木造釈迦如来(しゃかにょらい)坐像

更新日:2021年03月31日

鴻池慈眼寺(じげんじ)の本尊である木造釈迦如来坐像は,鎌倉時代初期の建久6年(1195年)に造立されました。昭和63年に修理されたとき,像内からたくさんの墨書銘が見つかりました。その銘文から運慶・快慶に代表される慶派仏師の作であることや,東大寺を復興した俊乗坊重源(しゅんじょうぼうちょうげん)との関わりを示す貴重な仏像であることがわかり,平成2年に国の文化財に指定されました。

体部は一材から刻出し,前後に割って内削りをおこなったのち,ふたたび寄せる割矧(わりはぎ)造りです。黒漆の上に金箔を施していましたが,現在ではほとんど剥落しています。両手を重ねて膝前に置く「禅定印(ぜんじょういん)」の印相を示しています。

像内の墨書銘には,建久6年(1195年)7月8日から造りはじめたことと,願主の「生阿弥陀仏」や「一阿弥陀仏」ら結縁者150余人の名が像内ほぼ全面と膝裏に書かれています。

注意: 通常は公開されていません。

木造釈迦如来(しゃかにょらい)坐像の写真
背面内部の銘文

背面内部の銘文 

腹部内側の銘文

腹部内側の銘文

所在地

伊丹市鴻池6丁目19-59 慈眼寺内

交通

市バスJR伊丹駅前・阪急伊丹駅前2番乗り場より2系統桜ヶ丘経由荒牧バラ公園行き,または4番乗り場より5系統裁判所前経由JR中山寺駅前行きにて鴻池下車,西へ約380メートル

参考文献

  • 「木造釈迦如来坐像」 『伊丹の文化財』 伊丹市教育委員会、平成7年
  • 神戸佳文「伊丹の仏像彫刻」 『新・伊丹史話』 伊丹市立博物館、平成6年

地図情報

この記事に関する
お問い合わせ先

都市活力部まち資源室文化振興課(文化財担当)
〒664-8503伊丹市千僧1-1(市役所4階)
電話番号072-784-8090 ファクス072-784-8048

このページの感想をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか。
このページは見つけやすかったですか。
このページで分かりにくい点等ございましたら、ご記入ください