【有岡小学校区まちづくり協議会】「こども能楽発表会・新作能「村重」鑑賞会」が開催されました

更新日:2023年09月15日

主催者の有岡小学校区まちづくり協議会より、「こども能楽発表会・新作能「村重」鑑賞会」開催についてのレポートが届きました。


こども能楽発表会・新作能「村重」鑑賞会 レポート!
 
令和5年8月13日(日曜)13時~16時、有岡城跡にあるアイホール(伊丹市立演劇ホール)にて、伊丹市伝統文化体験フェス~荒木村重から学ぶ~ こども能楽発表会・新作能「村重」鑑賞会を開催いたしました。128名の参加で会場内はほぼ満席。
荒木村重研究会スタッフで村重子孫の開会挨拶のあと、まず第1部はこども能楽発表会。能楽師さんから能のミニレクチャー、楽器の紹介に続いて夏休み親子能楽教室に参加くださった小学生3人と保護者の方が小鼓演奏と「春日龍神」最後の一場面を見事に演じてくださいました。
第2部はその舞囃子「春日龍神」。鎌倉時代の僧明恵上人が仏教を学ぶため唐、天竺へ行きたいというのを聞いた春日社の宮守が、そこまで行かなくてもここ日本春日の地で学べるからと説得し、春日野に龍神を現し、霊鷲山での釈迦の説法を見せ、明恵上人に唐、天竺行きを思いとどまらせるという物語で、能楽師上田宜照さんが迫力たっぷりに舞ってくださいました。中学生の能楽師もお囃子の中心で小鼓を響かせてくれました。
そのあと、荒木村重研究会メンバーから、荒木村重は能の達人であり、茶の湯の師匠千利休を招いて有岡城内で能の鑑賞会を催したり、時には自ら舞ったり、愛用の小鼓をとても大切にしていたというエピソードを紹介していただきました。
さらに新作能「村重」作者の能楽師上田敦史さんから、切腹前の利休が村重の霊と対峙しお茶を点てる前半、有岡城の戦いを再現し村重もともに戦わんとする後半、その静と動との場面の比較や2人の心情の現れを能を通して描いたとお話しいただきました。
そしていよいよ第3部、新作能「村重」の上演。今回の能のために上田さんが特別に作ってくださった『新作能「村重」用語解説と現代語訳』を見ながらの鑑賞。切腹を間近に控えた利休が一人お茶を点てているところに謎の男(村重の霊)が登場。利休と男の会話にお囃子と地謡も加わり、観客は自然と幻想的な世界へと誘われていきました。男は道薫(村重)の霊だと名乗り、今も有岡に残す執心の思いと戦いで散った一族郎党の無念を晴らしたいと言い消えていきます。
間狂言語りの後、白いお面をつけきらびやかな衣装に身を包んだ村重が刀を携えて登場。有岡城の戦いを再現しともに戦わんとするその姿は鬼気迫るものがあり迫力満載。が、やがて力尽き、村重の手から扇、そして刀が落ちていきます。茶人に変身した村重は妻だしと交わした和歌を口ずさみながらこの戦いで散った全ての御霊様とともに昇天していき、能「村重」は終了。
会場は拍手の嵐。素晴らしい能でした。「村重の心情が伝わってきた」「こんなに近くで本格的な能を見ることができて嬉しい」みなさまとても喜ばれていました。
人は勝っても負けてもいずれは扇も刀も手放さなくてはならない時がやってくる・・・能「村重」の余韻が残る中、能をたっぷり楽しむイベントもそろそろ終幕を迎えます。
主催者の有岡小学校区まちづくり協議会会長の滑川さんよりみなさまへの閉会の挨拶をもって全てのプログラムが無事終了しました。
とても素敵な会になりました。
お越しくださったみなさま、発表くださったみなさま、能楽師のみなさま、スタッフのみなさま、ありがとうございました。今回の企画にご協力くださいました全てのみなさまに厚く御礼申し上げます。そして何よりも
「有岡城跡で能を舞い、荒木村重主役の能を鑑賞する」
この千載一遇のチャンスが実現したこと、そしてそれをたくさんの方とともに楽しめたことに心より感謝申し上げます。

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