令和7年度国土交通省・成田空港

更新日:2025年12月16日

1.要望及び視察出張者
副 議 長    川井田清香
委 員 長    土井 秀勝       副委員長    松浦 晴美
委     員     戸田 龍起       委      員     篠原 光宏
     〃        山薗 有理          〃            新内 善雄
     〃        森 華奈子
2.要望及び視察先 
(1)国土交通省(10月30日)
(2)成田空港(10月31日)
3.要望及び視察日
令和7年10月30日(木曜日)~31日(金曜日)
4.要望及び調査事項
(1)大阪国際空港に係る諸対策について
(2)成田空港の空港運営について

◎10月30日 13:30~ 国土交通省

<大阪国際空港に係る諸対策について>

〇池田市議会事務局次長の司会進行で開会され、初めに川井田副議長からあいさつがなされたのち、委員長、副委員長、各委員の順に紹介が行われた。
   次に、国土交通省の大田大臣官房参事官からあいさつがなされ、続いて、航空局職員の紹介がなされた。
   次に、土井委員長から大臣官房参事官に対して要望書が提出されたのち、土井委員長から要望書の内容について説明がなされた。

○次に、川端近畿圏・中部圏空港課長から要望内容について、以下のとおり順次回答がなされた。

3.騒音・環境対策の推進について(要望書から抜粋)
(7) 遅延便について、周辺地域と共生できる取組を継続して実施するよう、新関西国際空港株式会社及び関西エアポート株式会社に対し、指導・監督すること。

(回答)運営権者である関西エアポート株式会社が、2025年4月より、遅延便に対して通常の着陸料とは別に着陸料相当額の2倍の金額を航空会社から徴収する「夜間騒音抑制料」を導入するとともに、遅延便の発生状況をホームページで公開している。引き続き周辺住民の方に配慮した対策が講じられるよう、関西エアポート株式会社等と連携しながら取組を進めて行く。

4.空港機能の活用と地域振興支援について(要望書から抜粋)
(1)関西国際空港の容量拡張と神戸空港の機能強化が進められる中、本空港においても利用者から要望の多い国内長距離路線、生活路線、国際便を含めた航空ネットワークの充実により、利用者利便の向上を図ること。特に、国内長距離路線の充実については、本空港の利用者ニーズや就航路線維持の観点を踏まえて検討すること。

(回答)関西3空港に関しては、これまで地元関係者にて構成される関西3空港懇談会の中で、役割分担や運用の在り方に関しての合意形成がなされており、大阪国際空港の将来像についても、地元の意向や将来の大幅な需要変動を見据えて、国際線の就航可能性を含めた今後の在り方について、状況に応じて議論することとなっている。大阪国際空港の国内長距離便に関しては、2013年の夏ダイヤから段階的に制限が緩和され、現在、低騒音機枠については15%まで拡大している。大阪国際空港における国内長距離便の拡大については、特に、関西国際空港との関係で、地元関係者との議論を重ねることが大切であると考える。また、国内線の事業環境については、コロナ禍以降で航空各社が厳しい状況に置かれている中、「国内航空のあり方に関する有識者会議」を開催し、その中での議論や検討を踏まえて必要な対応を検討したいと考えている。

〇次に、質疑応答が行われた。

(問)航空機騒音に係る環境基準が未達成の地域がある中、環境基準の早期達成のため、新鋭低騒音機の積極的な導入の促進を希望するが、導入に向けた促進策は。
(答)2002年4月以降、我が国における旧基準機の運航を原則禁止するなど、制度改正が実施されてきた。また、現在実施している航空会社による航空機の新規購入に係る固定資産税の軽減措置や航空機の騒音値に基づく着陸料の設定についても低騒音機導入の促進につながっていると認識している。関西エアポート株式会社でも、機材ごとの騒音の大きさに応じた一定の係数を既存料金に乗じた着陸料を設定しており、低騒音機導入の促進が図られている。

(問)大阪国際空港における発着回数のうち、国内長距離便については制限がある中、現在、国内線の安定的な事業継続が困難となりつつある。大阪国際空港からの長距離路線は航空需要の観点からも重要と考えるが、今後、規制緩和をしていく上で、関西エアポート株式会社や航空会社が自由に選択できるような形にすることは可能か。
(答)大阪国際空港における国内長距離便の制限については、関西国際空港の開港以来における両空港の利用状況や路線の運営状況、さらには、地元関係者や空港運営事業者の公募意見も踏まえてこれまで運用してきたところである。また、これまでの関西3空港懇談会において合意形成されてきた内容にも関係してくるため、今後、関西エアポート株式会社を中心に地元関係者と十分に議論していただく必要があると考える。国内線の事業環境については、厳しい状況下であることに加え、大阪国際空港における国内長距離便の制限は課題の1つと認識している。今後も関西3空港で競争が図られて、関西全体の経済活性化に資するような航空ネットワークを形成していくという観点からも引き続き検討していきたいと考えている。

(問)関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する基本方針を現在の航空需要に沿ったものに見直すべきであり、「廃港を含め」の文言を削除すべきではないかと考えるが、見解は。
(答)関西3空港懇談会(2010年)では、「リニア計画の詳細確定後に空港存廃の判断も含め、関西3空港のあり方を見直していく必要がある。」との記述があり、当時行われていた議論の内容について認識しているところであるが、その後の関西3空港懇談会においては、廃港に関する議論はされていないと認識している。令和元年には、改めて関西3空港の役割が合意されており、今後も関西3空港懇談会で関西3空港の在り方に関する議論が継続されていくと思われるが、基本方針の在り方については、関係事業者で構成する運営協議会の意見も踏まえて、今後適切に対応していく。

<要望の様子>

国土交通省写真


◎10月31日 9:30~ 成田空港

<成田空港の空港運営について>

   初めに、土井委員長より視察受入に対するお礼を述べた後、成田国際空港株式会社経営企画部門経営計画部戦略企画室担当部長と千葉県総合企画部技監(エアポートシティ推進)からの説明を受けたのち、空港内施設を見学した。最後に、松浦副委員長よりお礼のあいさつがなされた。

<説明の概要>
【成田空港の現況】
・運営主体 成田国際空港株式会社、株主構成は国土交通省91.66%、財務省8.34%となっている。
・滑走路 A滑走路が4,000m×60m、B滑走路が2,500m×60m
・貨物上屋 貨物ターミナル地区が193,000平方メートル、南部貨物地区が39,700平方メートル
・運用時間 A滑走路が6時~24時、B滑走路が6時~23時
・ターミナル処理能力 第1ターミナルが2,500万人、第2ターミナルが1,700万人、第3ターミナルが1,500万人で合計が5,700万人
・2023年度の国際航空旅客輸送の状況 2,740万人
・国際線就航都市数合計 38ヵ国・地域、94都市

【成田空港建設の歴史】
   新東京国際空港の建設候補地として、富里村付近や霞ケ浦周辺が挙がっていたが、いずれも地元住民の反対が激化したことにより、再度位置を検討した結果、富里から東北10キロメートルに位置し、国有地の下総御料牧場が立地する現在の成田市にあたる三里塚地区が新たな候補地として決定され、国有地御料牧場、県有地を活用し、古村を避けて計画地が設定された。当時は、学生運動が盛んな時期であったため、地元農民に加えてセクトの方も反対運動に加わった中で建設が進められた。1978年、当初の計画よりも小さい滑走路1本の空港で開港することとなった。
   開港後においては、地域との摩擦が生じていた中で建設を進めていたため、話合いによる解決策として、1991~1993年の間に計15回にわたって「成田空港問題シンポジウム」が開催されたことや、1993~1994年の間に計12回にわたって「成田空港問題円卓会議」が開催された。

(1) 成田空港「第2の開港」に向けた取組
   中長期的に世界の航空需要は増大する中、我が国の国際競争力の維持、観光先進国の実現のために首都圏空港の機能強化は必要不可欠となっている。羽田空港ではさらなる拡張の余地は限られていることから、今後の需要増を受け止めるのは成田空港であり、以下の取組を進めている。

【2029年春の供用に向けて進行中の成田空港の拡張事業】
・空港敷地面積 1,198haを2,297haに拡大
・B滑走路 2,500mから3,500mへ北側に1,000m延伸
・C滑走路 B滑走路の南側に3,500mで新設
・年間発着枠 30万回から50万回へ拡大
・運用時間 6時~24時から5時~24時30分に拡大
・旅客ターミナルの再構築と新貨物地区の整備

   年間発着枠が30万回から50万回に拡大されることで、期待される効果は以下の通りである。
・旅客数 年間4,000万人から約7,500万人に増加
・貨物量 年間200万tから約300万tに増加
・空港内従業員 4万人から約7万人に増加
   また、発着回数・旅客数が増加することで、道路ネットワークの拡充を初め、地元への観光客の増加、空港へのアクセス交通の充実、企業進出、雇用の創出、地元農産品の輸出拡大、地元企業の成長といった効果が周辺地域に与えられると期待される。

【『新しい成田空港』構想】
   機能強化によって、年間発着回数が30万回から50万回に増加することに伴い、旅客・貨物施設等についても処理容量の大幅な向上が必要となっている。旅客・貨物施設等は、開港当時の施設配置を踏襲したレイアウトのまま現在に至っており、施設の多くは1970年代に整備されたものであることから老朽化が深刻となっている。世界の航空市場の大きな変化や危機に際し、機動的かつ柔軟に運用できる施設の必要性の高まり、さらには、成田空港におけるアクセスの改善が長年の懸案事項であったことを踏まえ、以下の4つを『新しい成田空港』構想の方向性としている。
・旅客ターミナルを再構築し、集約型のワンターミナルへ
・新貨物地区の整備により航空物流機能を集約
・様々な選択肢で空港全体としての最適アクセスを実現
・地域と空港との相互連携による一体的・持続的発展

(2) 成田空港「エアポートシティ」構想の概要
   歴史的経緯から、成田空港周辺は他の拠点空港近隣にみられるような産業集積がこれまでに行われず、空港圏は、空港自体の経済波及効果のみの状況であったため、空港近隣に国際的に展開する製薬/創薬、IT、半導体などといった高度産業を集積させ、エアポートシティを形成することができれば、成田空港と地元自治体の双方に大きな便益が生まれるのではないかと期待している。

【全体概要】
   「誰もが輝き、世界と響き合う『フラッグシップ・エアポートシティ』」を構想で目指すビジョンとしており、ビジョンを実現するための4つのアプローチは、以下の通りである。
〇産業・イノベーション
・世界水準の航空・先端産業クラスター形成
・医療・農業・観光の国際拠点化
・物流の効率化・高度化
・規制緩和・制度導入
〇ウェルビーイング
・空港と高度産業を支える人材育成・集積
・選ばれる魅力的な居住エリア・景観・コミュニティ形成
・グローバルで高質な教育環境整備
・里山・田園・海・川と共生する新たなライフスタイル
〇交通・モビリティ
・複合的な広域幹線道路ネットワーク整備
・鉄道アクセスの充実
・周辺のまちづくりを踏まえた効率的な地域公共交通の実現
〇ダイバーシティ・サステナビリティ
・誰もがその人らしく生きる・分かり合える地域社会の実現
・空港と地域で環境に配慮した統合的取組を推進
・空港を核とした防災拠点の確立

【ゾーニング】
・空港を中心とした広域経済圏の創出
・成田空港を5つのエリアに分け、それらが連動して世界をリードする空港都市圏を形成。空港至近のエリアは、4つのゾーンで高アクセスと好立地を生かし、国際的な産業・物流拠点を形成
・空港と周辺地域が有機的に連携した産業・居住・観光拠点を形成

【「エアポートシティ」構想に係るこれまでの経緯】
〇NRT(ナリタ)エリアデザインセンターの開設
   2025年4月1日に発足し、関係者間の「結節点」として、対外調整・協力促進や構想の周知・広報、マッチング支援等を実施し、産官学の連携・協力の下で「エアポートシティ」構想の実現に向けて取り組んでいる。センターの職員として、千葉県総合企画部成田空港政策課から4名、成田国際空港株式会社から3名が派遣されている。
〇要望活動
   2024年7月29日、岸田総理(当時)に対し、千葉県と、空港周辺9市町から成る「成田空港圏自治体連絡協議会」の連名で、県自民党成田空港議連とともに、「我が国の国際競争力の強化に向けた成田空港を核とした物流・産業拠点の形成等に関する要望」を行った。
〇地域未来投資促進法を活用した「成田新産業特別促進区域基本計画」の変更
   2023年3月、成田国際空港を核とした国際的な産業拠点の形成を目指し、千葉県及び千葉県内9市町で、地域未来投資促進法に基づく「成田新産業特別促進区域基本計画」を策定した。2024年12月、更なる民間投資促進を図るため、基本計画を変更し、具体的には、空港周辺地域に集積を目指す産業として、「物流」に加えて、空港の特徴や強みを生かせる「航空宇宙」、「精密機器」、「健康医療」、「農業」、「観光」の5つの産業を追加した。

(3) 成田空港の利便性向上に向けた取組
【空港手続に関する利便性向上】
〇2021年7月からの顔認証技術による新しい搭乗手続き「Face Express」の運用開始
   自動チェックイン機やパスポートを照合して顔画像を登録することにより、その後の手荷物預け、保安検査場、搭乗ゲートといった搭乗手続において、搭乗券やパスポートを提示することなく顔パスできるようになり、手続がスムーズになるとともに、コンタクトレスにより接触リスクが軽減されている。
〇保安検査の高度化・スムーズ化
   2020年4月、第1・2・3ターミナル国際線及び第3ターミナル国内線の出発保安検査場に、より高度で効果的な保安検査機器(スマートセキュリティ)が導入されており、保安検査の手続にかかる時間が短縮されることにより、混雑の緩和が図られ、また、より快適に利用できるようになっている。また、第3ターミナルでは、受託手荷物の保安検査を保安検査員がX線検査装置にて行っていたが、2020年より、手荷物搬送システムと検査機器を一体化し、搬送中に爆発物等の危険物を自動的に検査する「インラインスクリーニングシステム」が導入された。これにより、高度なセキュリティレベルを確保しつつ、チェックイン手続にかかる時間が短縮されている。なお、第1・2ターミナルは、2008年に導入済みとなっている。
【第3ターミナル(LCC専用ターミナル)に関する利便性向上】
   2015年4月にオープンして以降、第3ターミナルはLCCの成長に伴い多くの方に利用されており、より使いやすく、快適な利用のため、様々な機能強化や取組が行われている。
〇1階到着ロビーの拡張
   2019年9月、第3ターミナルが増築され、1階到着ロビーが拡張された。これにより、出発導線と到着導線が分離され、混雑緩和が図られた。併せて、第3ターミナルになかった宅配カウンターの新設やWi-Fiレンタルカウンターが増設されるなど、利便性が向上された。
〇第3ターミナルの増築
   2022年には、利用者に対し、より機能的で快適な施設を利用していただき、LCC各社の中長期的な成長にも応えていくため、南側へ増築工事が実施された。拡張された出発ロビーには、ファストトラベルに寄与する自動チェックイン機と自動手荷物預け機が大きく展開され、より安心・スムーズな手続を実現した。また、新アクセス通路整備により安全な通路空間が確保され、第2ターミナルと第3ターミナル間の移動距離が短縮された。

<施設見学>
   ランプコントロールタワー、第1ターミナルビル、第3ターミナルビルの順に見学を行い、それぞれの場所に関する追加説明や質疑がなされた。

<主な質疑応答>
(問)「エアポートシティ」構想が進められる中で、周辺自治体に対して実施される騒音対策の内容は。
(答)B滑走路の延伸とC滑走路の新設に伴い、成田国際空港株式会社より周辺自治体に対して行われる騒音防止工事や地域振興に関して助成を行う。助成額は年間約70億円となる見込みである。

(問)観光PRに関して、周辺自治体と連携している点はあるのか。
(答)空港周辺には観光資源もあり、PRは行っているものの、多くの訪日外国人は東京都心や他の観光地へ流れてしまうのが現状であり、大きな課題と認識している。

<視察の様子>

成田空港写真1枚目

成田空港写真2枚目

以 上

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