行政手続制度の概要
行政手続制度は、行政が一定の活動を行う際に守るべき共通のルールを定めることにより、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ることを目的とした制度です。
具体的には、以下のような手続についてルールを定めています。
- 申請に対する処分(許可、認可、免許等などの申請に対して許可する・しないという処分)
- 不利益処分(許可を取り消したり一定期間の営業停止を命じたりする処分)
- 行政指導
- 届出
制度の内容
申請に対する処分
申請者が、法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与するよう求め、行政庁が諾否の応答をすべきこととされているもの(申請)に対する処分のことをいいます。
申請に対する処分については、次のようなルール が定められています。
- 行政庁は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる具体的基準(審査基準)を設定し、原則として、公にしておかなければなりません。
- 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分までに要する標準的な期間を定めるよう努め、定めた場合には公にしておかなければなりません。
- 申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく審査を開始しなければならず、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければなりません。
- 申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合には、原則として、同時にその理由を示さなければなりません。
不利益処分
行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいいます。
不利益処分については、次のようなルールが定められています。
- 行政庁は、不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる具体的な基準(処分基準)を設定して、公にしておくよう努めなければなりません。
- 行政庁は、法令に基づき、特定の者に対し、直接義務を課し、又は権利を制限する処分(不利益処分)を行う場合には、原則として、意見陳述のための手続(聴聞又は弁明の機会の付与)を執らなければなりません。
- 原則として、不利益処分と同時に理由を示さなければなりません。
行政指導
行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいいます。
行政指導については、次のようなルールが定められています。
- 行政指導に携わる者は、行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意し、相手方が行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱い(別の場面で許認可等を行う場合に意図的に差別的な扱いをするなど)をしてはなりません。
- 行政指導に携わる者は、行政指導をする際、行政指導の趣旨、内容及び責任者を相手方に明示し、行政上特別の支障がない限り、相手方の求めに応じて、これらの事項を記載した書面を交付しなければなりません。
- 法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、原則として、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができます。
届出
行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいいます。
届出については、次のようなルールが定められています。
- 法令に規定する形式上の要件に適合する届出が提出先の事務所に到達したときは、届出者側の手続上の義務が履行されたものとなります。
適用範囲
本市の機関が行う処分、行政指導及び届出についての行政手続法及び行政手続条例の適用範囲は、以下のとおりです。
- 国又は県の機関がする処分、行政指導及び届出については、国又は県にお問い合わせください。
更新日:2025年09月19日