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盤上の軍師最善の一手を求めて(広報伊丹11月1日号8面掲載)


 

安用寺孝功さん

 将棋一筋38年。静かな情熱を抱く6段棋士の安用寺(あんようじ)孝功(44)さん。
初めて将棋に興味を持ち始めたのは幼稚園の頃、実際に対戦したのは小学2年生。クラスで1番強い存在になります。
その後、より強い人と対戦し、強くなりたいという気持ちが膨らみ、地元の棋士の教室や町の商店街にある将棋クラブに通います。
 「自分の考えた作戦が決まり、いつも負ける相手に、勝利することができるとすごくおもしろい。だから続けてきました」と、話します。
 中学2年生になると、アマチュアの全国大会で準優勝という快挙を成し遂げ、6級でプロ棋士を養成する日本将棋連盟関西所属の奨励会に入会します。
しかし、プロになるには年齢制度があり、21歳までに初段、26歳までに4段に昇格しなければ退会しなくてはいけません。
 半年に1度しかない4段昇格をかけた3段リーグでは、上位2人のみの狭き門となっています。
 「リーグ途中で2連敗、3連敗と続くと、自分は何をやっているのだろうと考え、落ち込みました。また、昇格しなくても、戦績が次回のリーグ戦に影響するので、少しでも順位を上げたい思いで、1局1局を大切にしました」と、当時の苦労を語りました。
25歳で晴れてプロとなった安用寺さんは、多くの強豪棋士と対戦を重ねます。
プロ棋士同士の戦いでは、目に見えない攻防、駆け引きが盤上で常に繰り広げられます。
 「正確な読みができれば、2手先程度で良いが次の一手を指すのに、何百手も瞬時に読みます。手筋は試合を運ぶ上では僅差で有利にも不利にもなります。それを正確に読み切るために、毎日が研究です」と語ります。
 11月には8大タイトルの王位戦予選第3回戦に臨む安用寺さん。
「勝負の中で迷いが生まれたら『前にでる一手』を指すことを心掛けたい」と、初タイトル獲得に向け、意気込みを語りました。