いたみマチノート #03 稲野小学校地区自治協議会

「ふらっと来て楽しんでもらう」 稲野がつくる、地域参加のかたち
はじめに
8月2日に稲野小学校にて開催された第38回納涼ふれあい夏祭りは、およそ6400人が訪れる大盛況となりました。数あるイベントを通して、稲野小学校地区自治協議会の白井会長は地域や自治会の現状をどのように見ているのでしょうか。

第38回納涼ふれあい夏祭り
今年も夏祭りが大盛況

「先生バンド」に子ども達は大喜び
稲野で行っているイベントの中でも、夏祭りは特に大きいですね。今年の夏祭りは8月2日に開催されたばかりで、自治会を作られていないマンションの方々にも有志として参加していただくなど新たな試みも行った回でした。稲野小学校の先生で結成したバンドは小学生が大喜びしていてよかったです。
昔はここまで大きな夏祭りではなく、自治会ごとに祭りをしていたのですが、何せ負担が大きく大変だったようです。1980年代以降は合同でやることになって、この地域を代表する大きなイベントになりました。一度コロナ禍で途切れてしまったのですが、何とか再開に努めました。子ども達が喜ぶのでね。コロナ禍が明けてすぐの頃と比べると今は1.5倍もの人が来てくれているので、やってよかったなと思います。
「スポーツとしてのゴミ拾い」も人気
夏祭りやふれあい文化祭以外の時期には、主にスポーツ関連のイベントを開催しています。モルック、グラウンドゴルフなど。5×5ビンゴというニュースポーツもやってますね。5×5のフィールドに砂袋を投げてビンゴを狙うというシンプルなルールなので、結構いろんな世代の人が来てくれます。
モルック大会の様子
あとは「スポGOMI」も人気ですね。チーム対抗の競技としてゴミ拾いを楽しむイベント。ゴミを拾って得た得点を競い合うのですが、タバコの吸い殻なんかは得点が高いので血眼になって探される方もいて、結構本気なんだなと思いました(笑)。これとは別にゴミ拾いの日もあるんですが、「スポGOMI」は子どもからお年寄りの方まで世代横断的に楽しんでもらえて、いいなと思いますね。
「ゆるふわ」な自治組織のあり方

イベント運営に関して言うと、この前の夏祭りの時も、ボランティアとしてテント設営などを手伝ってくださる方は結構いらっしゃいました。しかし、やはりイベント以外の自治会の活動を手伝ってくださる方はそう多くないんですね。引っ越されてきた方が自治会に入らないということもしばしば。やはりハードルが高いのか、一度入るとやめづらくなるかもしれない、と思われているのか。
もし入った後に活動がしんどいと思ったら、やめてもいいと思っています。地域の自治会ですから。私が意識しているのは、出入り自由なふわっとした環境づくりです。人に来てもらうために、とシステマチックな策を施しても、やっぱりちょっと「やらされている感」があったりするんですよ。それよりも、「来た人は誰でも歓迎する!」という心持ちでさえいれば、100人に1人くらいは誰か手伝ってくれる人が現れるかなと。
私自身も、祭りに来た時に当時の自治協議会の方々と触れ合ったのが、活動を始めたきっかけです。当時から、この組織には「来たやつはなんでもいい!何も問わない!」という包容力があって、「私はここにいてもいいんだ」という安心感がありましたね。その方々の人徳の成せるわざだったのでしょう。私もこういった包容力というものをずっと意識しています。
組織の現状は「水没しかけの船」

自治協議会の大きな課題は、やはり役職の後継でしょうか。「来る者拒まず去る者追わず」のスタンスでいると、誰かに役職についてもらうのが難しいのです。何か新しいことを始めようと思っても人が足りなくて、現状維持するのがギリギリ。現在の組織運営は「ほぼ水没しかけの船」を何とか沈まないように支えているようなものですね。
どこの地域でもそうですが、地域との関わりはどんどん希薄になっています。それを防ぐ方法を見つけられたならきっとベストセラーにでもなるでしょうね。地域関係というものは、なにかのきっかけでいつか立ち行かなくなってしまうものなのだろうと思います。
だからこそ、今ある地域のつながりを守るためにも、皆さんには「とにかく楽しんでもらう」ことを第一に考えています。夏祭りがよい夏の思い出になってくれれば。そして、手伝える時だけでもいいので手伝ってもらえればさらに嬉しく思いますね。
「ふらっと」地域にかかわるイベントに

今後行うイベントとしては、企業とコラボしたイベントなどの計画も進めているところです。これからもまちづくり推進課と連携しながら、稲野小学校地区自治協議会のホームページにてイベントの告知もどんどん行っていきます。最近はホームページで知ってイベントに来てくださる方も増えていて、ありがたい限りです。
知ってるイベントには皆さん来られるのですが、知らないイベントには足を運びづらいのかなと思います。なんだかよくわからないイベントもあるなと思うでしょうが、とにかく、気軽にお越しください!
やってよかったね、と思ってくださればこちらとしては嬉しいです。あと、誰か会長になってください(笑)。いつでもお待ちしています。
インタビューを終えた感想
(※このインタビュー記事は、伊丹市役所にインターンシップに来た大学生が作成しました。)
私は稲野地区在住ではないのですが、今回インタビューさせていただき、稲野のよさが何となくわかったような気がします。稲野小学校地区は、昆陽池公園や伊丹市役所、消防局など数多くの施設があり、地域のつながりが強いと感じています。それでもやはり、運営者の高齢化や地域活動参加者の減少は抗えない問題であるとお聞きして、いかにして地域活動に興味を持ってもらうかをこれから考えていかなければならないなと改めて感じました。
この記事に関するお問い合わせ先
市民自治部まちづくり室まちづくり推進課
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電話番号072-780-3533 ファクス072-784-8130
更新日:2025年09月05日