令和7年度宮崎県都城市・宮崎県宮崎市
1.視察出張委員
委員長 北原 速男 副委員長 大江ひろと
委 員 高塚 伴子 委 員 杉 一
〃 齊藤 真治 〃 岸田真佐人
〃 永松 敏彦
2.視 察 先 宮崎県都城市・宮崎県宮崎市
3.実 施 日 令和7年11月19日(水曜日)~20日(木曜日)
4.調査事項 下記報告のとおり
◎11月19日 13:30~ 宮崎県都城市
<市民との意見交換会の実施について>
初めに、都城市議会議長より歓迎のあいさつを受けた後、北原委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、都城市議会広報広聴委員会委員長から説明がなされたのち、質疑応答がなされた。最後に、大江副委員長よりお礼のあいさつがなされたのち、議場見学を行った。
<説明の概要>
1.実施に至った経緯
令和元年以前は、意見交換会を議会報告会の中で実施していたが、コロナ禍により、対面での実施ができない時期を経て、4年前から意見交換会を単独で行うようになった。意見交換会は、令和5年11月に策定した都城市議会政策形成ガイドラインにおける政策立案に向けた課題把握のプロセスの1つとして位置づけられている。現在は、積極的な市民の意見等の把握及び集約のために、広報広聴委員会のもと、実施している。
2.議題及び内容
もともと、意見交換会は議会報告会の後に実施されていた。コロナ禍以前は、市内15地区の公民館のうち、毎年4館4地区ずつ開催していた。議会報告会の内容は、二元代表制や議会の回数、議会の構成等、議会の役割や、委員会で審査された案件についてであり、議会の報告ではなく、市政報告のような内容であったため、議会報告会の後、意見交換会を実施して地域の状況や課題の聴取を実施していた。参加者の中には議会や議員に対し厳しい意見を持たれる市民もおられ、他の参加者からの意見が出にくいこともあったため、例えば、中山間地域での意見交換会では、地域の自慢できることや困っていること等、テーマを絞った意見交換会を実施したこともあった。
その後、議会改革特別委員会で、都城市議会政策形成ガイドラインができ、市政の課題及び市民の意見等の把握方法として、政策形成プロットの中に議会報告会と意見交換会が位置づけられた。そのほかに、市民アンケートや市議会だよりに付けているはがき、議員それぞれの個人の活動等の中で市民の意見について把握をしている。
また、高校生との意見交換会も実施してきた。都城工業高校との意見交換会を皮切りに、広報広聴委員会委員8人が2人1組となり、市内の高校に営業活動を実施した。広報広聴委員会として高校へ営業活動を実施するのは初めての試みであったが、各校の受け止めは好意的であり、また市議会だよりの記事を見て、他の高校からも申込があり、多くの高校での意見交換会を開催することができた。
他にも、市内唯一の大学である南九州大学との意見交換会を実施した。学生から国外外来魚コウライオヤニラミの駆除と啓発活動、花と緑の景観づくり、保育士の人材不足と保育の質の向上という3つのテーマについて報告があり、それぞれのテーマに沿って、委員を4班に分けて意見交換を行った。
加えて、都城みらい総合創造研究会との意見交換会を行い、事業者目線から種々意見をいただいた。
本年7月には、議会報告会と意見交換会を実施した。意見交換会では、各常任委員会別にテーマを決めた。総務委員会では公民館の活動について、文教厚生委員会では子供の居場所について、建設委員会では住宅問題について、産業経済委員会では農業の振興について、参加された方たちから様々な観点から意見をいただいた。この意見交換会で出された意見は、今後の議会の政策提言や決議に反映する予定である。
3.参加団体の募集方法
市議会だより、市議会ホームページ、各高校への営業、そして、MRTラジオで周知した。
4.実施による効果
政策提言につながっていることである。総務委員会では、公民館の問題や地域公共交通の問題が大きなテーマとなっていることから、参加された公民館長からの発言等も加え、政策提言につなげることができると考えている。また、南九州大学の活動と高校生の活動をつなぐ役割を果たすことができたことは、とても大きなことだと考えている。南九州大学が実施する大学祭で、都城西高校の生徒が中心となり、都城万博の拡大版を実施し、地域での活動につなげていくことを検討している。
5.現状における課題と今後の取組
意見交換会はすべて議員で進行しているが、ファシリテート力が求められる。また、参加者は話をしたい方が多く、時間が足りないという課題がある。加えて、意見交換会で出された意見をどのように実現させるかが今後の課題である。そして、15館ある地区公民館ごとの意見交換会ができていないため、今後実施できないかを検討している。
<質疑応答>
(問)意見交換会の実施にあたり、議員全員が賛成して開催することになったのか。
(答)広報広聴委員会は常任委員会であり、委員会が決めたことは議会が決めたことという認識である。よって、広報広聴委員会で意見交換会を実施すると決めれば、他の委員会に報告を行い、具体的内容は広報広聴委員会で決めていくものと議会全体で認識されているため、「何で広報広聴委員会でそんな勝手なことするんだ。」とか、「いや、俺はそんなこと思ってない。」ということはない。
(問)子ども議会について、議員全員ではなく委員会単位で実施することとした経緯を伺う。
(答)どの委員会や議員に参加してもらうかは、広報広聴委員会で決定し、議長からの参加依頼をもとに運営しているが、議員が多すぎると高校生も緊張して話したいことが話せない可能性もあるため、極力高校生よりも議員数が多くならないよう考えている。関係する委員会や、常任委員会の正副委員長、また、意見を聞きたい議員たちから選択するようにしている。
(問)教育課程を鑑み、どの時期に意見交換会を実施すれば効果的かといった議論はあったか。
(答)基本的には教育課程の中ではなく、各校、探究や放課後の時間を活用して意見交換会を実施している。
(問)市教育委員会や議会事務局に何かを依頼することはなく、議員が直接高校等と調整をして、テーマ等の内容を決めているのか。
(答)議会事務局が中心となり、調整を行っている。
(問)参加する学生の学年や人選は、学校側に一任しているのか。
(答)高校で決めていると認識している。1、2年生が主であり、特に生徒会に所属している学生や、学級の役員をしている学生が中心となっている。
(問)意見交換会で出された意見をどのように実現させるかという課題がある中で、高校生の居場所づくりに関してはどのような議論があったのか。
(答)都城市では、高校生の居場所として市立図書館があるが、他にもどこかに居場所が欲しいというのが子どもたちの願いである。スポーツ施設や、ゆっくりお茶が飲める場所等が欲しいといった要望が出ている。
(問)公共施設の利用も含めた高校生の居場所づくりに関して、高校生とどのような意見交換が行われたのか。
(答)議会としては、高校生が考えた内容をどのようにまちづくりに生かせるかという視点を大事にしながら、意見交換会を実施している。高校生の居場所づくりの直近の例としては、前期の総務委員会が、居場所が欲しいという高校生の意見を聞き、JR側と協議をして、都城駅の空き室を新しくコワーキングスペース、待合室として稼働させた。議会と民間と教育関係機関等が関わった良い事例だと思っている。
(問)高校生との意見交換会の中で出た各意見について、その実現可能性をどの程度考慮して議論を進めたのか。
(答)最終的な結論は出していない。とにかく高校生の意見・要望を聞くことにしている。ただ、それだけで良いのかという点は課題であると感じている。例えば請願につなげる方法や要望書として提出する方法等、高校生の声を議会や市へ届けるための方法を伝え、その上で、実際に要望書等が提出された場合、議会としての対応方法も考えていかなければならないと感じている。
(問)今後、小・中学生の意見を市政に反映させるような取組を実施する予定はあるのか。
(答)現状、広報広聴委員会の中で、高校生以外の学生から意見を聞く予定はない。
(問)市議会だよりに掲載されている議会への意見募集に対して、市民からはどのくらい反応があるのか。
(答)ハガキを利用した意見は毎月10件程度、ネットからは毎月5件程度の意見が寄せられている。
(問)議会基本条例の制定にあたっては、全会一致であったのか。
(答)議会基本条例の策定時は全会一致であった。ただし、そこに至るまでの議論は相当あった。現在も2年ごとに議会運営委員が変わるため、そのたびに議会基本条例の見直し検証作業を行っており、その都度ブラッシュアップをしている。
(問)全会一致では、少数意見は反映されにくいと思うが、議会基本条例見直しの際には、特に異論は出ず、議論はまとまったのか。
(答)議会運営委員会で議会全体のことを決める際には、各会派から選出される委員
の他に委員外議員の意見も聴取しており、議会運営委員のみで進めている認識はない。
(問)全会一致を目指すと、各議員が意見を調整するため、厳しい意見が出にくくなると考えるが、そのようなことはなかったか。
(答)そのような事象は認識していない。各議員の意見はそれぞれあると思うが、本当に必要なことは、意見をすり合わせて全会一致となるように調整している。
(問)議会報告会や議会基本条例等議会改革の取組については、実際に実施や検討を行った際の議員と、その後当選した議員の間に温度差が表れることがあるが、都城市ではそのようなことはなかったのか。
(答)現在、特にそのようなことはない。
(問)広報に関して、動画や市議会だよりのデザインは議員で考えているのか。
(答)動画は議会事務局が作成した。市議会だよりの表紙は、ほぼ広報広聴委員会で選定しているが、都城東高校の生徒がデザインしてくれたものもある。
(問)市議会だよりの紙面構成について、現在の形式となった経緯を伺う。
(答)以前は一般質問の内容や委員会審査の経過等を載せる一般的な市議会だよりであったが、4年ほど前に行政側の答弁と市議会だよりに載せる内容に相違点があり、問題となったことから、質問についてはQRコードを掲載し、実際に見てもらう形式に変更した。ただ、市民からは、QRコードが読み取れない等の問合せがあり、課題であると認識している。
(問)市議会だよりに掲載する一般質問のテーマについて、もう少し詳しく、もう少し伝わりやすいように書けないか等、議論はなかったのか。
(答)特になかった。
<視察の様子>
◎11月20日 13:00~ 宮崎県宮崎市
<議会の活性化に向けた取組について>
初めに、宮崎市議会事務局長より歓迎のあいさつを受けた後、北原委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、宮崎市議会事務局職員から説明がなされたのち、質疑応答がなされた。最後に、大江副委員長よりお礼のあいさつがなされたのち、議場見学を行った。
<説明の概要>
1.主権者教育(子ども議会)
1)導入の経緯
「市議会の仕組みを学び、ふるさと宮崎市の市政への興味・関心を高める」という目的のもと、令和6年1月に、モデル校2校(宮崎西中学校、青島中学校)、令和7年1月に、モデル校1校(赤江中学校)で子ども議会を実施した後、令和7年2月には、教育委員会と意見交換を実施した。
2)【R5年度】モデル校での実施
模擬議会と出前講座を実施した。宮崎西中学校では1年生189名と大規模であった一方、青島中学校では3年生28名と小規模であったことから、対照的な2校であった。実施時期は、宮崎西中学校が令和6年1月19日、青島中学校が令和6年1月15日であった。参加議員については、当時の市議会議員39名のうち宮崎西中学校に22名、青島中学校の方に13名ということで、ほぼすべての議員が関わる形で実施された。
宮崎西中学校では、模擬議会を体育館で実施した。代表者が質問し、議員が回答するという形式で行われ、その後、グループワークが実施された。
防災対策、フードロス、少子高齢化、学校施設等をテーマに代表生徒が質問を行い、議員が市当局役として答弁を行ったが、生徒からは回答の内容が難しかったという声もあった。また、議員側からも、「議員が当局の役目を演じることに抵抗がある。」や、「役割が違うのではないか。」といった意見や、生徒の質問に対する回答の作成が少し難しかったという声があった。
生徒が印象に残ったことについて自由記述の件数を集計したところ、模擬議会に関する内容が9件、グループワーク、議員との交流に対する内容が36件あったことから、形式的な模擬議会よりも直接議員と話せる対話の方がインパクトが大きかったことが見受けられた。生徒からは、議員のイメージの変化として、「堅苦しいと思っていたが、話してみるととてもフレンドリーで驚いた」や、「要望に真剣に耳を傾けてくださった」、学び・発見として、「宮崎市がこんなに対策をしているとは知らなかった」、要望・関心として、「実際の会議を見てみたい」や、「議場に行ってみたい」という声があった。また、議場体験に対するニーズが一定あった。
青島中学校では、初めに議会の仕組みについて説明を行った後、グループに分かれて議員との意見交換を行った。
令和5年度の総括と課題として、良かった点は、議員が怖い・遠いといったイメージが払拭されたことで、宮崎西中のアンケートでは82%、青島中学校のアンケートでは84%の生徒に良い変化が見られた。また、議員側の実感としても、議会報告会よりも子ども議会の方が効果があるのではないかという意見もあった。課題としては、模擬議会形式の限界ということで、回答の内容が難しかったという声があり、形式よりも生の声が求められているということが気づきとしてあった。加えて、議場体験へのニーズ対応が課題である。議場に来てもらうには、学校に予算があればいいが、そうでない場合、議会でバス等による送迎が必要になるため、準備に関して一定程度ハードルがある。
3)【R6年度】目的の深化と赤江中学校の事例
新方針として、「ふるさと宮崎市の市政への興味・関心を高めるとともに、子どもたちが地域課題の解決を図り、民主主義や地方自治を学ぶ機会を創出する。」ことが掲げられた。
具体的な取組としては、令和7年1月に、赤江中学校の生徒会役員18名と、「地域の役に立つ赤江中」というテーマで、生徒主体の地域課題解決型グループワークを行った。
これまで意見交換を実施する中では生徒が受動的な状態が多かったところを、一人ひとりに意見を述べるタイミングがある形式に変更した。
実施体制は、生徒3名に対して議員が2名のグループとし、本題に入る前に十分なアイスブレイク時間の確保や、心理的壁を取り払い、生徒が発言しやすい空気を作るなどの工夫をした。例を挙げると、自己紹介の中で自分の名前や、趣味等を話してもらうことで、子どもたちに笑顔が見られ、議員の好きなこと等、パーソナルな情報を開示してもらうことで、子どもたちもよりリラックスした雰囲気で場に臨むことができたことが非常に良かった。
最終的に、6班がテーマに対する解決策をまとめたが、それぞれの班で各議員から地域の課題を解決する糸口になるような考え方や知識について助言がなされ、対話だけではなく課題への解決策の立案というのを生徒と議員が一緒にやることによって、意見交換がより図られた。
生徒に対して行ったアンケートの結果では、「政治に興味を持てそう」、「活動が楽しかった」が89%、「議員のイメージ向上」が61%であった。また、議員に対して、「堅苦しい」「偉い人たち」「話しかけづらい」いうイメージから、「趣味や経歴があって、同じ人間なんだと親近感がわいた」という意見や、「自分からアクションを起こせば、実現できるかもと前向きになれた」といった意見があった。
4)委員会での協議内容
子ども議会については、議会活性化検討委員会で協議・調整を実施している。委員会で出された論点は以下のとおりである。
(1)内容
模擬議会なのか、対話・ワークショップなのかというものがあり、これは生徒からのアンケート結果を重視し、生徒満足度の高い対話・グループワークを軸に実施することが決定された。また、場所については、議場体験の要望は多いが、予算・移動手段の壁が大きいため、まずは実績作り優先で、出前形式を継続することとなった。
(2)教育委員会との連携・協議・開催時期
子ども議会は学校での行事であることから、教育委員会との連携が必須である。令和5年に意見交換会を実施したが、その際の教育委員会からの意見としては、「本当に効果があるのか」、「先生たちは多忙。負担が増えるのも困る」というものがあった。その後、協議等を重ね、小・中学校全校への案内を実施し、同時に令和5年度の実績を共有し、その効果を説明した。現在は、協働の可能性が見えてきたということで、教育委員会が校長会で周知を行う等、後方支援体制の検討が開始されている。
他にも、公民学習との連動ということで、小学6年生と中学3年生は公民学習で、政治等について学ぶが、宮崎市の場合、小学6年生は公民学習を4月から5月に実施しているが、1月あるいは2月頃の開催となると、学習してから時間が経っており、学習内容との連動性が低いという懸念がある。加えて、卒業前で多忙な時期と重なるということも考えられる。また、中学3年生は公民学習で政治分野を学習するため、学習内容との連動性は一定程度認められるが、受験シーズンと重なるため実施は難しいのではないかと懸念された。これらのことから、受験や大きな行事の隙間であることや学校の負担等を踏まえ、中学1、2年生をターゲットに、1月頃に実施することが最適ではないかという判断となった。
(3)時間配分の重要性
単発イベントでは、深い議論に至る前に終わってしまい、「もう少し時間がほしかった」という声が生徒・議員の双方からあった。事前学習の充実が必要というところで、生徒には事前に議会について学べる動画を学校で見てもらったり、生徒だけでワークショップを重ねておいてもらい、最後に議員と一緒に仕上げる等が考えられる。短い時間をどのように有効に使うのかという点は課題であると認識している。
(4)グループ構成の工夫
活発な意見交換はメンバーの組み合わせが影響することが見受けられた。班構成として、特定の属性に偏らず、男女や学年を混在させることで、議論が活性化するという意見が議員から見られた。
5)今後の展望と課題
(1)次年度(R7年度)の方針
令和8年1月開催に向け準備を進めている。対象は中学1、2年生を基本とし、実施形式は、柔軟に対応する姿勢を維持していく予定である。応募があった学校と調整し、オーダーメードで作っていこうとしているが、オーダーメードにはリスクもある。赤江中学校では、議員にファシリテーターといった、合意形成をする際のまとめ役を担って欲しいといった要望があったが、それだと生徒にとって受動的な取組になってしまうのではないかという懸念が出て、子どもたちと議論をしていくとともに、助言を与える役割のほうが良いとなった。このように学校から、より実効性・効果が高い内容を求められる可能性があることから、オーダーメードには長短があると考える。
(2)課題と対応策
参加校の拡大がある。特定校だけではなく広く実施したいが、学校側の負担感が壁となっている。対応策としては、教育委員会・校長会への継続的なアプローチと、議員が準備を引き受け、学校負担を極限まで減らす提案を行う等、なるべく学校に受け入れてもらいやすい形を模索していく必要がある。
(3)議長体験へのニーズ
議場へ行きたい等の根強い意見がある。対応策としては、議場体験に向けた予算化の検討や、オンライン中継の活用によるバーチャル議場体験の検討が行われている。
2.議会と語る会(旧議会報告会)
1)開催目的
平成25年に議会基本条例を制定し、開かれた議会を目指し、議会活動に係る報告を行うとともに、議員が市民の意見を聞く広聴を行うことを目的として開催している。
2)実施主体
現在11名の委員で構成されている広報広聴委員会で、議会報告会やホームページ、SNS、みやだん、議会だより等について協議をし、意思決定をしている。委員長は副議長が行うと決まっている。2人以上の議員で構成される会派から1名ずつ委員を選出してもらい、会派に属さない議員のうち、議長が指名する議員が委員になっている。
3)委員会における協議の進め方
議会と語る会を年に1回開催しているが、大きなプロジェクトであるため、広報広聴委員会委員は3部会に分かれ、各部会に3名の議員が所属し、運営している。
(1)企画部会
全体の統括でスケジュール管理、当日配布する資料の確認等を担う。
(2)広報部会
チラシ・ポスターの作成、みやだんでのライブ中継等の実施、ライブ配信も担当する。
(3)運営部会
当日の役割分担、会場設営の段取り等。
すべての内容を委員会で協議すると時間が足りないことから、次の広報広聴委員会が開催されるまでに、各部会で集まり、非公式で協議をし、そこで決まった事項を、正式な広報広聴委員会で報告する手法で協議を進めている。各部会で考えたものが広報広聴委員会で意思決定されれば、各常任委員会や特別委員会に、報告会の資料作成やテーマの検討を依頼している。
4)開催実績
議会基本条例の制定とともに平成25年から始まり、開催時間を都度見直してきた。令和5年度は、全体会での議長の挨拶と議会運営委員長の概要説明の後、各常任委員会、特別委員会からの活動報告を40から50分で行い、最後に広聴会を40分程度行っていた。なお、公聴会については、各常任委員会で開催していた。令和6年度は、正副議長の挨拶が10分、公聴会を70分確保した。今年1月に開催した田野町での議会と語る会は、来場者数が75名。ライブ配信視聴者数が177名であった。今年度は、子ども議会も同時期に開催する予定であることから、中心市街地でのみ1回開催することを広報広聴委員会で確認している。
5)広聴会のテーマの決定方法
広聴会のテーマの決定は、以下の順で行われている。
(1)広報広聴委員会において、広聴会の実施主体を決定
(2)広報広聴委員長から常任・特別委員会委員長にテーマの検討依頼
(3)常任・特別委員会において広聴会テーマを協議・検討
(4)常任・特別委員会で決定された広聴会テーマを広報広聴委員会で了承
6)議会報告会のDX化
従来の議会報告会では、現地で約90分開催していたが、冒頭の45分を各種委員会の報告の時間に使っており、伝える時間も1委員会当たり5分程度しか取れていなかった。また、その後に広聴会を実施するため、広聴会の時間が短くなる現状があった。
令和6年度からの議会と語る会では、事前に各種委員会活動報告を撮影し、「みやだん」で事前配信することで、全て広聴会に時間を使うことができた。また、広聴会の質問も、「みやだん」の中にアンケート機能があるため、そこで事前に受け付けるようにしたことにより、当日参加が出来ない方でも質問ができるようになった。加えて、ライブ中継リポーターとしてアンバサダーに協力をいただいた。なお、アンバサダーとは、無償ボランティアの方々であり、議会を傍聴し、その内容をSNSで発信する活動をしている。ライブ中継も配信方法等を工夫して実施しており、この取組によって、時間の制約がある方や、物理的な制約がある方にもオンラインで参加いただける。また、ライブ配信のチャット機能を活用することでより幅広い方々から質問を受けることができるようになった。
7)今後の課題
1点目として、関心の高いテーマの分科会に多くの参加者が集まる傾向があり、また、1人の参加者が長く話してしまうと、別の参加者の発言の機会が制限されてしまうため、進行の工夫が必要ということが挙げられる。
2点目として、ライブ配信で寄せられる意見について、当日、会議の運営を行っている議員が直接目にすることは難しいため、その取扱いが挙げられる。
3点目として、ライブ配信で寄せられるコメントの中には、質問内容が伝わりくいものがあるため、その意図が議員に伝わらない可能性があることが挙げられる。
その他、批判的なコメントへの対応や、いただいた意見の取扱いが課題であると考えている。
3.その他の議会活性化に向けた取組
1)ICT活用の深化と定着
(1)タブレット導入プロセス
・令和元年・2年
先進市の調査を実施。導入を決定。
・令和3年・4年
機種選定等の実施。iPadプロ12.9インチを選定。導入当初は紙とタブレットの併用で試験運用を実施。
・令和5年3月~
本格運用を開始。個人情報を含む一部の資料を除き、ほぼ全ての資料でペーパーレス化を実現。当時、一部の議員から紙資料を残してほしいとの声があるも国の方針に沿う形で、ペーパーレス化を推進。
・現在・未来
タブレット等を活用した映像提示装置の活用や、オンライン委員会の環境整備を実施。
(2)タブレット導入の定量的効果
議員40名と事務局職員16名、計56台のタブレットを導入しており、5年間の賃貸借契約で通信料も含めて1,300万円弱の費用がかかっているが、印刷コストの規模等を鑑みると、年間約856万円の削減額となった。
また、ペーパーレス化として171万枚の紙の削減が行われたことに伴い、印刷や配付等を行う職員の労力も大幅に減少した。
(3)活用システムと環境整備
iPadで活用しているシステムは、SideBooks、LINE WORKS、Zoomの3種類である。iPadは庁外に持ち出しても使用できるため、SideBooksで自宅から各種資料にアクセスできる。また、LINE WORKSを活用し、召集通知であったり、災害時の安否確認等で議員との連絡調整にも対応できる。加えて、Zoomを活用することで、遠隔地からやりとりすることもできるようになった。
(4)議場でのICT活用
令和5年より、一般質問の際にタブレット内の写真や図表を、議場の映像提示装置に直接投影可能としている。言葉だけでは伝わりにくい現場の状況やデータを視覚的に示すことで、執行部及び傍聴者への訴求力を高める狙いがある。
2)制度・環境の柔軟化
(1)オンライン委員会の制度化
令和5年3月、重大な感染症のまん延防止、または災害等の発生により、委員が委員会の開会場所に参集できない場合、委員会をオンラインで開催することを可能とするため、会議規則等の改正、オンライン委員会運営要綱及び出席マニュアルを策定し、運用ルールを明確化した。
(2)オンライン出席要件の緩和
令和5年12月定例会において、災害や感染症のまん延だけではなく、育児や、看護、介護、出産、配偶者の出産補助等も対象理由として加え、委員会のオンライン出席が可能となるよう、条例を改正した。なお、現状、委員会へのオンライン出席の例はない。
<質疑応答>
(問)子ども議会について、モデル校の選定の流れを伺う。
(答)モデル校の選定については、議員から学校にアプローチをしてきた。令和5年度に2校、令和6年度に1校、令和7年度に3校で、現状応募があれば必ず開催している。
(問)モデル校となった3校の学校側の意見を何か把握しているのか。
(答)アンケート結果をまとめた担当教員等から好意的な意見をもらっている。また、2年間子ども議会を開催してきた中で、応募が少なかった背景を尋ねると、学校の先生は通常のカリキュラムだけで忙しく新しいことをやることに負担感があるとのことであった。この反応を受け、学校が取り組みやすいように、実施方式やスケジュール等をまとめた事例集を作成し、案内するようになった。
(問)学校側との事前の打合せは、どのように実施しているのか。
(答)基本的に各議員を窓口として協議を進めており、各学校にある程度の権限を持ったリーダー・サブリーダーを配置することで、当日のタイムスケジュール等の具体的な協議を円滑に進められるようにしている。
(問)議員は学校側とどのような打合せを実施しているのか。
(答)現在、令和5年、6年と開催実績があり、ある程度の開催モデルができているため、そのモデルを軸に打合せを進めていくようになっている。
(問)子ども議会ではグループワークを取り入れることが多いため、ファシリテート力や、話を聞く力等、色々な能力が必要となると思うが、そこを高めていくために専門家等による講習を実施したのか。
(答)専門家等による講習は実施していない。議員間での事前打合せを実施したことはある。
(問)グループワークで出た質問に対して、各議員の意見は異なると考えられるが、回答のすり合わせは行っているのか。
(答)基本的には中立的な回答となるよう共通認識を持っており、各議員の良識の範囲で回答してもらっている。
(問)グループワークの際に聞くに徹する姿勢を取ることについては、事前に打合せで確認しているか。
(答)特に確認をしているわけではないが、赤江中学校で実施した際には、どのグループも最終的に内容をまとめることができた。
(問)令和7年度は子ども議会を3校で開催するということだが、各議員はどのように役割分担する予定なのか。
(答)令和7年度は3校で開催するため、ほぼすべての議員がどこかの学校に参加することが想定される。令和6年度の赤江中学校においては、生徒会生徒のみであったことから、人数を絞ったりする等調整をしている。
(問)子ども議会に参加した子どもたちが18歳になった時の投票行動等、主権者教育の面で開催した効果を測定するための継続的なフォローが必要と思うが、見解を伺う。
(答)現在は実績作りを進めている段階であり、追跡調査を実施する予定はないが、今後、議論される可能性はあると考えている。
(問)議会と語る会への参加者が多いように見受けるが、その要因について伺う。
(答)広報広聴委員長から各議員に対して、積極的な働きかけがあった上で周知活動に取り組んでいるためであると考えている。
(問)参加者が特定のテーマの委員会に偏ってしまうことに関して、どのように対処したのか。
(答)参加者の希望を聞いた際に、参加する委員会を決めている方はその委員会に案内し、決めていない方は、参加者の少ない委員会に誘導をすることで、参加者がゼロにならないようにしている。
(問)過去、委員会ごとの参加者の差はあまりなかったのか。
(答)昨年、参加者が10人程度の委員会と、30人を超える委員会があった。
(問)議会報告会のアンバサダーについて、選定手法を伺う。
(答)アンバサダーは通年で募集をしており、現在約20名が登録されている。基本的に無償ボランティアである。審査にあたり、履歴書等の提出を求めるか否かの議論もあったが、誰も応募してくれなくなるのではないかとの懸念があり、基本的に応募があればアンバサダーとして任命している。応募条件は、宮崎市民であるかに関わらず、議会に関心を持って議会の活動内容の情報発信に意欲的であることの2点である。
(問)委嘱している20名のアンバサダーは継続的に活動をしているのか。
(答)任期は1年ごとであり、毎年度末に更新の意思を示した方については、更新をしている。就職する学生など途中で辞める方もいるが、社会人になってから申し込まれた方は、アンバサダーになると継続的に活動を続ける方も多い。その理由としては、市議会から活動要件を設定していないことも影響していると考えている。
(問)今後、アンバサダーを増やす予定はあるのか。
(答)アンバサダーを増やす具体的な予定はない。
(問)各アンバサダーの満足度を、把握しているのか。
(答)年に1度、意見交換を実施する際に、参加したアンバサダーへのアンケートを実施しているが、非常に好意的な意見が多い。その要因としては、意見交換の場で出た「議会活動にもっと参加したい」という趣旨の意見を実際に採用し、議会報告会に参加してもらう取組を行ったためではないかと考えている。
(問)議会と語る会等の動画について、視聴回数はどのような状況か。
(答)各動画で平均200回前後の視聴回数である。ただし、議員が傍聴席へ案内する傍聴案内という動画は、定例会ごとに視聴回数が増えており、何千回規模の視聴回数がある。
(問)議員が傍聴の案内をする動画は、どのような内容なのか。
(答)以前はホームページに地図等を載せているだけであったが、宮崎市議会では、傍聴席への行き方が一部わかりづらいため動画を作成した。動画では議員が実際に市役所のフロアを歩き、傍聴席まで案内をしている。
<視察の様子>
以 上
この記事に関するお問い合わせ先
市議会事務局
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所3階)
電話番号072-783-1344 ファクス072-784-8092
更新日:2026年02月02日