鬼貫賛春卜画(おにつらさんしゅんぼくが)四季花の画巻

更新日:2023年03月15日

金粉をひいた料紙に大坂の画家大岡春卜が極彩色で正月から12月までの四季折々の花や草木を描き,上に鬼貫がその花にふさわしい句と文を賛した見事な絵巻です。

昭和54年に伊丹市の有形文化財に指定されました。

この絵巻を収めた箱の蓋裏に製作のいわれが書かれています。それによると,本巻は貫鱗(かんりん)という大坂の俳人がまず春卜に画を依頼し,それに鬼貫の賛を依頼して成立したものです。本巻末尾には,「法橋(ほっきょう)春卜図」の署名に続いて,「右四季の草木を画たる(かきたる)一巻,貫鱗子望に黙止かたく(かんりんし のぞみに もだしがたく),享保十四己酉春まち月の窓のもとに筆をとりて おにつ羅(おにつら)書」との鬼貫の識語(しきご)が記されています。それによって本巻の成立年次が享保14年(1729年)12月であることがわかります。鬼貫が69歳の,まさに円熟期の作品といえます。

春卜は独学で狩野の画法を修得し,それに軽快さを加味した独自の手法を身につけて,寺社の御用をも勤めた京阪屈指の画家です。春卜と鬼貫とはかなり親交が深かったと言われています。

本巻はまさにこのような2人の夢の競演で,画と書の手本ともなる貴重な作品です。

花の画巻の写真
花の画巻の写真2

所在地

市立伊丹ミュージアム

注意:本作品が展示中であるかは市立伊丹ミュージアムにおたずねください。

参考文献

  • 「鬼貫賛春卜画四季花の画巻」『伊丹の文化財』伊丹市教育委員会、平成7年
  • 瀬川照子「鬼貫賛春卜画四季草木画巻について」『新・伊丹史話』伊丹市立博物館、平成6年
  • 岡田利兵衞監修『鬼貫賛春卜画巻』『伊丹資料叢書』3、伊丹市役所、昭和51年
  • 源豊宗「鬼貫賛春卜画「四季草木画巻」について」『地域研究いたみ』第10号、伊丹市立博物館、昭和55年

地図情報

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都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048

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