辻の碑(いしぶみ)

更新日:2021年05月25日

昭和40年(1965年)に市の史跡に指定された辻の碑は,西国街道と多田街道とが交叉するいわゆる「辻」に建っています。高さ92センチ,幅76センチの自然石で,鋭角を上方に向けて建てられています。平成9年末に碑を納める覆屋が新調され,石張りの広場が整備されました。

辻の碑の写真

碑の表面には銘文があって,多くの文字が刻まれていたようですが,長年の風雨にさらされて摩滅し,いまでは中央上方に刻まれた一行「従東寺拾里(とうじより10里)」のほかは読み取れません。しかし,寛政10年(1798年)に刊行された『摂津名所図会(ずえ)』によると,その下には,「距関戸(せきとにいたること)七里,距須磨(すまにいたること)七里,距天王(てんのうにいたること)七里,距大小路(おおしょうじにいたること)七里」ときざまれていたそうです。

関戸・須磨・天王・大小路は下に記すように,摂津国と四方の国との国境(くにざかい)に位置する地名です。つまり,ここは京都の東寺(教王護国寺)から約40キロで,かつ,四方の国境からそれぞれ約28キロの,摂津国の中心ということになります。

碑の銘文について

 関戸

山城国との国境

京都府大山崎町の関戸院のこと

 須磨

播磨国との国境

神戸市須磨のこと

 天王

丹波国との国境

三田市母子(もうし)の天王嶺のこと

 大小路

和泉国との国境

堺市大小路のこと

だれが,いつ,何のために,建てたかは,今のところわかりません。

所在地

伊丹市北伊丹1丁目89番地

交通

市バスJR伊丹駅前6番のりば,阪急伊丹駅前5番のりばから31系統山本団地行きで辻村下車,東へ150メートル

参考文献

  • 「辻の碑」『伊丹の文化財』伊丹市教育委員会、平成7年
  • 八木哲浩「大路荘辻村・野村絵図」『伊丹古絵図集成』伊丹市役所、昭和57年
  • 藤井直正「近世のいしぶみから」伊丹市立博物館、平成6年

地図情報

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お問い合わせ先

都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048

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