現在の位置

平成29年度千葉県習志野市・神奈川県鎌倉市

1.視察出張委員
 委員長      戸田 龍起        委員         佐藤 良憲
 副委員長   大津留 求         〃     北原 速男
 委員       林   実         〃     上原 秀樹
  〃     山薗 有理         〃     吉井 健二
  〃     竹村 和人                     
2.視 察 先  千葉県習志野市、神奈川県鎌倉市
3.実 施 日  平成29年8月3日(木)~8月4日(金)
4.調査事項  下記報告のとおり
       


8月3日 13:30~ 千葉県習志野市
<新庁舎整備推進について>

初めに、習志野市議会事務局庶務課 副主査よりあいさつ・市の概要の説明の後、戸田委員長よりお礼のあいさつがなされた。
その後、政策経営部 資産管理室 資産管理課 新庁舎等建設本部 主査から別紙資料に基づき説明がなされ、質疑応答の後、習志野市役所を見学した。
 
<説明の概要>
●庁舎建設決定までの検討経緯について
習志野市の旧本庁舎は、1964年に建築され、老朽化が進むとともに建設当時からの人口増に伴う庁舎の分散化が進んでいた。現在の市庁舎建設地を駐車場として利用していたことから、当該地において、市庁舎や図書館等公共施設を建設する構想(平成5年頃)はあったが、バブル経済の崩壊等経済状況の変化もあり実現するには至らなかった。
その後、平成23年3月11日の東日本大震災により旧本庁舎が被災を受けた。被災当時、職員が退避したこともあり、現在の庁舎では防災拠点施設としての機能が果たせないと判断。新庁舎建設の方針で検討を始めることとなる。
●事業全体のスケジュールについて
平成23年度 事業手法検討協議会(外部有識者)を設置し、事業手法について意見をいただく
平成24年度 新庁舎建設基本構想・基本計画策定
平成25年度 10月~基本設計に着手
事業手法を基本設計先行型デザインビルド方式に決定
平成26年度 7月  入札公告
12月 事業者決定・契約、以降 実施設計に着手
平成27年度 10月 新築工事着手
平成29年度 4月末 庁舎建物完成~移転開始
5月末 移転完了
現在 敷地内旧庁舎の解体工事中
1月末 解体・外構工事完成
●市民、議会の関わり方について
(市民の関わり方)
新庁舎建設の検討を進めるに当たり「みんなでつくる新庁舎」をコンセプトに、基本構想策定段階で、市民委員会を設置。市内16町会からの代表者、公募市民(6名)、学識経験者(5名)、市内公的団体(商工会議所や社会福祉協議会などから5名)の計32名で基本構想案を作成していただき、市長宛に提出いただいた。
基本設計検討段階でも、市民委員会を設置(学識2名、市民4名の6名)。基本構想に沿った内容で進められているかの確認をしていただきながら、基本設計を進めた。
パブリックコメントは、基本構想策定時と基本設計策定時に実施。
(議会の関わり方)
習志野市では、市庁舎のみならず他の公共施設再生計画についても検討されていたことから、市議会において、公共施設調査特別委員会(17名)を設置。市庁舎建設事業の進捗に応じて委員会に報告。基本構想策定時には、「新庁舎建設基本構想策定にあたっての提言」が提出される。
●旧庁舎の問題点と新庁舎に必要とされた機能について
(問題点)
旧庁舎の問題は多々あるが、大きなものとしては、計画時点で築47年経過、老
 朽化が進むとともに業務量の増加による狭隘化、分散化が進んだことから市民、職員の利便性、効率化を阻害していた。(庁舎分散化による職員の移動コスト=年間約5千万円との調査結果)
また、東日本大震災を経験し、防災拠点施設としての役割を果たせなかった点も
 大きな問題点。
(必要とされた機能)
検討の経緯では、窓口・待合空間機能、執務機能、防災機能、議会機能、市民交流機能、環境対策機能に分け、それぞれ必要な機能を検討し計画に取り入れた。また、基本構想策定時の市民意見では、市民が使える会議室(スペース)や、憩空間を求める声が多かったのでその点には配慮した。
●執務室等のレイアウトで工夫された点について
習志野市庁舎建物の大きな特徴としては、傾斜地に計画したことからメイン入り口が2つ(GF階と1階)あること。
来庁舎の8割が市民窓口(各種証明や国保等)と健康福祉関係であることから、駅から近い入り口のGF階に窓口部門(市民課、国保年金課、資産税課等)を集約し、駐車場から直接入ることができる位置に、健康福祉部各課を配置した。また来庁舎の庁内の移動負担軽減のため、2階には教育委員会とこども部を配置するなど関係部(課)をなるべく近接するよう配慮した。
●庁舎建設事業費用など、財政的な問題について
市庁舎の建設を検討した当初、庁舎建設基金が約10億円しかなかったこと、庁舎建設敷地が約3.5haあり、余剰地が生まれる可能性があることなどから、余剰地活用を含むPFI事業の可能性を調査。一定の財政効果は見込める結果であったが、庁舎整備時の起債基準の緩和、駅前市有地(2334坪)の売却方針、震災復興特別交付税での国からの措置等があるなど、状況が変化したことから、事業手法を基本設計先行型、デザインビルド方式として事業を進めた。
●建て替え工事中の市民サービスに関して工夫された点、苦労された点について
旧本庁舎が被災を受け、京成津田沼駅前の空家であった旧ホテルに移転したことにより、稼動している分散庁舎との距離が長くなってしまった。このため仮庁舎と他庁舎を結ぶシャトルバス(7人乗り)を運行(15分おき)することとした。
●議場(傍聴席等も含む)に関することを決定するプロセスについて
基本設計段階では、旧庁舎での議会関係フロアの面積を参考に策定し市議会へ報告。実施設計段階においても求めに応じ経過報告を行った。新庁舎建設本部、議会事務局、施工会社にて定期的に打ち合わせを行い、議会フロアについての詳細検討を実施した。
●これから新庁舎を建設するに当たり配慮した方がよいと思われることについて
建物の完成時点になって、当事者意識が出てきたのか、あれこれを各課から要望が出てきた。図面だけで判断するのは困難ではあるが、設計段階から職員全員が当事者意識を持って検討することが望ましい。

<質疑応答>
問)免震構造にされた理由は。
答)地震で揺れたとしても市役所を拠点に事務を進めなければならない。耐震構造とした場合、建物は頑丈であるが揺れは激しくなるので、物が倒れるなどにより事務を継続していくことは難しい。免震構造であれば拠点としての役割を果たすことができる程度には揺れを軽減できるので、ほとんどの市町村で免震を採用している。

問)いつ、免震にすることを決定したのか。
答)基本設計時である。

問)PFIを検討した理由は。
答)初期投資がなくても建て替えが可能であることと、民間のノウハウによりかなり建設コストを下げることができると考えられたため。ただ最近、庁舎の建設にPFI手法はあまり使われていない。また、検討しないと国からの交付金が削減されるなど、国の方針として必ずPFI手法を検討しなければならなくなっている。

問)土地活用を考えてPFIを検討したわけではないのか。
答)当初はそのように考えていたが、余った土地を貸すだけであればPFIでなくてもよいことと、土地については災害が起こった際の物資受付など防災拠点として使用することも必要であると考え、PFI手法は採用しなかった。

問)「新庁舎等建設だより」の発行は広報紙として発行したのか。
答)11回発行した。市民にお知らせすべき重要な事柄があった2回については、町内回覧をした。他は公民館などの公共施設に設置したり、HPに掲載したりしている。

問)多機能トイレは何カ所あるのか。
答)各フロア1カ所。福祉フロアは2カ所ある。名称は「だれでもトイレ」としている。

 

 

 


8月4日 10:00~ 神奈川県鎌倉市
<電線類地中化推進について>

初めに、鎌倉市議会山田議長よりあいさつの後、戸田委員長よりお礼のあいさつがなされた。
その後、都市整備部 次長、都市整備部道路課 課長補佐、都市整備部道路課整備担当 より別紙資料に基づく説明と質疑応答がなされた。

<説明の概要>
●電線類地中化事業の背景について
  昭和61年度から国の施策として、主に主要幹線道路の整備が推進されてきたが、その水準は欧米都市と比べ立ち遅れており、今後も整備を推進して行く必要があるとのことから、平成16年国では「無電柱化推進計画」を策定した。(現在は「無電柱化に係るガイドライン」によって無電柱化が進められている)この背景には、「交通バリアフリー法」の施行や「観光立国行動計画」による良好な景観形成の推進があり、道路から電柱・電線をなくすなどの社会ニーズの高まり、歩行空間のバリアフリー化、歴史的町並みの保全、避難路の確保等の都市防災対策、良好な住環境の形成等の観点からより一層強く求められている。
鎌倉市は多数の観光客でにぎわい、中心市街地の商業地は発展してきた。しかし、さらなる商業・観光の活性、深刻な交通渋滞、古都鎌倉の風格が乏しい玄関口などの課題を抱えており、町としての魅力の低下が問題となっていた。 
そこで、平成12年8月古都中心市街地まちづくり構想を取りまとめ、まちづくり交付金を活用し、鎌倉駅周辺を対象区域とした安全安心、バリアフリー、景観に配慮した道路事業やトイレ、公園等の整備を行ってきた。その中で、鶴岡八幡宮への観光客の主要動線である鎌倉市道の電線類の地中化事業により歩行者環境の改善、及び景観に配慮した町並みの形成を図った。
平成17年度に無電柱化推進計画に基づき、無電柱化整備方針を定め、企業等との調整期間を経て、平成19年度に試掘調査を実施、翌20年度には電線類地中化工事に着手し、21年度に延長約70メートル、24年度に延長約530メートルの地中化事業が完成。25年度は舗装の復旧及び景観舗装2345平米を行っており、9月に完了検査を実施し、正式に完了した。この無電柱化に要した費用は総額9億5600万円。その内、交付金対象事業費は事前調査費用、個人のブロック塀の移設費とNTTの既存施設の購入費を除いた9億5300万円となっている。
本事業はまちづくり交付金を活用しているため、対象事業費の40パーセントについて国費を活用した。交付金についてはさまざまなメニューがあるため県・国とよく調整し、進めていく必要がある。小町通上空には通信系のケーブルとして、NTT、KDDI、ケーブルテレビ、東電保安通信など、電力系は東京電力のケーブルが張り巡らされていた。これらのケーブルを通信系と電力系に分けて、地下に収納し、無電柱化を行ったが、小町通は歩道がなく、既にさまざまな管路が埋設されており、新たに電線類を埋設するスペースがないため、既に小町通に埋設されているNTTの既存施設を改造し、通信系のケーブルを収納することで、無電柱化が可能となった。改造して活用するNTTの既存施設は共同溝の本体と一体となり、道路付属物として管理するためNTTから買収している。国を初めとして他の地方公共団体もこの方法により事業を進めている例が数多くある。
小町通は日中多くの観光客が訪れるため、無電柱化の工事はすべて夜間工事で行っている。また、商店街と住宅地が混在しているため、地区ごとに夜間工事の時間帯を変更し、地元への対応を行った。この工事に合わせてヒートアイランド対策につながればいいと考え遮熱性舗装の道路にした。平成18年度に鎌倉市総合計画に7路線について無電柱化の推進を挙げ、5路線を大船駅周辺地区、2路線を鎌倉駅周辺地区に予定し、順次整備を進めることとなっているが、大船駅周辺の4路線については、大船駅東口再開発事業と合わせて進めている。
     
●事業の進め方について
無電柱化整備方針の策定→電線共同溝を整備すべき道路の指定→電気事業者と施工計画や建設負担金などの協議・調整を行い、施工区分や費用負担などの基本協定を締結→設計業務(コンサルへ委託)→地元住民等と調整→工事着手→支障物件移設工事→本体工事→電線入溝工事→路面復旧工事→完成
  
●事業箇所の決め方について
鎌倉市第3次総合計画第2期基本計画に示された7路線から、全国的に有名な観光地であることや景観形成の観点に重点を置き、小町通を優先的に実施した。

●市民(一般/周辺)への説明について
小町通は商店街と住宅地が混在しているため、商店会と町内会の両方に対して説明会等を開催し、合意形成を図った。また、商店会との協議を進める中で商店会から既存舗装タイル及び既存街路灯について問い合わせがあった。工事に伴いそれら施設を撤去するに当たって、それら施設が商店会の財産であるとの主張があったため、調整を重ね、既存施設の所有権放棄と既存施設の代替となる新設施設の管理について、商店会と鎌倉市で協定締結を行い、商店会から理解を得ながら工事着手を実施した。

●地中化による効果について
電線事業者から将来の施工計画を示してもらい、当面は舗装面を掘削しないことを確認して工事着手したことから、将来、舗装面を工事で掘削する回数が減り、近隣住民等への負担が緩和されることが想定できる。

●費用について
電線共同溝工事等の委託費  678.6百万円
支障物件移設等(企業・個人)補償費  196.4百万円
企業既存施設に係る購入費等  2.1百万円
路面復旧等工事費  79.2百万円
このうち、事前調査費用、個人物件移設補償費を除いた953百万円が交付金対象事業費となっている。
電線共同溝へ入溝(ケーブルを収納)する企業者(NTT、東京電力、KDDI等)からは、建設負担金を徴収している。
施工延長70メートル区間:建設負担金  0.6百万円
施工延長530メートル区間:6.5百万円
合計  0.6+6.5=7.1百万円(当時)
財政状況が厳しい中、国からの社会資本整備総合交付金(防災・安全)等を活用し財源確保しながら、事業の優先度を見極め、電線類地中化事業を進めている。
電線類地中化事業を実施するに当たり、低コストの観点及び工事中の交通規制の観点から今後は、浅層埋設や地中化以外による無電柱化(軒下配線方式等)の検討が必要になってくると考えている。


<質疑応答> 
問)既存舗装タイル及び既存街路灯が商店会の財産であるので、その所有権放棄と代替施設の管理について協定を締結したという説明があったが、どういうことか。
答)舗装タイルについては、もともと舗装のグレードアップ部分は商店会が負担していた(約300万円程度)が、地中化工事のために壊さなければならなくなり、なぜ壊すのかという話になった。協議の結果、商店会の所有権を認めた上で撤去し、協定により所有権は放棄してもらっている。
街路灯については、NTTや東京電力が持っていた電柱に商店会が街路灯だけを付けていた。ソフト地中化は、すべてを地中化するわけではないので、市が街路灯を立てて、頭部は商店会がお金を出すという形で、今まで電柱があったところに街路灯を置いた。奥の方は商店会ではなく、住宅地であるので町内会と話をした。(鎌倉市は街路灯が防犯灯の扱いであり、市が補助を出し、町内会で設置するものとなっている)

問)ヒートアイランド対策に遮熱性舗装とした理由は。
答)国からの補助金を獲得するためには、普通のアスファルトでは取れない。少しグレードアップする必要があるので、維持管理にそれほど費用のかからないアスファルト舗装の上に塗って効果の出る遮熱性舗装を選んだ。

問)工事期間中の商店街の営業状況は。
答)工事をするに当たってエリアを区切った。お店を営業しているエリアは23時から4時まで、住宅地では19時から22時までというように調整した。日々埋め戻して工事をしているので、営業には影響はなかったが、500メートル完成させるのに3年かかっている。

問)遮熱性塗装は効果があるとのこと。他にも広げていく計画は。
答)夏は、ひざ下辺りの温度で約10度の差ができるが、今のところ鎌倉市ではこの小町通だけである。交通量が多いと塗料が剥げてしまうなど、費用対効果で考えると難しいところである。

問)どこかで線が切れてしまった場合は、すべて掘り起こさないといけないのか。
答)数十メートルごとにマンホールがあり、そこから人が入ってメンテナンスを行うのが一般的。ケースによっては掘ることもある。

問)どこの線が切れているかすぐわかるのか。また、線が発熱して不具合が起こることはないのか。
答)東京電力や、NTT等で調べることである。他市や電線管理者等へ調査を行ったが、そのような心配はないと聞いている。

問)電線類を地中化することで災害時の復旧に時間がかかるのでは。
答)復旧作業という意味では地下にある方が時間はかかる。ただ、強度のあるものを埋めていることと、地震の場合は地下の方が強いということはある。

問)今後の計画として、具体的なものは。
答)今のところ来年度等の計画はないが、江ノ島が東京オリンピックのセーリング会場になるので鎌倉駅周辺も観光客が増えるのではないかというから、小町通を延長しようという話はある。

問)地中化したい箇所があり、さらに財政的には国から補助金が入ってくるにも関わらず、現在事業を進めていない理由は。
答)補助は最大で事業費の55パーセントであり、全額は出ない。市の持ち出しも多いので、財政的に難しい。

問)電力の自由化が進んでいるが、地中化することで東京電力しか選べないということはないのか。
答)選択の幅が狭まることはあるが、電力事業者間で電線を共同使用する等、融通し合うことで、電力を自由に選ぶことはできると思う。

問)地中化を進めるに当たって、商店会や住民との協議はスムーズに行われたと理解してよいか。
答)地元の方の理解がないと進められない。そういった意味で地元の調整が一番大変である。夜うるさくて寝られないとか、お客様に迷惑がかかるという話が多く、スムーズに進んだということはなかった。

問)商店の方にとっては地中化のメリットがあると思うが、一般住民へはどのようにメリットを説明したのか。
答)鎌倉市民は景観などへの市民意識が高いので、地中化に反対の方は少ないが、水道管やガス管等も地中にあるので、まずそれらをよける作業が必要になり、同じところを5回くらい掘ったり埋めたりすることになる。その間は電気やガス、水道が止まるので、その辺の理解を得るのが難しい。

 


以 上

お問い合わせ先
市議会事務局
〒664-8503 伊丹市千僧1-1(市役所2階)
電話番号072-783-1344 ファクス072-784-8092

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