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平成26年度 施政方針

藤原保幸市長は、平成26年2月26日、平成26年第1回市議会定例会で、平成26年度の施政方針を表明しました。

施政方針は次のとおりです。

目次(もくじ)

国内外の情勢認識

課題認識と市政運営の基本方針

政策力と実行力を駆使した施策や事業の展開

  • 市民が主体となったまちづくりの実現
  • 支え合いの心でつくる安全・安心のまちづくり
  • 未来を担う人が育つまち
  • にぎわいと活力にあふれるまち
  • 環境が大切にされ暮らしやすさと調和したまち

平成26年度の取り組みについて

基本目標 市民が主体となったまちづくりの実現

  • 基本方針1 参画と協働による市民自治
  • 基本方針2 多様性を認め合う共生社会
  • 基本方針3 自立的な行財政運営

政策目標1 支え合いの心でつくる安全・安心のまちづくり

  • 施策目標1 安全・安心のまちづくり
  • 施策目標2 健康で安心して暮らせる地域保健・医療
  • 施策目標3 支え合いを基調とした地域福祉

政策目標2 未来を担う人が育つまち

  • 施策目標1 子ども・若者・家庭・地域がともに育ちあう環境づくり
  • 施策目標2 子どもの生きる力を育む魅力ある学校教育
  • 施策目標3 ライフステージごとに学び活躍する人づくり

政策目標3 にぎわいと活力にあふれるまち

  • 施策目標1 個性とにぎわいあるまちづくり
  • 施策目標2 活力ある地域産業の振興と創出
  • 施策目標3 空港を活かしたまちづくり

政策目標4 環境が大切にされ暮らしやすさと調和したまち

  • 施策目標1 環境適合型社会の実現
  • 施策目標2 水とみどりの豊かな自然環境の創出と再生
  • 施策目標3 良質な都市空間の整備

予算概要

むすび


平成26年度各会計予算をはじめ、各議案を提案するにあたり、市政運営の基本方針並びに平成26年度予算案の諸事業について、所信の一端と施策の大綱を申し上げます。 

 

「夢と魅力があふれるまち伊丹」の実現

昨年4月の市長選挙におきまして、市民の皆さまよりご信任をいただき、この1年、全身全霊を傾け、市政運営に取り組んでまいりました。まちづくりのかじ取り役としての責任と使命を果たすべく、「夢と魅力があふれるまち伊丹」の実現に向け、引き続き、市民の皆さまにお約束した施策や事業を、着実に実行していく決意でございます。

先日閉幕しました、ソチ冬季オリンピック大会におきまして、本市出身の上村愛子選手が、スキー・フリースタイル、女子モーグルに出場し、悲願のメダル獲得とはなりませんでしたが、5大会連続入賞を果たされました。

昨年は、今や活躍の場を世界へと広げ、アメリカ・メジャーリーグの選手となりました、田中将大投手に市民栄誉賞を贈呈いたしました。また、今をときめく若手女優の有村架純さんには、伊丹大使へ就任していただきました。さらに、本年1月からは、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の放送も始まり、有岡城や城主の荒木村重が登場しております。

都市間競争といわれる時代において、このような本市出身の方々の様々な分野での活躍や、歴史や文化を市内外に広くPRすることは、市民の皆さまが住み続けたいと思い、また住むことに誇りと愛着がもてるまちづくりを推進するための、大きな力となっております。

平成26年度は、第5次総合計画の4年目にあたり、これまで取り組んでまいりました施策や計画の達成度を評価し、後期事業実施5カ年計画につなげていく重要な年度であります。そして、総合計画の将来像である「みんなの夢 まちの魅力 ともにつくる 伊丹」の実現に向け、着実かつ力強く前進する、まさに正念場であります。

今後とも、市民の皆さまの負託に応えるため、初心を忘れることなく、全力を傾注していく覚悟でございます。

議員各位をはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

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国内外の情勢認識

さて、2月の政府の月例経済報告によりますと、「世界の景気は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復している」とあります。

また、アメリカの金融緩和縮小による影響、中国やその他の新興国経済の先行き、欧州政府債務問題の今後の展望などがリスク要因として挙げられているものの、その先行きについては、「緩やかな回復が続くことが期待される」とあります。

わが国経済の基調判断につきましても、「景気は、緩やかに回復している」としており、政府の経済政策の効果により、「個人消費は、増加している」「設備投資は、持ち直している」との見方を示しております。特に、物価や雇用情勢につきましては、それぞれ「緩やかに上昇している」「着実に改善している」と上方修正されております。

一方、4月からの消費税率引き上げに伴う対応として、国費5兆5千億円、事業規模18兆6千億円にも上る経済対策がスタートしておりますが、駆け込み需要の反動など、日本経済への影響は、未だ不透明な状況でございます。

今後は、規制緩和などの成長戦略によって「経済の好循環」が広がり、広く市民の皆さまが実感できる景気の回復を期待しております。

 

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課題認識と市政運営の基本方針

このような状況の中、昨年度に続き、平成26年度当初予算を平成25年度補正予算と連動させた、いわゆる「15ヶ月予算」を編成いたしました。

消費税率引き上げに伴い対応する経済対策において、国の補助金や補正予算債などの有利な財源並びに昨年度の経済対策における事業量に応じて交付された地域の元気臨時交付金を活用し、学校施設の大規模改造や防災機能強化などをはじめとする公共施設の保全・改修などを通じて、地域経済の活性化につなげてまいります。

複雑・多様化する行政課題のすべてに対応することは、容易なことではなく、選択と集中により、限られた財源や人的資源を重点的に配分し、取り組んでいかなければなりません。

平成26年度に取り組む行政課題のうち、次に掲げる3点を新たな課題と位置付け、重点事業として実施してまいります。

1点目は、中学校給食の早期実現であります。近年の社会情勢や中学生を取り巻く生活環境の変化、さらに、食育の観点からも、すべての中学生が心身ともに健康で充実した学校生活を送れるよう、早期実現に向け、着実に取り組んでまいります。

2点目は、公共施設の更新問題であります。人口減少社会を迎え、これまでのような経済の高度成長が見込めない状況において、現在の公共施設をそのまま維持することは市の財政運営に大きく影響し、将来世代にも負担となることから、総量削減を含めた、全体最適化に向けて取り組んでまいります。

そして3点目は、総合的かつ戦略的に取り組む交通政策であります。本市における自転車事故の増大や駐輪対策、都市計画道路など望ましい道路整備、また公共交通である市営バスの役割と路線のあり方等について検討し、総合的な施策展開を図ってまいります。

これまで、「未来につなげるまちづくり」に向け、行財政改革の推進や状況に応じて素早く対応できる組織運営、また自ら考え行動できる人材育成などにより、行政課題に柔軟かつ適切に対応してまいりました。

より自立的で持続可能な行財政運営を推進していくため、積極的な財源確保や事務事業の不断の見直しなど、行財政プランに弛まず取り組むとともに、職員の人件費につきましても、本年の人事院勧告を踏まえ、給与構造や水準のあり方を検討してまいります。

また、市民の皆さまに信頼される市政運営に向け、専任理事を配置して、職員の規範意識の向上を図るとともに、組織機能の強化と施策・事務事業の適正管理を行い、公正な職務の執行と市政の透明化を推進いたします。

 

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政策力と実行力を駆使した施策や事業の展開

昨年実施しました市民意識調査におきまして、本市の住みやすさを問う設問について、「非常に住みやすい」「住みやすい」と答えた人が、83.7%と、前回調査しました平成20年に比べまして、約10ポイント上昇いたしました。また、定住志向を問う設問に「住み続けたい」と答えた人は、83.3%と、近隣市に比べて高い結果が出ており、全国的な人口減少の時代にあって、本市の人口は、未だ微増傾向にあります。

私は、市政をお預かりして以来、「安全・安心」「人づくり」を施策の柱と位置付け、市民の皆さまが安全で安心して幸せに暮らし、住むことに誇りと愛着がもてるまちづくりに全力を注いでまいりました。このことが、市民の皆さまに評価いただけたものであるとすれば、大変うれしく思います。

平成26年度は、全職員の持てる力を結集して、「夢と魅力があふれるまち伊丹」の実現を目指し、引き続き総合計画の体系に沿った、5つの視点で施策や事業を展開してまいります。

まず、1つ目の視点といたしまして、総合計画の基本目標である「市民が主体となったまちづくりの実現」でございます。

地域のことは地域で考え、自ら解決する、自主・自律的なまちづくりを進めるための具体的な取り組みといたしまして、今年度は「地域提案制度」に着手いたしました。

平成26年度は、さらに、市民活動団体等と市が協働して公益的な事業を行う「公募型協働事業提案制度」に取り組んでまいります。

また、社会情勢の変化に対応したまちづくりを推進するため、市民会議の開催など市民の参画により、「伊丹市まちづくり基本条例」の見直しを進めてまいります。

新たな行政需要や課題に対応し、持続可能な財政基盤の確立と効率的・効果的な行政経営を行うため、これまでの行財政プランの理念や基本方針を踏襲しつつ、後期事業実施5カ年計画を見据えた、次期行財政プランの策定に着手いたします。

公共施設の更新問題でございますが、公共施設全体の状況把握や最適な配置が必要であることから、国より、「公共施設等総合管理計画」の策定を近く要請すると通知を受けております。また、計画策定に対する財政的支援として特別交付税措置や、計画に基づいた公共施設等の解体に要する費用へ地方債の発行が認められる予定であります。

本市では、すでに平成23年度において「公共施設白書」を作成し、今年度には「公共施設マネジメント基本方針」を策定するなど、公共施設の更新問題に対し、先駆的に取り組んでまいりました。

平成26年度は、総合政策部に新たに「施設マネジメント課」を設置し、基本方針に基づいた再配置計画の策定に向け、取り組んでまいります。また、公共施設マネジメントの着実な推進と適切なフォローアップを図るため、条例化を検討してまいります。

ふるさと寄附につきましては、これまで多くの皆さまより、多大な寄附をいただき、学校施設の耐震化などに活用してまいりました。また、国際チャーター便の運航など伊丹空港の活性化を応援する寄附もいただいております。こうした寄附者の意向を反映した施策を展開するため、基金の整理・再編を行います。

平成26年度は、税の優遇措置に加えまして、寄附金額に応じて、伊丹の特産である清酒や村重関連商品、また市内事業者のオリジナル商品などを記念品としてお贈りする事業を創設いたします。これによりまして、さらに多くの方々に伊丹を愛し、応援していただくとともに、伊丹ブランドの全国的な周知に努めてまいります。

2つ目の視点といたしまして、総合計画の政策目標の1つである「支え合いの心でつくる安全・安心のまち」でございます。

私はこれまで、「安全・安心のまちづくり」を市政の一丁目一番地と位置付け、危機管理体制の充実を図るべく、組織の再編や防災センターの整備などを進めてまいりました。

来年は、未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災から20年という節目を迎えます。震災の経験と教訓を風化させることなく、市民の皆さまの防災意識の啓発などに取り組んでまいります。

健康は、誰もが豊かな人生を送る上において、最も基本であり、また、生涯にわたり心身ともに健康であることは、誰もが願うところであります。このため私は、「いたみ健康づくり大作戦」の一環として、すべての市民の皆さまが地域の身近な場所で、いつでも気軽に運動やスポーツに取り組むことができる環境づくりを進めてまいりました。昨年暮れには、瑞ケ池公園に関西で最大の設置数となる17基もの健康遊具を設置し、「健康遊具広場」を整備いたしました。

平成26年度は、昆陽池公園や西桑津公園などに健康遊具を設置し、以後、計画的な整備を進めてまいります。

また、高齢者が元気で生きがいを持ち、地域社会で安心して健康に暮らせるよう、身近な場所で手軽に取り組むことができる「いきいき百歳体操」の更なる普及啓発や活動支援を行ってまいります。

障害者福祉センターにつきましては、老朽化に伴う施設の大規模改造と、福祉避難所としての機能を強化するため、耐震化工事を実施いたします。

さらに、平成26年度中に、障害福祉サービスを利用するすべての方のサービス等利用計画書を作成し、安定したサービスが利用できるよう取り組んでまいります。

3つ目の視点は、「未来を担う人が育つまち」でございます。

昨年9月、中学校給食の早期実現に向けた検討を進めるため、市教育委員会に設置された「伊丹市中学校給食導入検討委員会」において、中学校給食についてのアンケートや市民意識調査の結果などを踏まえた5回にわたる審議を経て、本年1月に答申が出されました。

この答申において、完全給食の実施が必要であること、また実施方式はセンター方式により、市内全中学校において、一斉に実施することが望ましい等の提言がなされております。

これを受け、栄養バランスの取れた、温かくおいしい給食の提供、食物アレルギーに対応した、安全で安心できる給食の実施等を基本方針に、中学校給食の導入に向けた「伊丹市中学校給食基本計画」を策定いたしました。

平成26年度は、公設卸売市場(こうせつおろしうりしじょう)用地の一部を活用し、給食センターの整備に向けた基本設計及び実施設計を行い、平成28年9月を目標に、市内全中学校が同時に給食を実施できるよう取り組んでまいります。

また、子どもたちが安全に、安心して学べ、快適に過ごせる教育環境の整備にも努めてまいりました。市立学校の耐震化につきましては、平成23年度に100%を達成し、市立幼稚園につきましても、昨年夏に、すべての施設の耐震化が完了いたしました。

引き続き、国の経済対策に伴う補正予算などを最大限活用し、整備計画を前倒して、老朽化した施設の大規模改造や空調設備の更新、またプールの改築や災害時に子どもたちの安全を確保する防災機能強化などに取り組んでまいります。

子育て支援事業につきましては、昨年4月1日現在で33名の保育所待機児童が生じている状況を踏まえ、7月に新たな専従組織を設置し、私立保育所の誘致や開設支援を行い、早期の解消に向け取り組んでまいりました。

その結果、平成26年度は、私立保育所が2ヶ所、新たに開設予定となっております。

しかし、保育所の開設による定員の拡大以上に保育ニーズが高く、本年4月1日時点においても、待機児童の解消が見込めないことから、引き続き、保育所の開設支援などを行い、待機児童の解消に努めてまいります。

また、保育所施設の整備と併せ、保育士の確保や離職防止を目的とした、処遇改善にも取り組んでまいります。

伊丹市次世代育成支援行動計画、いわゆる「愛あいプラン」後期計画に定められた、発達支援システムの構築を具現化するものとして、市役所南館敷地に(仮称)伊丹市立児童発達支援センターを整備いたします。たんぽぽ、カルミア、きぼう園、つつじ学園を同センターに集約し、発達に支援を要する子どもや保護者に対して、総合的かつ一貫した支援を実施してまいります。

4つ目の視点は、「にぎわいと活力にあふれるまち」でございます。

私はこれまで、安全・環境対策には万全を期すことを前提に、伊丹空港の有効活用に向け、兵庫県や周辺各市と協力・連携を図りながら、国や新関西国際空港株式会社へ働きかけてまいりました。

その結果、この夏には札幌・那覇便の増便や女満別便の再開など、伊丹空港を発着する国内長距離便の増便が実現し、これまでに4度、国際チャーター便が飛び立ちました。

伊丹空港と関西国際空港の運営権の売却、いわゆるコンセッションを控え、安全・環境対策には万全を期すことはもとより、更なる国内長距離便の増便や国際便の規制緩和を関係機関等へ働きかけてまいります。

伊丹らしい魅力あるイベントの開催支援や特産品を使った商品開発などに取り組むとともに、昨年10月、「清酒発祥の地伊丹の清酒の普及の促進に関する条例」が施行されたことや、また本年は、現存する日本最古の酒蔵である「旧岡田家住宅」の築340年であることと併せ、「清酒発祥の地伊丹」の酒文化を全国に発信してまいります。

先にも述べましたが、現在、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が放送中であり、有岡城主の荒木村重が登場し、伊丹が舞台となっております。本市ではこのドラマの放送に合わせ、「いたみ官兵衛プロジェクト」として、様々なイベントや本市特産の清酒、抹茶を使ったお菓子などの関連商品を通じまして、本市の歴史や文化を市内外に広くPRしております。

今後も、これら伊丹の魅力を市内外に積極的に発信し、住むことに誇りと愛着がもてるまちづくりを進めてまいります。

市内における企業活動といたしましては、かねてから報道されておりますように、東洋ゴム工業株式会社の本社が、来年夏頃に市内へ移転する予定であり、地域経済活性化の明るい話題として、大いに期待するところであります。

平成26年度は、伊丹市企業立地支援条例に基づく企業立地計画の認定など、本社移転が円滑に進むよう支援してまいります。

5つ目の視点は、「環境が大切にされ暮らしやすさと調和したまち」でございます。

本市において失われつつある身近な自然を取り戻し、生態系や自然環境の回復を図り、それを貴重な財産として次世代に引き継ぐため、「生物多様性いたみ戦略」を策定いたしました。

特に、生物多様性いたみ戦略推進をアピールする事業といたしまして、「カワセミ営巣ブロック」と「猪名の笹原モデル園」の整備に取り組んでまいります。

次に本市の道路交通環境についてでありますが、本市は地形が比較的平坦であること、また市域面積も約25平方キロメートルとコンパクトであることから、市内における移動手段として、多くの方が自転車を利用されております。

一方、平成25年中に発生した交通人身事故のうち、自転車関連事故の割合が全国に比べて高いことや、中心市街地における放置自転車対策など、本市における自転車利用に関する問題は看過できないものとなっております。

また、都市計画道路をはじめとする道路網につきましては、概ね整備が完了している状況にあります。未整備となっている路線につきましては、少子高齢化が進行し、人口や交通量の減少が見込まれる社会情勢を見通して、整備のあり方を再検討してまいります。

市営バスにつきましては、JR伊丹駅や阪急伊丹駅を中心に、市全域にバス路線が張り巡らされており、市内における重要な交通手段として、市民の皆さまにご利用いただいております。

しかし今後の見通しとして、利用者の減少などにより収益確保が困難となることが懸念されており、安定的な経営基盤を築く上において、人件費のあり方や路線再編などの課題を整理する必要があります。

以上のように、本市の交通を取り巻く諸課題が多様化し、顕在化していることから、本市の将来を見据えた望ましい総合交通ネットワークを構築するため、平成27年度を目標に、「総合交通計画」を策定いたします。

また、これまでの「都市基盤部」を「都市交通部」に改め、庁内の交通政策担当を一元化し、関連する部局と連携を図りながら、総合的かつ戦略的に施策を推進してまいります。

以上、市政運営に取り組む基本方針と今後、重点的に取り組む施策や事業について申し述べましたが、これに加えまして、第5次総合計画の体系に沿って、平成26年度のその他の主要な事業と予算の概要をご説明申し上げます。

 

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平成26年度の取り組みについて

基本目標 市民が主体となったまちづくりの実現

はじめに、「基本目標 市民が主体となったまちづくりの実現」の「基本方針1 参画と協働による市民自治」であります。

地域からの提案により地域の課題等を解決する「地域提案制度」につきましては、公園への健康遊具の設置やごみステーションの改修などを新たな項目として追加し、拡充して実施します。

神津こども園の隣接用地を活用し、支所機能や住民交流などの機能を集約した、神津地区における新たな拠点施設を整備するため、設計に取り組みます。

 

続きまして、「基本方針2 多様性を認め合う共生社会」であります。

人権尊重のまちづくりにつきましては、「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」に基づき、市民の皆さまの参画と協働による啓発活動に取り組みます。

配偶者等からの暴力対策、いわゆるDV対策につきましては、より適切に対応するため、「伊丹市配偶者等からの暴力対策基本計画」の見直しを行います。

 

続きまして、「基本方針3 自立的な行財政運営」であります。

昨年7月に発生した宝塚市役所での放火事件を教訓に、自動火災報知機の増設や更新、防火シャッターの改修など庁舎の防火対策を強化します。また、犯罪を未然に防止し、来庁者などの安全を確保するため、本庁舎出入り口に防犯カメラを設置します。

市政への関心や施策の満足度など、広く市政全般に関する市民意識調査を実施し、政策的な課題を把握して効果検証を行い、政策形成に反映してまいります。また、文化施策や消費生活、交通施策に関する調査も併せて行い、市民ニーズを的確に反映した市政運営を進めてまいります。

地方公営企業へと移行するモーターボート競走事業につきましては、最高峰のグレードレースである「SG総理大臣杯競走」を開催して収益を確保し、市財政への貢献を目指します。

 

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政策目標1 支え合いの心でつくる安全・安心のまち

続いて、「政策目標1 支え合いの心でつくる安全・安心のまち」の「施策目標1 安全・安心のまちづくり」であります。

地域における防災活動のリーダーを育成し、地域防災力の向上を図るため、自主防災組織等より推薦された方が、防災士の資格を取得するために必要な経費を助成します。

昨年、相次いで発生した、屋内プールにおける天井板等の脱落事故を受け、国の通知に基づき、市庁舎の議場や文化施設のホールなど、公共建築物における大規模空間の吊り天井の安全性を点検します。

市内の一定規模を有する屋内避難所58箇所に、災害時でも優先的に使用可能な特設公衆電話を設置します。

救急現場において、リアルタイムな医療情報を入手するため、すべての救急車にタブレット型端末を配備し、より的確で迅速な救急搬送に努めます。

多様化、深刻化する消費者トラブルに対応するため、今後も相談員のレベルアップや相談体制の充実に努めるとともに、被害を未然に防止するための啓発活動に引き続き取り組みます。

続きまして、「施策目標2 健康で安心して暮らせる地域保健・医療」であります。

子宮頸がんや乳がんは、早期発見・早期治療で治る確率が高く、早期発見には、がん検診を受けることが有効であるため、対象となる方へ無料クーポンを配布して受診勧奨を行います。

国民健康保険事業につきましては、特定健診の受診結果をもとに、糖尿病の重症化が予測される方を対象に、保健師や栄養士による食習慣の見直しなど、保健指導を実施します。

また、市立伊丹病院の産婦人科につきましては、阪神北圏域における周産期医療の動向及び近隣病院の分娩休止の状況を踏まえ、近隣病院との協力・連携を視野に入れ、診療の再開に向けた関連大学との協議を進めてまいります。

 

続きまして、「施策目標3 支え合いを基調とした地域福祉」であります。

生活保護受給世帯のうち、小中学生や高校生の学習や生活などに支援が必要な世帯に対して、適切な支援や助言などを行う修学支援員を派遣します。

消費税率の引き上げが、所得の低い方々や子育て世帯に与える影響を緩和するための、臨時福祉給付金や子育て世帯臨時特例給付金につきましては、早期に支給できるよう努めます。

認知症へのケアは、地域社会における継続的な生活支援が必要であることから、医療や介護、福祉などに関わる様々な職種が、必要な情報を共有し、相互の役割や機能を発揮するよう多職種協働研修を実施します。

視覚障がい者の歩行に対する不安を軽減し、社会参加を促進する訪問型歩行訓練事業につきましては、初めて利用される方の利用料を無料として負担を軽減し、利用しやすいサービスを目指します。

障がい者の就労を支える取り組みとしまして、市役所内に就労の場や機会を提供し、就労意欲や技能の向上を目指す、障害者就労チャレンジ事業を引き続き実施します。

市営駐車場や公共施設の駐車場において、身体障がい者だけでなく、知的障がい者や精神障がい者も減免となるよう、駐車料金の減免制度を改正します。

 

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政策目標2 未来を担う人が育つまち

続いて、「政策目標2 未来を担う人が育つまち」の「施策目標1 子ども・若者・家庭・地域がともに育ちあう環境づくり」であります。

児童虐待防止対策緊急強化事業として、子どもとのコミュニケーションのとり方や自己の感情をコントロールする方法など、保護者が子どもとうまく向き合えるよう、トレーニングを実施します。

耐震化により子どもたちの安全・安心を確保する、荻野保育所の移転・新築事業につきましては、実施設計に取り組みます。

「子ども・子育て支援新制度」の本格実施に向け、今年度に実施したニーズ調査の結果や審議会での議論・答申を踏まえ、「伊丹市子ども・子育て支援事業計画」を策定します。

続きまして、「施策目標2 子どもの生きる力を育む魅力ある学校教育」であります。

児童・生徒の学力向上を目指し、地域の人材や学生ボランティアとの連携により、市内の全小中学校で土曜学習を実施します。

また、総合教育センターホームページの学習プリント配信システムの活用を促進し、家庭における学習習慣の充実を図ります。

さらに、課題に即した研修などを通じて、教職員の資質向上に努めます。

「体力・健康づくり推進プラン」に基づき、「伊丹検定スポーツバッジ認定事業」を小学校でも実施するなど、児童・生徒の体力向上を図ります。

「伊丹市いじめ防止等のための基本的な方針」を策定し、市長部局・教育委員会に附属機関等を設置して、総合的かつ効果的ないじめの防止や早期発見、いじめへの対処に取り組んでまいります。

有岡小学校区での児童数の増加により教室が不足することから、校舎増築のための実施設計を行います。

全日制の市立伊丹高等学校につきましては、老朽化した空調設備の更新を行うとともに、屋根付きの駐輪場を整備し、安全で快適な、魅力ある学校づくりを進めます。

定時制の市立高等学校は、平成26年度末をもって県立阪神昆陽高等学校へ発展的に統合します。定時制の歴史や伝統を後世に伝えるため、市立伊丹高等学校内に顕彰スペースを設置します。

続きまして、「施策目標3 ライフステージごとに学び活躍する人づくり」であります。

推奨する本のプレゼンテーションを競う「ビブリオバトル」や、かつて宮ノ前の地に私設図書館を開設した小林杖吉(じょうきち)氏が発行していた新聞「伊丹公論」の復刊など、ことば蔵交流イベント事業を推進するとともに、蔵書の充実など図書館機能の強化を図ります。

また、ことば蔵の更なる活性化に向け、今後の公共図書館のあり方を示唆する先進的な活動などに授与される「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー」の獲得を目指します。

スポーツに取り組むきっかけづくりとして、リニューアル工事が完了した、いたみ健康づくり大作戦の拠点施設である瑞ケ池公園で「サタデージョギング教室」を開催します。

 

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政策目標3 にぎわいと活力にあふれるまち

続いて、「政策目標3 にぎわいと活力にあふれるまち」の「施策目標1 個性とにぎわいあるまちづくり」であります。

本市の名誉市民であり、伊丹大使でもある、作家の田辺聖子さんの芥川賞受賞50周年を記念し、母校である大阪樟蔭女子大学との図書館連携協定に基づき、ことば蔵においてパネル展示を行います。

「わっしょい!冬の元気まつり」や「伊丹まちなかバル」など、中心市街地での市民や事業者が主体となったイベントへの取り組み支援等を行い、まちの魅力を広く市内外にアピールしてまいります。

いたみホールやアイフォニックホールなど特殊な舞台装置、音響設備を有する文化施設等について、予防保全の観点から計画的な施設改修や設備の更新などを行います。

続きまして、「施策目標2 活力ある地域産業の振興と創出」であります。

商工会議所をはじめ商店連合会などと連携し、商業事業者に対する国の補助制度の活用支援を行います。また、商店街等が実施するイベント・PR事業など商店街の活性化や顧客拡大の取り組みに対する補助制度を継続して実施します。

ウメ輪紋ウイルスによる被害生産農家対策として、ウメ輪紋ウイルス対策貸付資金補給事業や新たな品種栽培に取り組もうとする生産者への専門家による相談・助言など、引き続き営農支援に取り組んでまいります。

身近な地域課題や社会的課題等をビジネスの手法を用いて解決する社会的企業の設立支援として、市民団体や市民の皆さまを対象としたセミナーや事例紹介等を実施します。

 

続きまして、「施策目標3 空港を活かしたまちづくり」であります。

新関西国際空港株式会社と締結する「大阪国際空港周辺場外用地の取扱いに関する覚書」に基づき、返還や買い取りも含めた年次計画を策定し、土地の整理等に取り組みます。

 

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政策目標4 環境が大切にされ暮らしやすさと調和したまち

続いて、「政策目標4 環境が大切にされ暮らしやすさと調和したまち」の「施策目標1 環境適合型社会の実現」であります。

地球温暖化対策の一環として、道路や公園の照明灯を消費電力が少なく寿命の長いLED灯へ、第5次総合計画期間内での100%転換を目指し、着実に取り組んでまいります。

地球環境への配慮や生物多様性の保全など、本市が重点的に取り組む環境施策を取り上げた、広報伊丹「環境特集号」を作成します。

さらに、リーフレットの配布など、ごみの減量化や分別への啓発に取り組みます。

続きまして、「施策目標2 水とみどりの豊かな自然環境の創出と再生」であります。

生物多様性いたみ戦略の具体的な取り組みとして、市民参加型の生き物分布調査や生物多様性普及啓発冊子の作成、動植物に関する知識などの習得を目的とした学習講座などを実施します。

また、伊丹の動植物を身近に感じる環境整備として、天敵から巣を守る「カワセミ営巣ブロック」を昆陽池公園内に設置するとともに、万葉集などの和歌に詠まれ、貴重な植物が含まれる「猪名の笹原モデル園」を公園や公共施設などで再生します。

続きまして、「施策目標3 良質な都市空間の整備」であります。

都市計画道路猪名川左岸線の整備を引き続き進めるとともに、生活道路については、安全で快適な道路空間を確保するため、市道池尻寺本線の一部拡幅などを行います。

また、公安委員会と連携し、時速30キロメートルの速度規制や路側帯、イメージハンプの設置等により、生活道路における歩行者等の安全性を確保する「ゾーン30」の区域設定を進めます。

安全で快適な自転車利用環境を創出するため、市道山田伊丹線、千僧昆陽線及び昆陽池千僧線に自転車レーン等を整備します。

また、自転車関連事故の防止や効果的な駐輪対策に向け、市民や関係団体、学識経験者等を委員とした自転車対策審議会を設置し、自転車の適正利用に繋がる仕組みづくりなど、総合的な自転車施策を取りまとめます。

防犯上また衛生面から、近年問題となっている空き家対策につきましては、市内全域を対象に空き家の実態調査を行い、市民の皆さまの安全と良好な生活環境の保全に努めます。

 

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予算概要

最後に、平成26年度歳入歳出予算案の概要について、ご説明申し上げます。

一般会計の総額は660億円で前年度当初予算と比較いたしますと、32億円、率にして5.1%の増となっております。

これは、国の経済対策における地域の元気臨時交付金を活用した公共施設の保全・改修事業や消費税率引き上げに伴い実施される臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金の給付事業などを措置したことが大きな要因となっております。

歳入の主なものにつきましては、市税収入は税制改正などに伴う影響から、個人市民税の増収を見込んでおり、また法人の業績回復による法人市民税の増収見込と合わせまして、全体では298億1千万円となり、前年度に比べ6億8千万円、率にして2.3%の増となっております。

また、地方消費税交付金につきましては、4月からの消費税率が5%から8%に引き上げられることに伴いまして、18億2千万円となり、前年度に比べ1億2千万円、率にして7.1%の増を見込んでおります。

歳出では、扶助費が前年度に引き続き過去最高額を更新する一方、人件費は退職者数の減少により、前年度に比べ3億9千万円、率にして3.2%の減少となり、歳出に占める割合が17.4%と過去最低水準となりました。

普通建設事業費につきましては、待機児童解消に向けた私立保育所の開設助成や(仮称)伊丹市立児童発達支援センターの整備、その他教育施設等の整備など、子育て支援・人づくりに積極的に予算を措置したことにより、前年度に比べ32.4%増の32億6千万円となりました。

また、補助費等は、消費税率引き上げへの対策等により、前年度に比べ15.6%増の89億円となっております。

特別会計は、12会計総額で361億4千万円となり、前年度当初予算に比べ409億7千万円、率にして53.1%の減少となっております。これは、主に競艇事業特別会計が、地方公営企業法を適用し、公営企業会計に移行したことによるものであります。

特別会計から移行した、モーターボート競走事業会計を含む、6つの公営企業会計の総額は、576億4千万円となり、前年度当初予算に比べ295億4千万円、率にして105.1%の増加となっております。

次に、主な財政指標について申し上げます。

経常収支比率は、市税など、経常一般財源の増加により、95.0%と前年度に比べ1.6ポイント改善しました。実質公債費比率は、企業債の償還等が減少するものの、既発債の償還が増えた結果、8.2%と前年度に比べ0.3ポイントの増加となりますが、良好な比率を堅持しております。また、将来負担比率につきましては、下水道事業債の償還が進むなど、企業債残高の減少により、39.3%と前年度に比べ5.4ポイント改善するものと見込んでおります。

市の貯金であります財政基金残高は、60億3千万円で公営企業への貸付を除いた実質的な残高は、52億2千万円となっております。

こうした指標につきましては、全項目において行財政プランでお示ししている目標値を1年前倒して達成する見込みとなるなど、着実に改善しております。

 

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むすび

以上、第5次総合計画の体系に沿って、平成26年度の市政に対する所信の一端と主な施策の基本的な考え方について申し上げました。これらの施策や事業の推進にあたりましては、市の将来像である「みんなの夢  まちの魅力  ともにつくる  伊丹」の実現という目標をしっかりと見据え、スピード感を持った市政運営に努めてまいります。

黒田官兵衛は晩年、「常に、水のように在りたい」との想いから、自らを「如水(じょすい)」と名乗り、「水五則(みずごそく)」という人生訓を遺したとされております。姿や形を変えながら世界を循環する水の様を、人が一生のうちにめぐり合うであろう場面になぞらえ、いかに行動すべきかを示し、また官兵衛自身の生き様を暗に描いたとも見て取れます。

その「水五則」の一つに、次のような言葉があります。

「一つ、常に己の進路を求めて止まざるは水なり」

探し求めて、流れて向かう方向が定まった。進むべき道が決まったのだから、のんびり、ゆっくりしている暇はない。立ち止まることも、後戻りさえもできない。自分の行くべき道が見えているのなら、ただ、流れにそって進むだけだ、との力強い官兵衛の想いが心に響きます。(晋遊舎ムック歴史探訪シリーズ黒田官兵衛鮮烈な生涯平成25年3月1日発行)

この官兵衛の想いは、まさに今、私が心に想うところであり、この時代の大きな転換期に市政を託された市長として、将来をしっかりと見据え、力強く前進する、まさに正念場であるとの決意も新たに、全力を傾注してまいります。

改めまして、議員各位をはじめ広く市民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

 

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お問い合わせ先
総合政策部 政策室
〒664-8503 伊丹市千僧1-1 (市役所2階)
電話番号072-784-8007 ファクス072-784-8008

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