熱中症にご注意を!!

更新日:2025年06月10日

公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」より

暑さ指数WBGTと熱中症予防運動指針

暑さ指数WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)とは

WBGT は、熱中症予防を目的として1954年にアメリカで提案され、熱中症のリスクを評価する指標として広く使用されている数値です。WBGT の値が高いほど、熱中症のリスクが高くなっています。単位は気温と同様に℃ですが、気温と違い、人体と外気との熱のやり取り(熱収支)に着目した指標であり、気温・湿度・日射・輻射など周辺の熱環境が取り入れられています。WBGTが28を超えると熱中症患者が著しく増加するといわれています。また、国際的に規格化されており、日本でもスポーツ協会で「熱中症予防運動指針」として使用されています。

熱中症予防運動指針

スポーツ活動中の熱中症予防対策として、「熱中症予防運動指針」が策定されています。この指針は、運動時の熱中症リスクを最小限に抑えるための具体的な対策を示したものです。この指針に沿って適切な予防対策を行うことで、スポーツ活動中の熱中症リスクを大幅に低減できます。

公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」より

熱中症になってしまったら

熱中症は命に関わる危険な状態です。熱中症が疑われる際は、迅速に適切な対応をすることが重要です。

まず、意識の有無を確認しましょう。意識がある場合は、以下の対応をしてください。

1.涼しい場所に移動し、体を冷やす
2.水分を摂取させる(ただし、意識がない場合は無理に水を飲ませない)
3.衣服を緩めたり、冷やしたタオルを体に当てたりして体温を下げる

一方、意識がない場合は緊急事態です。すぐに119に通報し、救急車を呼びましょう。意識のない人には水分を与えず、体を冷やすことが重要です。症状が改善しない場合や、吐き気・頭痛・筋肉痛などの症状が続く場合は、医療機関を受診する必要があります。

熱中症は早期発見と適切な対応が命を救います。日頃から熱中症の予防法を理解し、症状が出たら迅速に対処しましょう。

公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」より

熱中症の症状

熱中症とは、熱に中る(あたる)という意味で、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことを指します。

熱中症は大きく分けて4つの型があります。

1.熱失神

熱失神は、体温の上昇により血管が拡張し、血液が皮膚に集中することで、脳への血流が低下することが原因で起こるもので、めまいや一時的な意識の消失などの症状がみられます。対処法は足を高くして寝かせることで、通常はすぐに回復します。

2.熱けいれん

熱けいれんは、大量の発汗によって水分やミネラルが不足すると起こるもので、症状の主な特徴は、筋肉のこわばりや痙攣、手足のしびれ、吐き気などです。対処法は、涼しい場所に移動し、水分とミネラルを補給することです。生理食塩水(0.9%食塩水)など濃い目の食塩水を活用するのもいいでしょう。

3.熱疲労

熱疲労は、長時間の暑さや運動で体が疲れ切ってしまっている状態です。主な症状は、全身の倦怠感や疲労感、めまい、頭痛、筋肉痛などです。対処法は、涼しい場所で休息をとり、経口補水液やスポーツドリンクなどで、水分とミネラルを補給することです。

4.熱射病

熱射病は、熱中症の中で最も重症な病型です。長時間の暑さや運動により、体温が40度以上に急激に上昇することが原因で起こります。主な症状は、意識障害、高体温、赤い皮膚、速い脈拍などです。放置すると生命の危険があるため、早期発見と適切な対応が重要です。対処法は、まず涼しい場所に移動し、体を冷やすことです。水をかけたり、冷やしたタオルを当てたりするなどして体温を下げる必要があります。意識がない場合は、直ちに救急車を呼びましょう。早期発見と適切な応急処置が命を救うカギとなります。

熱中症予防のために-スポーツ活動中の熱中症予防5ヶ条-

1.暑いとき、無理な運動は事故のもと

暑い日に無理な運動をすると、体内の水分や塩分が不足し、体温調整機能が正常に働かなくなります。特に、高温多湿の環境下では、体の負担が大きくなるので、無理な運動は避けましょう。無理に運動を続けると、意識障害や脳症状など、重篤な症状を引き起こす可能性があります。暑い日は、休憩を取りながら、軽めの運動を行うことが大切です。

2.急な暑さに要注意

気温が急激に上がる日や、気温が高めの日が続く場合は特に注意が必要です。体が暑さに慣れていないため、熱中症のリスクが高まります。エアコンの設定温度を下げすぎたり、外出時に適切な服装を選ばなかったりすると、体調を崩しやすくなります。暑さに慣れるまでの間は運動強度を徐々に増やしていくなど、急激な気温変化に適応できるようにしましょう。

3.失われる水と塩分を取り戻そう

激しい運動や高温多湿な環境では、大量の汗をかき、体内の水分と塩分が失われます。この水分と塩分の喪失を補うことが重要です。水分補給には、こまめに水やスポーツドリンクを飲むことが効果的です。スポーツドリンクには電解質が含まれているため、水分と塩分の補給ができます。また、塩分の補給には、食事に塩分の多い食品を取り入れるのも良いでしょう。このように、失われた水分と塩分を適切に補給することで、熱中症のリスクを下げることができます。水分とともに塩分の補給も忘れずに行いましょう。

4.薄着スタイルでさわやかに

暑い夏の日には、薄手の服装を心がけることが大切です。厚手の服装は体温の上昇を抑えられず、かえって熱中症のリスクを高めてしまいます。涼しげな素材の服を選んで、通気性の良い服装をすることで、体の熱を外部に逃がすことができ、汗の蒸発が促され、体を冷やすことができます。さわやかな装いで過ごすことで、熱中症予防を行いましょう。

5.体調不良は事故のもと

熱中症の予防には、自身の体調管理が重要です。体調が良くない状態で無理をすると、事故につながる危険性が高まります。体調不良の兆候、例えば体調の変化や体調管理の乱れなどに気づいたら、無理せずに休憩をとるなど、適切な対応をすることが大切です。体調管理を怠ると、熱中症だけでなく、転倒や転落などの事故にもつながりかねません。自身の体調を常に意識し、無理のない範囲で活動することが重要です。                                               

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