることから、安定的に参加者を確保できるかが課題となっている。
(2)参加する児童により質問の質やレベルが不均一
   事前に児童から一般質問を行う内容について募集し、事前研修会では、児童と議員が一緒に校正や質問のすり合わせを行う時間を設けている。しかし、現実には、児童から募集した質問内容はそのまま一般質問に使用できるものもあるが、多くは事務局職員が事前に校正案を作成しておかなければ、事前研修会での質問校正時間だけでは本会議で一般質問できる内容にするのは困難である。また、その校正作業に多くの時間を要する。
(3)議員が答弁を行うことでの制約
   行政執行を行うのは、あくまで執行者であることから、答弁の内容に制約ができてしまい、現状の取組状況の説明などになってしまう。また、答弁書の原案は、事務局で作成し、執行者に内容を確認している。
(4)児童からの質問(提案)の実効性の確保
   児童からの提案を、実際の政策や事業に反映させるための仕組みづくりが整っていない。また、実施後の反省会では、実施方法の検討のみの協議となっており、質問(提案)内容について協議する時間は設けられていない。
5)今後の取組予定
   来年度もこども議会を開催する予定である。開催方法、内容等については、児童及び保護者アンケート等も参考の上、議員協議会で検討する。

<質疑応答>
(問)こども議会の開催決定は、議長のみで行ったのか。
(答)元々、所信表明に、こども議会の開催が入っていた。その上で全議員に開催の可否を諮り、賛成してもらった経緯がある。

(問)第1回のこども議会を開催することを全議員へどのように周知したのか。
(答)まず、正副議長と議会運営委員会の正副委員長で話合いを行い、その後、議員協議会へ提案した。

(問)こども議会を開催するにあたり、新たに予算を確保したか。
(答)予算の確保は考えていない。

(問)4月には教育委員会に開催する旨を伝達すると考えると、前年度の2~3月には開催決定等を行っているということか。
(答)学校側に依頼することはほぼないため、新年度に学校側の体制が整った後に、議会で意思決定をし、教育委員会へ実施予定であることの連絡と、校長会へ案内チラシの配布を依頼している。

(問)小学校6年生を対象に実施した理由と、私立小学校への広報の有無を伺う。
(答)小学校6年生が社会科で国の仕組み等を学んでいたため対象とした。また、私立の小学校への案内はほとんど行っていない。

(問)第2回は参加者が定員を下回ったとのことだが、参加者募集にあたり、第1回と同じように議員による学校への働きかけは行われたのか。
(答)働きかけは行ったが、第1回と違い休日開催となったことから、子どもがクラブ活動等で参加できないといった事情もあったようである。

(問)参加対象学年を5年生まで広げる予定はあるか。また、傍聴対象者はどのように設定しているのか。
(答)参加対象学年を5年生まで広げることについては今後の検討事項であると考えている。傍聴対象者は基本的には子どもの保護者としているが、学校の先生も傍聴に来ていた。

(問)こども議会の傍聴を広く募集しないのか。
(答)傍聴席数の兼ね合いもあり、家族と先生のみ傍聴できることとしている。なお、YouTubeでも配信を行っている。

(問)傍聴者を家族と先生のみとしているのは、傍聴席数の不足だけが理由なのか。
(答)傍聴席数の不足のほかに、参加者の個人情報保護の観点もある。

(問)子どもからの質問内容は、課題提出時はどのような内容で届くのか。
(答)しっかりと質問を書くことができている子どももいれば、3行くらいしか書くことができない子どももいる。なお、応募者には予め質問作成における見本を送付しているため、それを基に作成している子どももいる。

(問)子どもの質問書作成に対する補助を行った際、大変だったことは何か。
(答)できる限り子どもたちの質問趣旨を消さないようにまとめることが大変であった。

(問)子どもに議会に関する説明を行う際に、議員各自の主義主張が入らないように工夫したことはあるか。
(答)説明内容を議会の仕組みに関する部分のみとすることで、各議員の主義主張が入りにくくなるようにしている。

(問)議員による質問書作成指導について、個人の主義主張が入らないよう議員同士で注意し合う等の取組は行っているか。
(答)議員同士で注意し合うというのは難しいが、実際に子どもへ指導する際には、議員2名体制であたり、お互いに牽制し合うような仕組みを取り入れている。

(問)議員が子どもへの指導方法に関する事前研修等を受けることはあったか。
(答)現状ない。

(問)参加者数を増やす予定はあるか。
(答)議員や事務局の負担も考慮し、参加者を増やすことは現状考えていない。むしろ第2回は参加者数が定員に届かなかったため、参加者数を減らす検討を行う必要があるかもしれないと考えている。

(問)こども議会開催にあたる事務局職員の負担軽減策は。
(答)子どもへの説明や、議会棟の案内等、議員でできることは議員で実施している。

(問)学校側が参加者の声等を、他の生徒へ伝えるといった取組に対する議会の考え方は。
(答)学校側は年間スケジュールの都合等もあり、こども議会をあまり歓迎していないため、やはり議会が主体となって取組を広げていかなければならないと考えている。

(問)こども議会を2回開催してきた中で、学校側の対応に変化は見られたか。
(答)あくまで議会が主体となって実施するならば協力するというのが現状の学校側のスタンスだと思う。

(問)市議会だよりにこども議会の記事が掲載されているが、市民からの反響等はあったか。
(答)議員には、「子どもの教育に一生懸命ですね。」といった肯定的な意見があった一方、厳しい意見も届いている。事務局には電話もメールも届いていない。
 

<視察の様子>

加西市視察写真1枚目

加西市視察写真2枚目

 

◎1月28日 13:30~ 兵庫県西脇市

<高校生議会の取組について>

   初めに、西脇市議会広報広聴特別委員会委員長より歓迎のあいさつを受けた後、北原委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、西脇市議会広報広聴特別委員会副委員長から、説明がなされたのち、質疑応答がなされた。最後に、大江副委員長よりお礼のあいさつがなされたのち、議場見学を行った。

<説明の概要>
1.高校生版議会報告会
   平成27年に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が18歳以上となったことを受け、平成29年から開始している。当初は高校生議会の開催を検討していたが、市内3校が実施に消極的な様子であったことから、まずは高校生版議会報告会を実施することとなった。
1)目的
・地域や政治への関心を高めてもらう。
・主権者としての権利を理解してもらう。
・地域への愛着を高めてもらう。
2)実施方法
(1)全体会で、主権者教育、西脇市の概要、議会の取組等について説明。
(2)班に分かれ、議員がファシリテーターを務め、ワークショップを実施。
(3)各班での検討内容を生徒代表者が発表。
3)高校生からの提案内容
・公共交通の充実
・通学路等の整備
・街灯の設置
・商業施設の充実
・若者が集え楽しめる施設

2.高校生議会
   令和元年まで高校生版議会報告会を実施していたが、議会の中から、このままの形で議会報告会を続けるのではなく、当初の目標通り高校生議会を実施すべきとの声もあり、令和6年度から高校生議会を開催することとなった。
1)対象者
   市内3高校から高校生議員計16人を選出。
2)実施方法
(1)市議会議員から助言をしながら、高校生議員が一般質問通告書を作成する。
(2)高校生議員の一般質問に対し、市議会議員が答弁する。
3)スケジュール
(1)2回のワークショップを通して、一般質問通告書を作成
(2)本番前日に議場でリハーサルを開催し、質問の方法や動線の確認等を行う。
(3)高校生議会の実施
4)ワークショップの実施手法
○昨年度
・第1回ワークショップ
   広報広聴特別委員会委員8人と高校生議員で実施。答弁担当を振り分け。
・第2回ワークショップ
   全市議会議員と高校生議員で実施。質問者と答弁者のペアで通告書の調整。
○今年度
・第1回ワークショップ
   高校生議員4人と市議会議員4人を1グループとして実施。
・第2回ワークショップ
   第1回に引き続き意見交換を実施。グループ内でくじ引きにより、答弁担当を決定。
5)高校生議会当日の運営方法
・1人当たりの持ち時間は最大7分。質問時間はおおむね3分程度。1分程度再質問は可としている。
・議長は各校から1人ずつ選出する。
・当日の様子はインターネット中継のほか、議会だよりに掲載している。
・高校生議員からの意見は、常任委員会での協議や各議員の一般質問等の参考としている。

<質疑応答>
(問)高校生版議会報告会の発案は議会か、それとも学校側か。また、直接学校側と交渉を行ったのか、それとも県教育委員会と行ったのか。
(答)議会からの発案である。交渉は県教育委員会は通さず、直接各高校と行った。

(問)高校生版議会報告会は学校の授業内で行われたということだが、どのような経緯があったのか。
(答)議会側から依頼したわけではなく、学校側がその形を希望したものと認識している。

(問)高校生版議会報告会を再開して欲しいという意見はないか。
(答)そのような意見は聞いていない。

(問)子ども議会を検討するにあたり、高校生を対象とした理由は。
(答)選挙権を得るまでの期間がより短いことを鑑み、高校生を対象とすることとした。

(問)参加する高校生の個人情報の取扱いについて伺う。
(答)事前にインターネット中継で放映されることがあること等は了承してもらった上で参加してもらっていると理解している。

(問)市長や教育長は参加しているか。
(答)どちらも参加していない。

(問)高校生議会全体で、経費はどのくらいかかっているか。
(答)高校生議会終了後に参加者へ渡す当日の映像を記録したDVDの費用程度しか予算は取っていないため、5千円から1万5千円ほどである。

(問)ワークショップで話す内容等について、参加する議員の間で事前に協議を行っているか。
(答)個人の主張が全面に出ないように各議員が気をつけていると認識している。また、グループで話合いをする場では、期数の長い議員と期数の短い議員を同じグループにすることで、話合いが円滑に進むよう工夫している。

(問)生徒が初めに提出してきた質問内容を、高校生議会で発表できるようにする作業には時間がかかるか。
(答)2回のワークショップの中で、各高校生が本番で発表できるような質問内容になるよう協議している。

(問)高校生議会に参加する市内3校の生徒は、全員ワークショップに参加したか。
(答)全員が参加した。

(問)学校側にはどのような依頼を行っているか。
(答)主に参加する生徒の選抜と議会との連絡調整を担ってもらっている。

(問)学校側から、教師の負担が増えるといった意見は届いていないか。
(答)特にない。

(問)学校側に依頼に行く際には、あらかじめ具体的な内容を決定し、資料等を持参しているか。
(答)ある程度内容を固めた上で、概要をまとめた資料を持参し各学校へ説明に行くようにしている。

(問)学校が参加する生徒を選抜するということだが、それに対して市民から何か意見等はなかったか。
(答)参加する生徒の選抜は学校側に一任しているため、市民等からの反応については把握していない。

(問)学校や市当局、議会事務局への負担を軽減する取組は。
(答)文書作成等をなるべく議員で行うようにしている。

(問)高校生議会当日の答弁書の作成は議員が行っているのか。
(答)各議員で作成しているが、議会内でチェックし合うようにしている。

(問)参加者やその保護者からフィードバックは受けているか。
(答)当日の様子と参加した高校生からの感想を映像にまとめて、全議員へ回覧している。

(問)今後、参加する生徒数を増やす予定はあるか。
(答)特にそのような予定はない。

(問)今後、高校生からの提案を、執行部に対して予算化するよう要望していく予定はあるか。
(答)理想としてはそのようにしていきたいが、これまではない。
 

<視察の様子>

西脇市視察写真1枚目

西脇市視察写真2枚目

以 上

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