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諦めない心 絶望の淵(ふち)から夢を実現(広報伊丹 2016年 11月 1日号掲載)

伊藤真波さんの写真

事故で右腕を失いながら看護師として働き、パラリンピック競泳日本代表としても活躍した経験を持つ伊藤真波さん(32歳)。

静岡県生まれで幼少期から好奇心が旺盛。水泳やピアノ、バイオリンなど何でも取り組み活発に育ちます。

しかし20歳の冬、母の反対を押し切って免許を取った中型バイクで看護学校に通う途中、トラックと衝突し事故に遭います。
一命は取り留めたものの右腕は複雑骨折し、切断。

看護師になるという夢を諦めかけ絶望の淵に立たされた伊藤さんに、もう一度やり直す決心をさせたのは、リハビリのために関西の病院に入院した際に足のない人や半身不随の人が逞しくバスケットボールをする姿でした。

バイオリンを演奏する伊藤真波さんの写真

特殊な義手を付け、7月市内で行われた講演会でバイオリン演奏を披露する伊藤さん

「自分で起き上がって這い上がれる人間になりたい。嫌なこと、辛いことがあってももう言い訳しない」と心に決め、腕がないことを意識せざるを得ない水泳を始めます。
22歳の春、北京パラリンピックに出場し、100メートル平泳ぎで見事4位に入賞。
4年後のロンドンでも8位に入賞。
「支えてくれた人たちに恩返ししたい一心だった」と当時を振り返ります。

また、どんな時もそばで支えてくれた母を喜ばせたいという思いで、母の好きなバイオリンを再開。
特注の義手を付けて練習を重ね、地域のイベントなどで披露するまでに。

「無理に決まっていると諦めず、前向きに生きることで必ず道は開ける」と確信し、夢を実現してきた伊藤さんは昨年6月まで看護師として神戸市内の病院で働き、伊丹に住む裕希さん(30歳)と出会い結婚。
今年4月に長女の未海さんを出産しました。

一児の母となってからは、「この子の大切な命を守るため、無理をせず『助けて』と言える自分になりました」と話します。
「地域の人にも母子とも見守られ、温かい人が多いこの場所で、自分らしく過ごしていきたい」と語りました。