荒牧遺跡
荒牧遺跡は伊丹市域のもっとも北側に位置する弥生時代~平安時代の遺跡で,天神川を挟んで東西に広がっています。範囲は東西900メートル・南北450メートルに及んでいます。
弥生時代後期の遺跡は天神川の西側にあり,竪穴住居跡・掘立柱建物跡・溝跡・水路跡などが発見されました。遺物としては,広口壷・甕(かめ)・高杯(たかつき)などの弥生土器が出土しました。
また,奈良時代から平安時代の遺跡の範囲は天神川の両岸にわたり,掘立柱建物跡計8棟と畑跡などの遺構が発見されています。遺物としては,杯(つき)・甕・壷などの須恵器のほか,緑釉陶器(りょくゆうとうき)などが出土しています。
古代の荒牧には「為奈野牧(いなののまき)」が置かれ,それが「荒牧」の名と関連するといわれています(『伊丹市史』第1巻)。調査で検出された建物群は,「為奈野牧」の実在を裏付けるものです。
また,先土器時代末期~縄文時代早期の有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき。石槍)も出土し,市内最古の遺跡としても注目されています。
注意:出土品の一部は市立博物館の常設展示で見ることができます。
(下の図は「荒牧遺跡の範囲 伊丹市荒牧4~7丁目」)


荒牧遺跡の弥生土器

荒牧遺跡の有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)

第12次調査 掘立柱建物跡

第12次調査 柱根(ちゅうこん)

第49次調査のようす

第49次調査 掘立柱建物跡(庇付き)
参考文献
- 小長谷正治「埋蔵文化財からみた荒牧」『荒牧郷土史』伊丹市立博物館、平成7年
この記事に関するお問い合わせ先
都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048
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更新日:2021年05月25日