現在の位置

平成29年度 施政方針

藤原保幸市長は、平成29年6月8日、平成29年第3回市議会定例会で、平成29年度の施政方針を表明しました。

施政方針は次のとおりです。

平成29年度 施政方針(PDF:342.5KB)

目次

「住みたいまち伊丹の実現」を目指して

市政運営の決意

 これまでの市政を振り返って

情勢認識

市政運営の基本方針

  1. 選ばれるまちづくり
  2. ともにつくるまちづくり
  3. 未来へつなげるまちづくり

4年間の重点施策

  1. 幼児教育の無償化
  2. こども医療費助成対象の拡大
  3. 高齢者市バス無料パス
  4. 高度医療・救急体制
  5. 伊丹空港の国際化

補正予算案の編成方針

  1. 学校教育の充実と子育て支援の推進
  2. 地域医療の整備と安心できる福祉の実現
  3. 地域産業の振興とにぎわいあるまちづくりの推進
  4. 防災・防犯のさらなる充実
  5. 環境政策や都市環境整備の推進
  6. 参画と協働、行財政改革の推進

予算概要

むすび

 

「住みたいまち伊丹」の実現を目指して

 平成29年第3回伊丹市議会定例会の開会にあたり、平成29年度各会計補正予算(第1号)をはじめ、提出しました各議案に対する提案理由のご説明を申し上げるとともに、今後4年間の市政運営に対する所信の一端を申し述べさせていただきます。議員各位をはじめ市民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

市政運営の決意

 私は、市長に就任以来一貫して「安全・安心のまちづくり」を市政運営の一丁目一番地として、そして「まちづくりは人づくりから」との信念のもと伊丹市政の舵取りを担ってまいりました。同時に、ふるさと伊丹の未来を見据えた、健全で安定した行財政の基盤づくりに注力するとともに、「現場主義」を基本姿勢として市民の皆さまの意見に耳を傾け、同じ視点を持って施策を推進してまいりました。

 そして4月の市長選挙におきまして、引き続き4期目の市政運営を担わせていただくことになりました。この3期12年間の市政運営を評価頂いたものと受けとめており、改めまして、責任の重さと、市民の皆さまの期待に応えるという使命感で、身が引き締まる思いです。

 これからの4年間も初心に立ち帰り、「みんなの夢 まちの魅力 ともにつくる伊丹」の実現に邁進してまいります。

 本市には、先人の築いた歴史や文化、豊かな水や緑、空港や鉄道、バスといった交通の利便性による暮らしやすさ、力強い市民力、市民に育まれた地域力という誇るべき財産があります。こうした財産を最大限に活かしてまちの魅力を高め、市民の皆さまはもちろんのこと、市外の方からも、「訪れてみたい」「住んでみたい」「住み続けたい」と感じていただき、あらゆる世代の皆さまが安心して暮らせる「住みたいまち伊丹の実現」に向けて進取果敢の精神で取り組んでまいります。

これまでの市政を振り返って

 私が市長に就任しました平成17年に行われた人口動態調査において、わが国の人口が初めて出生数よりも死亡数が上回るという結果となりました。私はこの結果に危機感を抱き、人口減少時代の本格的な到来に備え、活力ある伊丹を展望し、伊丹のまちの魅力の創出に全力で取り組んでまいりました。

 平成20年9月には、安全・安心な教育環境の整備を目的として、「学校施設の安全安心宣言」を行い、指定避難所としての機能も兼ね備えた小・中・高等学校及び特別支援学校の耐震化を加速し進めてまいりました。その結果、平成23年度には全ての学校施設の耐震性を確保することができました。

 また、安全で快適に自転車をご利用いただくため、自転車交通安全教室や自転車専用レーンの整備等を行った結果、昨年の自転車関連事故件数は、兵庫県下が対前年比約4%減であったのに対し本市は約26%減と大きく減少させることができました。さらに阪急伊丹駅周辺での路上駐輪ラックの設置等に取り組んだ結果、昨年度の阪急伊丹駅周辺の放置自転車等台数は、10年前の平成19年度と比較して約75%減少となり、目に見える効果が表れてまいりました。

 全国に先駆けた取り組みといたしまして、本年4月より、「安全・安心見守りネットワーク」を市内全域で稼動させました。1,000台の見守りカメラとビーコン受信器を組合せ、地域全体で子どもや高齢者を見守る環境を整備した結果、市内の街頭犯罪認知件数が減少するなど早くも効果が出始めております。

 全国的に社会問題化している保育所の待機児童問題につきましては、積極的に民間保育所を誘致し、特に保育需要の高い市中心部の対策に集中して取り組んだ結果、本年4月、阪神7市で唯一待機児童ゼロを実現することができました。

 こうした伊丹の魅力を高める施策の推進には、健全で安定した財政基盤が欠かせません。5年連続して徴収率が県下3位以内を維持している市税徴収の積極的な取り組みや、事務事業の不断の見直しなど、歳入確保と歳出適正化を進めた結果、平成23年度から5年間を計画期間とする行財政プランに定めた各財政指標の目標値を全て達成しました。

 このように伊丹のまちの魅力の創出に取り組んだ結果、わが国の人口が平成20年の約1億2,808万人をピークに減り続ける中、本市人口は、平成27年国勢調査の結果によりますと10年間で約4,600人増加しました。また、市民意識調査において、伊丹の住みやすさをお尋ねしたところ、約8割の方から「住みやすい」「住み続けたい」との回答をいただくことができました。

 これらはひとえに議員各位をはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力の賜物であり、心から敬意を表するとともに深く感謝申し上げます。

情勢認識

 昨年6月、安倍内閣はアベノミクスの第2ステージで「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定しました。少子高齢化問題に真正面から取り組み、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、女性や高齢者をはじめ誰もが活躍する全員参加型社会の実現を目指した成長戦略と、その実現を阻むあらゆる壁を取り除く姿勢を強く打ち出しています。

 また近年では、人口減少時代に経済成長をもたらすことが期待される人工知能技術などの先端技術の発展が著しく、働き方の多様化や新規事業の創出に貢献しています。今後のさらなる技術の革新が、労働力不足問題の解消に寄与し経済成長の推進力となることで、社会全体に好循環を生み出すものと期待されており、引き続き動向を注視しているところです。

 このように社会・経済状況が刻々と変化する中、鳥のように全体を見渡す「鳥瞰(ちょうかん)」と、虫のように間近から詳細を見つめる「虫瞰(ちゅうかん)」とで、国内外の現状と変化を見逃すことなく、適時適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

市政運営の基本方針

 これからの4年間は、伊丹市総合計画(第5次)の仕上げに取り組むとともに、その先を見据え、まちの将来像について検討を進める時期であると考えます。

 これまでの取り組みをさらに深化させるため、私のまちづくりについての基本的な考えをお示しいたします。

(1)選ばれるまちづくり

「地価上昇率ベスト4」

 国土交通省の地価公示によりますと、住宅地の地価上昇率において本市は大阪圏94市町村中、昨年は第5位となり、さらに本年には第4位となりました。

 本市の土地価格の上昇は、選ばれるまちとしての客観的な指標のひとつであり、様々な施策を推進することにより市内外の皆さまから、「住んでみたい」「住み続けたい」と評価いただいたことが反映されたものと受けとめております。

 現在、民間事業者が持つ企画力・宣伝力を有効に活用したシティプロモーションの展開に力を入れており、昨年は、阪急伊丹駅や梅田駅周辺での大型ポスターの掲出をはじめ、列車内や新聞紙上に宣伝広告を行うなど伊丹の魅力を広く発信しました。本年は、阪急電車伊丹線全車両のつり革等に広告を掲示し、安全・安心なまちづくりを目指した取り組みの周知を図っております。

 引き続き現状に満足することなく、様々な視点から伊丹の魅力を具体的にご紹介し、より多くの方に興味関心を持っていただけるよう、分かりやすく効果的なシティプロモーションを展開してまいります。

 これからも新たな伊丹の魅力となる施策を推進し、選ばれるまちづくりの実現による定住人口の増加を目指します。

(2)ともにつくるまちづくり

「市民が図書館サービスに自ら積極的に関わっている」

 昨年、ことば蔵が「図書館日本一」の栄誉を頂いた選考理由です。

 まさに本市の誇る活発な市民活動を高く評価していただいた言葉であり、市民の皆さまが自らまちづくりに参加し、担い手として活動することで築き上げた市民自治の賜物であると考えております。

 また、昆陽池公園等の環境の保全や再生においては、市民団体をはじめ児童生徒や民間事業者に参加いただき、企画から事業実施、進行管理に至るまでを協働で行った結果、昨年は、民間シンクタンクが作成した「生物多様性保全の取り組みに優れた自治体ランキング」で全国1位という高い評価をいただくことができました。多様な主体に参加いただく仕組みを整え、活動の範囲が広がるような取り組みが結実したものと受けとめています。

 人口減少時代において公共サービスの提供を維持し、活力ある地域社会を形成するためには、市民の皆さまのまちづくりへの参加意欲が高まる環境を整備することが重要です。

 今後も、地域の皆さまが自立した活動を行い、地域課題の解決に主体的に取り組む社会の実現を目指し、地域自治組織の制度化を推進し基盤強化を図るなど様々な方策を用いて、市民の皆さまとの参画と協働による、ともにつくるまちづくりを進めてまいります。

(3)未来へつなげるまちづくり

「阪神・淡路大震災以前の水準まで回復」

 私が市政をお預かりした平成17年度には市の貯金にあたる財政調整基金は約23億円と非常に厳しい財政状況でしたが、事務事業の不断の見直しと積極的な財源確保に努めた結果、平成27年度には震災以前の水準となる70億円台まで回復することができました。

 しかし、決して油断はできません。日本が直面している少子高齢化や生産年齢人口減少などによって地方自治体の財政状況は益々厳しくなることが予測されます。本市も例外ではなく、特に本格的な公共施設の更新時期を迎え、維持管理経費の増大は避けて通れない課題です。現在、本市では、全国に先駆けて公共施設マネジメント条例に総量規制を盛り込み、計画的な整備や更新等に取り組んでおり、次の世代に魅力ある公共施設を引き継ぐため、施設の統廃合等に向けた具体的な検討を進めてまいります。

 また、新たな施策の実施にはその裏づけとなる財源が欠かせません。時代の変化に対応した事務事業の見直しや、社会状況の変化を踏まえ、今日的な観点から資産の活用方法を見直すなど、施策推進の礎となる健全な行財政運営を貫徹し、未来へつなげるまちづくりを進めてまいります。

4年間の重点施策

 私はこの度の市長選挙出馬にあたり、市民の皆さまと共にまちづくりを進めるため、5つの重点施策をマニフェストに掲げ取り組むことをお約束しました。これからの4年間でお約束した重点施策が実現できるよう着実に取り組みを進めてまいります。

(1)幼児教育の無償化

 重点施策のまず1つめは、幼児教育の段階的無償化による幼児教育の充実です。

 私はこの12年間に、ことば科の創設や読書指導員の配置、中学校給食の実施、耐震補強事業をはじめとする教育施設の整備など「まちづくりは人づくりから」との信念にもとづき、学校教育の充実を図ってまいりました。

 次は「未来への投資」として幼児教育の充実に取り組みます。

 幼児期という人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期に、心豊かでたくましく生きる力を身に付けることができるよう、全ての幼児に対して質の高い教育を提供してまいります。

 幼児期から質の高い教育を提供することで、その後の学力や所得の向上がみられるといった海外における統計的な調査結果も報告されています。人材への投資は活力ある社会を維持するため、まずは国において行うべきものと考えます。しかしながら、わが国の幼児教育機関に対する総支出額のGDP比は、経済協力開発機構(OECD)加盟国(34カ国)の平均を大きく下回る状況です。

 幼児は自らの教育環境を選択することはできません。そこで私は、すべての子どもが質の高い幼児教育を受けられる環境を整備することが急務と考え、国に先駆けて幼児教育の段階的無償化を計画的に進めてまいります。

 その第一歩として、本年5月10日、市長部局に幼児教育無償化推進班を置き、教育委員会では幼児教育施策推進班が設置されました。併せて、教育委員会と一体となって施策の基本方針の総合調整を行う場として、私が本部長を務める「伊丹市幼児教育推進本部」を立ち上げました。今後、幼児教育の理念などを定めた(仮称)幼児教育推進条例の制定を検討してまいります。さらに教育委員会と教育政策の方向性を共有する中で、公立幼稚園をはじめとする就学前施設を適正な規模や配置に再編し、幼児教育の充実を図るとともに必要な財源の確保を目指すなど、施策の実現に向けて着実に取り組んでまいります。

 子どもは家庭にとってかけがえのない大切な存在であり、社会にとっても未来に向けての宝です。将来の伊丹のまちづくりを担う子ども達を育てるため、教育施策と子育て支援施策を推進してまいります。若い世代が伊丹の教育や子育て施策に魅力を感じて移り住んでいただき、定住していただけるよう取り組みを進め、伊丹創生総合戦略に掲げた人口20万人都市を目指してまいります。

(2)こども医療費助成対象の拡大

 重点施策の2つめは、こども医療費助成対象の拡大による子育て支援の充実です。

 「未来への投資」として、幼児教育の無償化とともに子育て支援の充実を図ってまいります。

 安心して子どもを産み育てることができ、子どもが健やかに育つ環境を構築するため、こども医療費助成の対象を拡大してまいります。

 核家族化の進行や共働き家庭、ひとり親家庭の増加、雇用状況や経済状況など、子どもや子育てを取り巻く環境が大きく変化する中で、近隣市の動向や本市の財政状況を勘案しながら制度設計を進めてまいります。

 こども医療費助成対象の拡大と幼児教育の段階的無償化によって子育て世代の希望がかなう環境を整備し、未来を担う人が育つまちづくりを進めてまいります。

(3)高齢者市バス無料パス

 重点施策の3つめは、健やかに暮らせるよう高齢者市バス無料パスの継続です。

「高齢になってからもしっかり体を動かしていました。」

 昨年8月に長寿のお祝いをお届けした折に、市内最高齢の方からお聞きした長寿と健康の秘訣です。

 100歳を超えても溌剌(はつらつ)と暮らしておられる姿をみて、私は元気を頂くことができました。

 ご高齢になられた市民の皆さまにいつまでも健康で元気に暮らしていただき、まちに出掛けて毎日の生活を楽しんでいただくためには手軽に移動できる交通手段が欠かせません。

 市バスは、高齢者が日常生活において社会・経済活動へ参加するための交通手段として果たす役割が大きく、今後もその役割が期待されています。

 また、昨年の市民意識調査において、伊丹に住み続けたい理由をお尋ねしたところ、第2位に「交通の利便性」との回答をいただいたように、市バスは本市の貴重な資源と受けとめております。

 高齢者市バス無料パスを継続し、市民の皆さまが生涯にわたっていきいきと暮らしていくことができるように、高齢者にやさしいまちづくりを進めてまいります。

(4)高度医療・救急体制

 重点施策の4つめは、高度医療・救急体制の整備による、医療の充実です。

 私はこれまで、市立伊丹病院が本市の基幹病院として地域医療の中心的役割を果たし、安全で良質な医療を提供することで、市民の皆さまに安心して暮らしていただけるよう、地域医療体制の整備に全力を挙げて取り組んでまいりました。

 市長に就任した当時は、医師数の減少により、診療体制の縮小や夜間救急患者の受け入れ抑制等が生じておりました。私は医師確保に奔走するとともに、医療体制の充実や医局棟増築など医師にとって働きがいのある職場環境を整備してまいりました。その結果、医師数を平成19年度の69人から、今年度は132人まで増員することができました。

 また、安定的な医療体制を継続するための公立病院ネットワーク化の一環として、一昨年、一時中止しておりました分娩を再開するにあたり、宝塚市立病院産婦人科と連携し、関係大学医局の支援を得て地域の周産期医療の需要に対応できる体制を整えてまいりました。

 今後も、昨年度末に策定しました「市立伊丹病院改革プラン」にもとづき、急性期医療や救急医療の充実をはじめ、がん診療や消化器系疾患、呼吸器系疾患における医療体制についても市民の皆さまの期待に応えるべく機能強化を図ってまいります。

 さらに、市民の皆さまが住み慣れた地域で安心して暮らし続けていただけるよう、地域完結型医療体制の構築を目指し関係機関と連携し取り組みを進めてまいります。

(5)伊丹空港の国際化

 重点施策の5つめは、伊丹空港の国際化による、空港のさらなる有効活用の推進です。

 伊丹空港を世界の玄関口とするため、国際線就航を目指します。

 今から11年前に神戸空港が開港し、関西は3空港の時代を迎えました。当時、伊丹空港は国、関西国際空港は国が株式を保有する関西国際空港株式会社、神戸空港は神戸市とそれぞれ運営主体が異なっていましたが、平成24年に伊丹空港と関西国際空港が経営統合され、昨年からは関西エアポート株式会社による2空港の一体運営へと推移してまいりました。そして神戸空港が来春の民営化を目指してコンセッションを進めており、3空港の一体運営がいよいよ目前に迫ってまいりました。

 私は、本市の地域経済の発展のみならず、関西全体の経済の底上げや、国内外の空港利用者の利便性向上を図るためにも、安全と環境の確保を前提とした上で、航空規制の緩和により伊丹空港をさらに利活用すべきであると確信しております。

 伊丹空港への国際線就航を実現させることは私の長年の願いであります。平成32年、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに国際線を就航させ、伊丹空港のさらなる利便性をアピールし、国内外と伊丹との交流人口が増加するよう、空港を起点とした魅力の発信につなげたいと考えています。

 伊丹空港を取り巻く環境は、大きく変わってまいりました。この絶好の機会を逸することなく、国や県、関係団体へ積極的に働きかけてまいります。

補正予算案の編成方針

 以上、今後4年間の市政運営の基本方針と重点施策について申し述べましたが、続きまして、平成29年度各会計予算における補正予算案を中心に、主要な事業について、マニフェストに掲げた6つの施策目標の体系に沿ってご説明申し上げます。

 今回の補正予算案につきましては、マニフェストに掲げた事業のうち早期に着手が可能なものや、市民の皆さまからご要望いただいた事業などを中心に取り組むこととしており、その財源につきましては、骨格的予算として編成しました平成29年度当初予算で計上した予備費に加え、市長選挙が無投票となったことで生じた財源や基金等を活用し編成しました。

(1)学校教育の充実と子育て支援の推進

 施策目標の1つめは、学校教育の充実と子育て支援の推進です。

 幼稚園、保育所、認定こども園など施設の種類や公私立の区分にかかわらず、共通の教育理念のもとで質の高い幼児教育を提供できるよう「伊丹市幼児教育ビジョン」等を策定してまいります。また、これらの幼児教育充実に向けた取り組みや、幼児教育の段階的無償化に関するリーフレットを作成し、市民の皆さまへ説明してまいります。

 グローバル化を見据えた英語教育を推進するため、小学校へ派遣する外国語指導助手を増員いたします。

 妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を実施するため、子育て支援センターに子育てコンシェルジュを配置いたします。

(2)地域医療の整備と安心できる福祉の実現

 施策目標の2つめは、地域医療の整備と安心できる福祉の実現です。

 市立伊丹病院のさらなる機能強化を図るため、高画質・高精細のMRI画像診断装置の増設に加え、脳腫瘍の治療に用いる定位放射線治療システム、不整脈の心房細動の治療用医療機器を整備いたします。また、市立伊丹病院の中長期的なあり方について検討を進めてまいります。

 介護人材の確保策として、求職者と事業者を結びつける介護コンシェルジュを配置するとともに、介護福祉士等の資格取得を支援してまいります。

 手話言語条例の制定に向け、手話を使われる方や有識者等から成るワーキング会議を開催し、条例内容の検討を進めてまいります。

 こどもの居場所づくりにつきましては、「さくらっこ」食堂で実施している学習会の開催日数を増やすとともに、新たなこども食堂等の開設を支援してまいります。

(3)地域産業の振興とにぎわいあるまちづくりの推進

 施策目標の3つめは、地域産業の振興とにぎわいあるまちづくりの推進です。

 伊丹スカイパークに公衆無線LAN(Wi-Fi)環境を整備しインバウンド対応の充実を目指すほか、阪急伊丹駅前総合案内板のデジタルサイネージ化や、多言語案内板の設置など、来街者に対する情報発信を強化いたします。さらに、なぎなたをモチーフとした映画とのタイアップや、不動産事業者との連携など様々な手法を用いて、本市の魅力を広く発信するシティプロモーションを展開してまいります。

 産業振興策では、企業立地支援制度の補助対象要件の緩和とともに支援メニューを拡充して、企業立地や雇用創出を促進してまいります。

 都市農業の振興を図るため、農業者の皆さまとともに「人・農地プラン」を策定いたします。また農業者との協働により、農業の効率化や省力化が期待されるIoTの活用について効果検証を行ってまいります。

(4)防災・防犯のさらなる充実

 施策目標の4つめは、「防災・防犯」のさらなる充実です。

 災害時の来庁者等の安全確保と庁舎機能の早期復旧を図るため、新庁舎整備に向けた調査研究を行うとともに基本計画を策定してまいります。

 また、避難所での生活用水を確保するため、小学校に続き中学校と市立伊丹高等学校に避難所井戸を設置してまいります。

(5)環境政策や都市環境整備の推進

 施策目標の5つめは、環境政策や都市環境整備の推進です。

 安全で快適に通行できる道路空間を確保するため、転落防止柵の設置や中心市街地等の歩道補修工事を行ってまいります。

 阪急伊丹駅東側の放置自転車対策として、路上駐輪施設を民間事業者と協働して整備してまいります。

 地球温暖化対策の一環として、今年度内の公園灯LED化率100%を目指すとともに、学校体育館の照明灯LED化を推進してまいります。

 野良猫や地域猫の不妊・去勢手術費用の助成を通じ、地域猫活動を支援することで環境美化を推進してまいります。

 瑞ケ池公園「猪名の笹原モデル園」の市民との協働による維持管理を進めるとともに講演会を開催するなど、生物多様性保全や再生の取り組みを広げてまいります。

 伊丹市下水道事業経営戦略にもとづき、老朽化した汚水管渠の計画的な改築工事を行ってまいります。

(6)参画と協働、行財政改革の推進

 施策目標の6つめは、参画と協働、行財政改革の推進です。

 誰もが自分らしく暮らすことのできる共生社会の実現に向け、セクシュアルマイノリティの相談窓口を設けるとともに、性の多様性の理解が深まるよう市民啓発を図ってまいります。

 伊丹市公共施設再配置基本計画にもとづき、市が保有する施設の総延床面積を平成42年度(2030年度)までに10%以上削減することを目指し、公共施設の再配置を計画的に進めてまいります。

 公共施設等のネーミングライツ事業を推進するとともに、モーターボート競走事業において広域発売に努めるなど、収益の確保に取り組んでまいります。

予算概要

 ご説明しましたこれらの主要施策を盛り込んだ、平成29年度6月補正予算案の規模は、一般会計で3億7,672万4千円となっております。

 公営企業会計につきましては、病院事業会計において、機能の強化を図るための医療機器購入経費を、下水道事業会計おいて、汚水管渠の長寿命化工事に係る経費を、それぞれ措置し、2会計総額4億8,329万9千円を計上しています。

 以上、今後4年間の市政運営における基本的な考え方と、平成29年度の補正予算案を中心とした主要な事業について申し上げました。

むすび

 本市の名誉市民であり、柿衞文庫の理事・名誉館長として運営にご尽力いただき、発生生物学の分野で国際的に活躍された岡田節人先生が、本年1月にご逝去されました。そのご功績に敬意を表します。

 岡田先生は著書「生命科学の現場から」で、「生きもの一個の個体は細胞の集合であるだけではなく、細胞からなる社会である」と表現され、「それぞれの細胞は、それぞれに割り当てられた役割と責任をもって分担していて」と述べ、「生物は常に一定の柔軟さをもっているというふうに表現してみたいと思います。」などと記しておられています。(岡田節人「生命科学の現場から」新潮選書)

 本市は19万人を超える市民の集合からなる団体であり、その市民力によって社会が形成されているという点や、市民、議会、行政が相互にパートナーシップを築き、それぞれが果たすべき役割と責任を分担していること、そして社会経済情勢に柔軟に対応し、市民自治の実現を図ろうとすることなどは、岡田先生の述べられた「生物の細胞の社会」と相通じるものがあります。

 私たちは、人口減少や高齢化という、日本がこれまでに経験したことのない厳しい時代を乗り越えて地方創生を実現せねばなりません。

 これからの4年間、市民の皆さまとの参画と協働によるまちづくりを推進し、伊丹のさらなる発展に向け、全力で市政運営に取り組んでまいります。

 議員各位をはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
 

お問い合わせ先
総合政策部 政策室
〒664-8503 伊丹市千僧1-1 (市役所2階)
電話番号072-784-8007 ファクス072-784-8008

「Adobe Reader(Acrobat Reader)」ダウンロード PDFファイルを閲覧するには「Adobe Reader(Acrobat Reader)」が必要です。お持ちでない方は、左記の「Adobe Reader(Acrobat Reader)」ダウンロードボタンをクリックして、ソフトウェアをダウンロードし、インストールしてください。