国登録文化財

「東リ インテリア歴史館」登録有形文化財 登録記念式典が開催されました

令和2年12月14日(月曜日)、東リ株式会社にて「東リ インテリア歴史館」の文化財登録を記念した式典が開催されました。

なお、本年(令和2年)は、「東リ インテリア歴史館」の前身である「旧東洋リノリユーム本館事務所棟」が、東リ株式会社創業の翌年大正9年(1920)に建設されてから、100年を迎えた記念すべき年に、「国登録有形文化財(建造物)」に登録されました。

 

当該建造物が登録に至るまでの経緯


平成7年1月の阪神淡路大震災にて、歴史的な建造物が多く被災し、失われたことを受け、当市教育委員会では、市域の文化的・歴史的建造物の遺存状況を把握し、保存・活用を含めた今後の施策の基本資料とすべく、「伊丹市文化的・歴史的建造物調査」の実施を決定しました。
 

この調査は、京都大学の山岸常人先生を団長に、神戸大学の黒田龍二先生を副団長とした調査団に委託し、平成9年~11年度に実施されました。
まず、市内全域における歴史的建造物の分布状況を把握する1次調査を実施し、そのうち、歴史上・景観上・環境上で重要と思われる建造物を選び出し、さらに詳細な実地による2次調査が行われました。
当該建造物は、2次調査において、山岸・黒田両先生により「棟札」が発見され、渡辺節設計であることが確定します。
 

当該建造物については、調査報告書に「大正8年の会社設立時の建物が、使われ続けてきたことは貴重」であり、「渡辺節の作風を知る上でも注目される」と記載されただけでなく、当初位置から移動し、外部・内部共に改造されているが、概ね建設当初の姿を保つことから、「国登録文化財に相応しい」建造物であると、調査団から教育委員会へ提言されました。
 

こうして、当該建造物の我が国における文化的・歴史的価値を、本市はもとより、東リ株式会社と共有しながら、平成19年(2007)「伊丹市景観重要建造物」に指定され、そして、創業100年の節目に合わせ、歴史的建造物としての価値を損なうことのないよう、文化財保護法に則る文化財改修工事の考え方に基づき、耐震補強・改修工事が実施され、平成31年4月から、近代史を彩る東リ株式会社を象徴する「東リ インテリア歴史館」として生まれ変わり、一般公開も始まりました。
 

令和元年7月、国登録有形文化財(建造物)にすべく、文化庁に推薦し、令和2年3月に開催された文化審議会文化財分科会での審議・議決を経て、当該建造物は、登録有形文化財(建造物)にするよう文部科学大臣に答申され、8月の官報告示をもって、正式に「国登録有形文化財(建造物)」となりました。

 

東リ インテリア歴史館(正面)
国登録有形文化財 登録記念式典

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