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令和2年度(2020年度) 施政方針

藤原保幸市長は、令和2年2月25日、令和2年第1回市議会定例会で、令和2年度の施政方針を表明しました。

施政方針は次のとおりです。

令和2(2020)年度施政方針(PDF:555KB)

目次

「あらゆる世代が安心して暮らせるまち」を目指して

「あらゆる世代が安心して暮らせるまち」を目指して

 国内外の情勢認識

 課題認識と市政運営の基本方針

  (1) さらなる安全・安心を実現するまち
  (2) 未来を担う人が育つまち

令和2年度の取り組み

予算概要

むすび

 

 令和の時代を迎えて、初めての当初予算及び各議案の提案に際し、市政運営の基本方針及び予算案の諸事業について、所信の一端と施策の大綱を申し上げます。

1 「あらゆる世代が安心して暮らせるまち」を目指して

 世界最大のスポーツ祭典、「オリンピック・パラリンピック競技大会」が、56年の時を経て再び日本で開催されます。出場が内定した本市在住の水泳飛び込み選手・荒井祭里さんをはじめ、本市ゆかりの代表候補選手の活躍を祈念し、市民の皆さまとともに熱い声援を送ります。
 同時に、大会の開催がもたらす社会変革への影響力にも大いに期待するところです。前回の開催時に整備された交通インフラが、その後の日本の経済発展を支えました。東京2020が今後の日本社会にどのような変革をもたらすのか、注目しています。
 本年は市制施行80周年の節目の年です。昭和15年11月10日に伊丹町と稲野村が合併して誕生した本市は、80年間で人口が約5.2倍となり、現在も微増傾向です。
 少子高齢化が進展し、国全体の人口が昨年1年間で約30万人、兵庫県では約2万1千人減少する中、本市は278人増加しました。県下41市町中、増加したのは本市を含めて4市で、本年2月1日現在の推計人口は198,562人と、過去最高を記録しました。
 昨年の市民意識調査では、「住みやすい」と回答された方は86.0%に、「住み続けたい」と回答された方は87.6%で、両回答ともにこれまでの調査結果の中で最も高い割合となりました。
 また、兵庫県は昨年12月に、阪神南県民センターと阪神北県民局の統合方針を示し、本局を現在の県伊丹庁舎に整備すると発表しました。本市が阪神地域の中心に位置し、来庁者の交通利便性が高いこと、自然災害のリスクが少なく災害時における対応機能が発揮できることなどが理由とされています。
 これら、本市が「選ばれるまち」として評価されるのは、議員各位や市民の皆さまとともにまちづくりに取り組んできた成果であると受け止めています。皆さまのご理解とご協力に深く感謝いたします。

 さて、私たちは今、第4次産業革命と言われる技術革新の真っ只中にあり、人工知能AIの技術が凄まじいスピードで進化しています。今後も飛躍的な進歩を遂げ、社会や経済に大きなインパクトを与えると同時に、人々の暮らしを劇的に変えていくものと考えます。
 国は、高速大容量通信インフラである5Gを整備し、インターネットと様々なモノを結合するIoTやロボット、AIといった先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を図る新たな社会「Society 5.0」の実現を目指しています。
 これは、2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs、持続可能な開発目標と連携した目標でもあります。先進諸国においても、政府、企業、NGO等、あらゆる部門で「持続可能性」を意識し、働きがいや経済成長を踏まえた活動が必要です。
昨年の6月、私は、職員に向けて、超勤レス、ペーパーレス、キャッシュレスの3つを軸とした「Smart Itami」を宣言しました。新庁舎での執務のあり方を念頭に、紙文書を削減するため、資料の電子化とペーパーレス会議を推進し、スマートフォン決済の先行導入並びにAIやRPAを活用した事務処理など、業務改革を進めています。
 本市の今後のまちづくりは、人口減少時代を生き抜く発想のもとに、先端技術を活用した市民サービスの向上と持続可能な行政サービスの提供を目指すことが重要と考えており、従来の仕事のやり方や慣例を見直し、時代の変化に対峙する決意です。
 そして令和2年度は、第5次総合計画の総仕上げの年であると同時に、私にとっては、市長任期の最終年度です。令和という新時代、変革期に、私は市長として自ら先頭に立ってリーダーシップを発揮し、あらゆる世代が安心して暮らすことのできるまちを目指してまいります。

2 国内外の情勢認識

 世界経済は、米中の通商問題の行方、英国のEU離脱、中東地域の政治的緊張などがもたらす景気への影響が懸念されます。
 国が本年2月に公表した2019年10月から12月期の国内総生産、GDP速報では、年率換算でマイナス6.3%となりました。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなか、先般とりまとめた総合経済対策など各種政策の効果も相俟って、本来であれば、緩やかな回復が続くと期待されていましたが、新型コロナウイルス感染症による内外経済への影響に十分注意する必要があると指摘しています。
 感染の拡大については、日々その影響が広がっており、予断を許しません。保健衛生や感染拡大防止の観点から、市民の皆さまへ情報を提供するとともに、その動向を注視します。

3 課題認識と市政運営の基本方針

 市政運営におきましては、「安全・安心のまちづくり」と「未来を担うひとづくり」を柱として、市民の皆さまにお約束した各施策を推進し、伊丹のまちづくりに全力で取り組みます。
 また、国の有利な財源を活用した2月補正予算と新年度当初予算を一体的に捉えて、積極的に施策を推進してまいります。
 

(1)さらなる安全・安心を実現するまち

新病院施設の整備

 市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編による新病院建設にいよいよ着手します。
 伊丹病院は、基幹病院として幅広い医療の提供と地域の2次救急医療を担ってきましたが、経年により現在の病院施設では最新の医療機器の導入に対応できない状況です。高齢化の進展とともに医療需要が増加していることも相俟って、高度な医療技術が必要とされる、がんや心血管疾患及び脳血管疾患等の患者の多くが、市外の医療機関に入院しているのが実情です。
 市民の皆さまが住み慣れた地域で必要な医療を受け、安心して暮らし続けていただけるよう、状態に応じた最適の医療を切れ目なく提供できる医療機関等を整備し、初期医療を担うかかりつけ医、回復期や慢性期を担当する病院等と役割を分担しながら連携を図る、地域医療体制の再構築が必要であると考えています。
 新たな伊丹病院は、本市が経営主体となって運営し、高度医療の提供体制の充実を図り、3次救急医療機能を備えます。また、災害時にも安定した医療を継続して提供できるよう立地については、大雨による洪水被害や台風時の高潮における浸水被害の想定区域外にあり、南海トラフ巨大地震時における津波被害の影響がないと想定される、現在の伊丹病院の場所で全棟を建て替え、阪神北準圏域における基幹的な病院に生まれ変わり、その役割を果たします。
 時代のニーズに即した、市民のためのより良い病院となりますよう、医師会をはじめとする関係機関等との調整を図りながら、取り組んでまいります。
 

魅力あふれる新庁舎

 令和4年秋に供用開始を予定している新庁舎の建設について、庁舎北側の緑地並びに西側駐車場などで敷地の造成工事を開始しました。緑地北西角に立つクスノキの大木は、新庁舎の象徴として保存し、その他のクスノキも新庁舎の内装材の一部として再利用するほか、彫刻作品にも生まれ変わる予定です。
 免震構造を採用する新庁舎は、大地震等が発生した際でも、業務継続が可能となり、これまで以上に防災拠点として市民の暮らしを守り、支えます。
 環境への配慮を先導する点では、環境省が提唱するネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEBを目標に、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現し自然環境への負荷低減を図る建物として、延床面積20,000平方メートルを超える大規模庁舎では全国初となる、「ZEB Ready」の認証を取得する見込みです。
 利便性の向上の観点からは、AIなどの先端技術を取り入れた行政サービスや、ライフイベントに対応したワンストップサービスの総合窓口など、市民の安全・安心な暮らしを支え、夢と魅力があふれる庁舎として整備を進めてまいります。

 

安全・安心見守りネットワークの拡充

 本市では、これまでに1,000台の見守りカメラとビーコン受信器を組み合わせた安全・安心見守りネットワークを整備し、平成31年度には、見守りカメラ200台の増設を進めました。
 私はこの事業を進めるにあたり、犯罪の半減を市民の皆さまにお約束しておりました。その成果は、警察が発表する街頭犯罪認知件数に現れ、カメラ設置前の平成26年には1,812件であったのが、平成31年は暫定値で、716件と60%を超える大幅な減少となりました。
 これらは、安全・安心見守りネットワークの整備とともに、官民協働で実施する「まちなかミマモルメ」の利用者が増えてきたことや、地域の防犯や安全を担う市民の皆さまの見守り活動と合わせて、「安全・安心は市政の一丁目一番地」として取り組んできた結果が数値となって表れたものです。
 令和2年度には、ビーコン受信機能を搭載したスマートフォンを市バスや公用車、児童くらぶに設置し、検知箇所の増設を図ります。
 また、民間事業者の協力も得て、見守り体制を充実することで、さらなる安全・安心なまちづくりを推進してまいります。
 

(2)未来を担う人が育つまち

幼児教育の充実

 幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎が培われる極めて重要な時期です。幼児期に受ける教育はその後の人生に影響を与えるとして、その重要性が注目されています。
 私は、市長就任以来「まちづくりは人づくりから」と申し上げ、教育施策を重視してきました。これからの時代を生きる子どもたちにとって、幼児期の教育こそ重要との考えから、国に先駆けて幼児教育の段階的無償化を進め、幼児教育ビジョンとカリキュラムを策定して、子どもの成長・発達を一貫して支援できる組織体制とするなど、公立、私立を問わず、質の高い幼児教育が受けられる環境を整備してきました。
 また、教育委員の改選に合わせ、幼児教育に関する知見を備えた委員を迎えて、教育行政の厚みを増したいと考えています。
 令和2年4月には、幼児教育センターの開設をはじめ、さくらだいこども園、わかばこども園、こばと保育所と、3箇所の民間保育施設が開園し、259人の保育定員を拡大します。
 保育需要の増加が続く中、引き続き保育所の待機児童対策や幼児教育の充実に取り組んでまいります。
 

学校教育環境の充実

 近年、グローバル化やスマートフォンの普及、AIの活用などによる技術革新が急速に進展し、子どもたちを取り巻く社会環境は刻々と変化しています。これからの変革の時代、子どもたちは、学校や家庭、地域で「社会を生き抜く力」を身につけ、将来の人生を切り開かねばなりません。
 時代の変化に対応する資質・能力を育むため、国は、新たな学習指導要領に基づき、教育のICT化や外国語教育の充実を図ろうとしています。
 本市では、子どもたちの教育は未来への投資と考え、数年前から学習指導要領の改訂を見据えて、世界で活躍するグローバルな人材の育成を目標に英語教育の推進やプログラミング教育の試行的な実施に取り組んできました。
 令和2年度は、児童生徒の学習用タブレット端末を1,500台追加して配布するとともに、児童生徒1人が1台の機器を使用して学べる環境の実現に向け、高速大容量の校内通信ネットワークを整備してまいります。

4 令和2年度の取り組み

 令和2年度の諸事業について、第5次総合計画の枠組みに沿って、ご説明いたします。

 はじめに、「基本目標 市民が主体となったまちづくりの実現」では、これまでの議会特別委員会での協議や総合計画審議会の答申等を踏まえて、令和3年度から8年間を計画期間とする第6次伊丹市総合計画を策定します。
 地域自治組織のまちづくり活動を支援するため、地域ビジョンの策定に係る経費の補助や地域総括交付金を交付します。
伊丹市公共施設再配置基本計画に基づき、既存の緑ケ丘センター、東緑ケ丘センター、遺族会館を集約し、地域の活動拠点として(仮称)緑ケ丘交流センターを整備します。
 本年4月から伊丹商工プラザ5階に、伊丹市立男女共同参画センター「ここいろ」を設置し、男女共同参画社会の実現に向けて、情報の収集や提供、相談、啓発などの事業を推進します。
 新庁舎での総合窓口設置に先行し、税に関する証明書等の交付を庁舎1階市民課窓口に統合します。併せて、手数料支払いに係るキャッシュレス決済の実証実験を行います。
 市民サービスの向上並びに事務の効率化を図るため、AI等の先端技術の活用について一般財団法人地方自治研究機構と共同で調査、研究を進めます。
 モーターボート競走事業では、収益の確保を目指して、引き続き、本場の活性化をはじめとして、場外発売場及び若い客層に広がる電話投票の売上拡大に取り組みます。

 続いて、「政策目標1 支え合いの心でつくる安全・安心のまち」では、正確で迅速な災害関連情報を伝達するため、メール配信や外国語の自動翻訳等の機能を備え、スマートフォン用アプリに対応した「ひょうご防災ネット」を導入します。
 併せて、災害情報の収集・共有を効率化するため、災害オペレーションシステムを導入します。また、ICTを活用して、家屋被害認定調査などの災害対応事務を効率化します。
 消防力の維持・向上のため、消防車両整備計画に基づき、神津出張所の化学消防車、荒牧出張所の救急自動車を更新し、西消防署のはしご自動車をオーバーホールします。
 消費者被害を未然に防止するため、消費生活に関する情報提供や相談体制を充実させるとともに、消費者教育に取り組みます。
 雨水管渠布設工事や老朽化が著しい中心市街地の雨水管渠改築工事、雨水ポンプ場の改築等を実施します。
 国民健康保険加入者の特定健診受診率の向上に向けて、AIを活用した新たな手法で受診勧奨を実施します。
 フレイルと呼ばれる加齢により心身の機能が低下した状態や誤嚥性肺炎について、高齢者を対象に予防を啓発する講座を開催するとともに、介護専門職を対象とした研修会を実施します。
 宝くじ社会貢献広報事業交付金を活用して、障害者デイサービスセンターの送迎バス1台を更新します。
 兵庫県が実施する強度行動障害地域生活支援事業を活用し、専門のノウハウを持つ事業所において、行動障害の程度を緩和する集中支援を行います。

 続いて、「政策目標2 未来を担う人が育つまち」では、妊娠、出産を包括的に支援するため、助産師等による相談や妊産婦の交流を促進する「産前・産後サポート事業」と、一定期間の宿泊、通所により、母体の回復を図り、育児指導等を行う「産後ケア事業」を開始します。
 待機児童の解消を目指し、保育需要の多い地域への民間保育施設の誘致を支援し、令和3年4月に向けて新たに180人分の保育定員を確保します。併せて、民間保育事業者が保育士を確保するための各支援策についても引き続き取り組みます。
 安全・安心な保育環境の確保や保育士の負担軽減を図るため、公立保育所等に午睡時の体動や呼吸をチェックするセンサーを導入するとともに、民間保育施設への導入を支援します。
 令和2年3月末で閉園する稲野幼稚園の改修工事を実施し、稲野児童くらぶ及び不登校児童生徒の社会的自立に向けた支援を行う教育支援センター「やまびこ」を開設します。
 児童生徒の学力向上を目指し、学力向上支援教員による少人数指導や、個別指導が必要な児童生徒に対して放課後学習に取り組みます。
 通学路の見守り等、学校安全のために活動する地域ボランティアを支援するため、傷害保険の加入を促進し、交通安全や防犯についての講習会等を実施します。
 新児童館の令和3年1月のオープンに向け、働く女性の家の解体やグラウンドの再整備を進めます。
 築後28年が経過したラスタホールの大規模改修工事を実施し、長寿命化を図ります。
 東京2020に出場する本市ゆかりの選手の活躍を市民の皆さまとともに応援するため、パブリックビューイングを開催します。併せて、生涯スポーツの機運を醸成するため、陸上競技や卓球など、市民が広く参加できる伊丹市版マスターズスポーツのイベントを開催します。

 続いて、「政策目標3 にぎわいと活力にあふれるまち」では、みやのまえ文化の郷に博物館の機能を移転する大規模改修工事を実施し、伊丹の歴史・芸術・文化の発信拠点となる施設を整備します。
 「鳴く虫と郷町」や「伊丹まちなかバル」を始めとした中心市街地のイベントを主催する中心市街地活性化協議会等を支援することで、さらなるまちのにぎわいを創出します。
 「清酒発祥の地 伊丹」をPRしインバウンドの誘致につなげるため、国際的な日本酒品評会「CMB SAKE Selection 2020」などのイベントに参加します。
 作家で本市の名誉市民であった故田辺聖子さんの旧邸を公開し、市内外の方に田辺文学の世界とその創作の現場を体感してもらうとともに、本市に息づく文芸とまちの魅力をPRします。
 多くの市民が憩う有岡城跡公園について、利用者の安全を確保するため、傷みが目立つ南側エリアのシートを整備します。
 企業立地支援条例に基づき、立地奨励金や雇用奨励金等を交付することで企業誘致及び定着を促進し、市民の雇用機会の創出並びに地域産業の基盤強化を図ります。
 就職を希望する市内在住の未就職者に対し、求職活動に向けた講座や体験実習を通じて就職を支援します。併せて、市内事業所を中心とする合同会社説明会、就職面接会を実施します。
 空港線専用バス「伊丹エアポートライナー」を運行するとともに、市バスダイヤも見直し、空港へのアクセス向上を図ります。
 安全と環境の確保を前提とした上で、「関西3空港懇談会」などの機会を捉え、兵庫県や関西エアポート株式会社等に空港の利便性向上について働きかけます。

 続いて、「政策目標4 環境が大切にされ暮らしやすさと調和したまち」では、伊丹市一般廃棄物処理基本計画に基づき、ごみの減量・資源化を推進するため、紙分別促進袋を各家庭に配布します。また、市民団体と協働して、フードドライブの活動を実施し、食品ロス対策に取り組みます。
 お墓をめぐる多様なニーズに対応するため、令和3年度の供用開始を目指して、市営の合葬式墓地を整備します。
 市営住宅を市民が安全・安心に利用できるよう、適切な維持保全工事や耐震診断に基づく耐震補強設計を実施します。
 中心市街地の景観等、多様な都市空間の魅力の向上を図るため、市道中央天津線外3路線の道路で、電線類地中化の工事を実施します。
 市民が安全で快適に通行できる道路空間とするため、転落防護柵の設置や更新、交差点部に車止め等の新設及び市道昆陽車塚線の自転車レーンを整備します。

5 予算概要

 次に、令和2年度歳入歳出予算案の概要について、ご説明いたします。
 一般会計の総額は800億円で、前年度当初予算に比べ41億円、率にして5.4%の増となり、過去最大の規模となりました。
 主な歳入歳出予算等の状況について概算で申し上げますと、まず、歳入の中心を占める市税収入は、納税義務者数の増等を見込んだことによる個人市民税の増収や、家屋の新増築等に伴う固定資産税・都市計画税の増収を見込む一方で、法人市民税率の引下げ及び業績低調等を見込んだことによる法人市民税の減収等により、市税全体では306億円となり、前年度に比べ2億円、率にして0.6%の減となりました。
 また、地方消費税交付金は、令和元年10月から社会保障の安定財源の確保等を目的とした消費税率の10%への引上げに伴い、前年度に比べ8億円、率にして24.1%増と見込みました。
 歳出では、扶助費が利用者数の増加等による私立保育所等への保育所保育委託料や、障害者・児福祉サービス費の増などにより、前年度に比べ11億4千万円、率にして4.8%増の251億2千万円となり、過去最高額を更新すると見込んでいます。
 普通建設事業費は、新庁舎整備推進事業やみやのまえ文化の郷再整備事業、新児童館整備事業などの公共施設再配置の進展に加え、ラスタホールの大規模改修工事など、施設の長寿命化を図るための事業等により、前年度に比べ21億2千万円、率にして31.2%増の89億1千万円となりました。
 特別会計は、7会計総額で372億1千万円となり、前年度に比べ、10億9千万円、率にして3.0%の増となりました。これは主に介護保険事業において、保険給付費が増加したことなどによるものです。
 また、病院事業会計をはじめとする6つの公営企業会計の総額は、494億8千万円となり、前年度に比べ10億8千万円、率にして2.2%の増となりました。
 次に、主な財政指標について申し上げます。
 実質公債費比率は、5.4%となり、前年度より0.8ポイント減少いたしました。また、将来負担比率は、公債費充当可能財源等が将来負担額を上回るため、発生いたしません。経常収支比率は、地方消費税交付金などの経常一般財源の増等により、前年度より0.1ポイント減の94.8%となりました。
 市の貯金である財政調整基金は、幼児教育推進計画に基づく関連施策の実施のために9千万円を取り崩す一方で、土地売払収入等9億2千万円を積立てることなどから、残高は64億2千万円となりました。
 令和2年度予算案では、引き続き公共施設の再配置、長寿命化など公共施設マネジメントの基本方針に沿って取り組みを進めます。
今後とも、歳入・歳出両面における改革を進め、持続可能な行財政運営の実現に努めてまいります。

6 むすび

 本格的な人口減少時代に突入した今、「持続可能な社会の実現」は、地方自治体にとっても直面する難題と言えます。
 私は、伊丹市が将来にわたって発展していくための原動力となるのは、「市民力」だと考えています。
 企業の経済活動や地域貢献、多様な価値観を持つ市民の活動が地域やまちに個性とエネルギーを生み出します。
 本市が受け継いできた貴重な財産である、豊かな歴史、文化、自然と市民の活動が相乗し、地域に根付く市民力がさらに高まるよう、市民とともに協働のまちづくりを推進してまいります。
 そして、市民力、地域力をサポートするのが、「職員の力」です。
 前例踏襲の殻を打ち破り、職員一人ひとりが柔軟な思考と態度で課題に挑む組織風土を醸成しなければなりません。とりわけICTの先端技術は、これまでの事務の進め方を根こそぎ変えつつあります。
 技術革新が繰り出す急速な変化に臆することなく、むしろ積極的にこれらの先端技術を取り込んで、市民の皆さまに質の高いサービスを提供できる人づくり、組織づくりに力を注ぎたいと考えています。
 市民の多様な活動や地域での取り組み、これらを支援する職員の力それぞれを結集して、「みんなの夢 まちの魅力 ともにつくる 伊丹」の実現に全力で取り組みます。
 時機を逃さず、果敢に必要な策を講じてまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆さまにおかれましては、市政運営に、より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせ先
総合政策部政策室
〒664-8503伊丹市千僧1-1 (市役所2階)
電話番号072-784-8007 ファクス072-784-8008

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