昆陽池の水環境の保全について

更新日:2022年12月16日

昆陽池の水環境の保全に取り組んでいます

水環境の悪化は生態系を変化させ、生物多様性が失われる原因にもなります。市では、昆陽池の水量確保と水質浄化を図るため、自然池において工業用水の活用を進めています。

昆陽池(自然池)の地図

昆陽池の水質について

これまで昆陽池の水の供給は、雨水を除くと、公園内に掘った井戸水等に頼ってきました。しかし、井戸水だけでは安定した水量の確保が困難であり、さらに、井戸水には窒素・リンなどの栄養塩類が多く含まれました。このことから池の富栄養化が進み、昭和50年代にはアオコが大量発生するなど、池の水質が悪化しました。

そこで市では、安定した水量の確保と池の水質浄化を目的として、平成20年度より、1日あたり3,000トンの工業用水を自然池に導水しています。また、定期的に水質調査を実施し、池の水質を確認しています。

工業用水導水の効果

工業用水の導水には、次の効果が期待されています。

  • 窒素・リンなど栄養塩類の含有量が低いため、池の富栄養化(水質汚濁)を穏やかにする。
  • 十分な水量を供給することによって、池水の汚濁が希釈されるとともに、池水の循環が図れる。

水質調査の結果によると、平成20年度の工業用水導水以降、水質汚濁の指標の一つであるCOD(化学的酸素要求量)が減少しており、昆陽池の水質は改善に向かっていると考えられます。今後は、昆陽池の水質維持・改善に向けて、引き続き工業用水の導水を行っていく予定です。

昆陽池のCOD推移を示したグラフ

(図)昆陽池(自然池)のCOD推移

昆陽池水質浄化に向けた主な取組

  • 平成15年~平成18年 :
    浚渫工事
  • 平成21年3月~ :
    工業用水導水(3,000トン/日)

池干しによる水質浄化について

自然池では、非かんがい期の11月から3月の間に池干しを行っています。

池の構造上、全ての水を抜くことはできませんが、できるだけ水位を低下することで、池底の泥を乾燥・酸化させ、アオコ発生要因となる栄養塩類の溶出が抑制されることを期待しています。

また、池の貯水量を下げる一方で、工業用水を導水し続けることで池の水循環を促進し、池水に含まれている栄養塩類などが希釈されることも併せて期待しているところです。

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