令和元年度岐阜県多治見市・三重県鈴鹿市

更新日:2021年03月31日

  1. 視察出張委員
     委員長 杉 一 委員 保田 憲司
     副委員長 鈴木久美子 委員 加藤 光博
     委員 安藤なの香 委員 新内竜一郎
     委員 里見 孝枝
  2. 視察都市 岐阜県多治見市・三重県鈴鹿市
  3. 視 察 日 令和元年10月16日(水曜)~17日(木曜)
  4. 調査事項 下記報告のとおり

10月16日 14時~ 岐阜県多治見市

<第7次多治見市総合計画について>

 初めに、多治見市議会副議長より歓迎のあいさつを受けた後、杉委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、多治見市議会議員、多治見市企画防災課 第7次総合計画策定事務局 課長代理、主査から説明がなされた後、質疑応答がなされた。

<多治見市議会の概要>
 議会運営では、議会運営委員会と広報広聴研究会を、常任委員会は、総務、経済建設、厚生環境教育を、特別委員会は、決算、第7次総合計画後期計画策定、本庁舎建設を設置している。現在、議員定数は21名で、今年度4月の統一選挙で24名から変更された。

<多治見市における総合計画の位置付け>
 計画の根拠においては、多治見市市政基本条例にあるように、総合計画の基本構想と基本計画については議会の議決を経て、策定している。市が行う政策は、緊急を要するもの以外は、総合計画に基づかなければならない。緊急を要しないが時勢に応じて政策を変更する場合も、その都度、議会の議決を経ることになっている。議会の議決までには、外部有識者や市民から成る委員会で審議し、パブリックコメントを実施するなど、おおよそ3ヵ月を要している。実際に変更した事例は年2、3件あった。
 総合計画は基本構想と基本計画と実行計画から構成されており、目標は、「2040年までは人口10万人を維持する」ことである。

<総合計画の特徴>
 市民、職員などの多様な市民、市議会の参加により、基本構想と基本計画を策定して
いる。また、これらの多様な市民参加や市議会の積極的な関与をスムーズに進めるため
に、取り組まなければならない課題を統一するために、数値を網羅した「討議課題集」
を作成したことから、効果は得られたと考えている。
 計画期間は前期4年、後期4年の8年で、市長選挙と市議会議員選挙の翌年に策定するスケジュールとなっており、選挙を経て、市民から信託を得たマニフェストをもって総合計画に反映する流れを想定している。仮に、市長が変わり、全く異なる施策を掲げたとしても、翌年までに反映させる仕組みとなっている。

<質疑応答>
(問)第7次総合計画策定に係る議員提案についてどのようにまとめたのか。
(答)出された議員提案を予め執行部に提出して、総合計画における基本構想のどこの政策に掲載しているのかの回答をもらい、掲載していないものについては、総合計画に係る提案とするべきかを議会の中で決めていく。
(問)市民参加と議会参加を「市民の意見」として市政に反映させる仕組みとして考えておられる中で、市民に対して、出された意見の進捗状況をどのようにして発信しているのか。
(答)市民からの意見を反映して作成した討議課題集の配布やホームページで公開することで報告している。また、討議課題集を踏まえて変更した部分を資料にし、ホームページ、フェイスブックなどで公開し、有識者などを交えて話す場を設けている。
(問)討議課題集の配布は主に有識者にされているのか。
(答)そのとおりである。
(問)フェイスブックはいつごろからはじめているのか。
(答)総合計画からではなく、市政全体を市民に知らせる目的として既に開始していた。
(問)8月から9月まで基本構想のパブリックコメントは1通であったが、9月から10月は77通と増えているが、その要因は。
(答)パブリックコメントの増加要因は、市立公民館設立の要望や基本計画事業に関係するパブリックコメントが多かったためである。
(問)人口目標を10万人にすると総合計画にも記載されているが、人口増の方策や他市からの取り込みについてはどう考えているのか。
(答)第7次では人口増のための対策が最重要となっている。人口増の位置づけとして、第7次総合計画の中では、自然増ではなく、社会増を目標として策定した。例えば、東海環状自動車道豊田と多治見市をつなぐ高速道路が開通しているので、そのあたりからの流入を目指したプロモーション化をする。
(問)国の総合戦略と総合計画をどのように合わせていったのか。
(答)前回は、総合計画と総合戦略の策定のタイミングが同じであったため、ほぼ同じ内容で策定でき、進捗管理もできた。次回の令和6年度は、総合戦略は5年間の計画のため、ずれが生じるが総合戦略の内容を総合計画に合わせる形で進めていく。
(問)第7次総合計画で外部評価を行っているが、議会においては総合計画関係を常任委員会に付託し、審査しているのか。
(答)最初の総合計画である平成27年は検証をしていなかったが、その後進捗状況チェックをすることになり、多治見市総合計画の議決事項である実行計画を議会として確認しながら各常任委員会に必要な項目を抽出・検証し、決算委員会で審議している。そこで必要課題があれば、次年度予算策定時には市長宛に今回の検証結果を提出する形で進めている。また、検証後に来年度にどう進めていくかを議会運営委員会でも議論している。
(問)議会で、総合計画の進捗状況をチェックし、来年度予算に反映するためにはどのような方法をとられているのか。
(答)検証後、決算委員会で議論を深め、その後、議員間討議を進め、そこで出てきた意見を各常任委員会でまとめて、最終全体協議会で総合計画に出すべきかを決定している。
(問)実行計画の進捗状況のチェックの中で、執行部への意見書提出は常任委員長が行っているのか。
(答)総合計画策定特別委員会の委員長名で意見書の提出を行っている。
(問)意見書の具体例などはあるのか。
(答)平成25年に、多治見市は「美濃焼を使おう条例」を議員発議で行い、意見書を提出した事例がある。
(問)市民参画において、どういう方法で市民公募を行ったのか。また、どれくらいの人数で議論したのか。
(答)大きな市民参画として、2年に1回行っている市民満足度アンケート調査があり、
市民がどの政策に満足しているのか、どの分野に課題感を持っているのかを諮っている。2,000人に郵送し、大体半分くらいの回答率であった。満足調査アンケートで1番多かったのは車の渋滞問題や交通問題などである。例えば、小学生や中学生対象の子ども会議や高校生の代表4、5人のグループ会議を通じて子ども目線の意見を集めている。審議会や市民委員会を立ち上げる際には、市民を公募で募り、割合でいうと、全体の2割は公募で構成されている。
(問)市民との対話集会の内容は。
(答)これからどうしていこうかということをパワーポイントで説明して、市民と車座になって、各委員の皆さんから意見をいってもらう形でテーマを以って議論している。
(問)有識者の市民との会議は、これまでにどれくらい開催し、期間はどれくらいかかったのか。
(答)総合計画の策定では10回弱、前期計画で9回開催し、期間は一年から半年強であった。
(問)財政計画と整合化し、常にコスト意識を持って効率的効果的な行政運営を行っている中で、財政計画と総合計画を連携する上で良い点と課題点はあるのか。
(答)良い点は、財政計画と連携することで、施策としてできることがクリアになり、進捗状況も把握しやすい。課題点は、次年度にむけて事業評価をする際には、予算編成の時期に間に合わないといった問題があり、事業評価を予算編成に反映させるのに1年ブランクが生じるといった課題がある。
(問)議員1人1提案の中で、全部90あった中で、委員会を経て執行部にあげたものの中にゼロ回答があったが、その後調整して最終的にはまとまったということであったのか。
(答)市立公民館設立の要望などがあげられていたが、議長と副市長が入って執行部の考えと議会の考えを出し合い、話し合いで最終的に調整を行った。
(問)議員間討議などを経て進められてきた中で、議員間で共通認識や注意すべき事などはあったのか。
(答)討議を行っていく中で、議員から出された意見がテーマから外れる場合などもあり討議が進まない時もあった。そのような状況での対応などが重要になってくる。
(問)議員間討議の第3分科会審議結果報告書の中にある「TGK48プロジェクト」とは。また採用されなかった理由は。
(答)「多治見 元気 高齢者」という意味で、元気な高齢者が健康づくりの牽引役として「歌って・踊って・食べて・飲んで」を実行することにより、まちの元気を創出するプロジェクトである。多治見市総合計画のルールとして、具体的な事業名を載せることにしているため「など」といった記載を省いて、やるべきことを明確化にするという趣旨から採用されなかった。
(問)議員発議として「多治見市美濃焼を使おう条例」を制定した経緯は。
(答)多治見として乾杯条例と同じようなものを作りたいという思いから始まったが
市内に酒蔵が1つしかなく、そこに特化したものになるという問題があった。
そこで美濃焼産業の不振などから美濃焼を盛り上げていこうという目的で、会議での美濃焼の湯飲みの使用推進や市内飲食店にも協力してもらっている。
(問)「まるごと元気・多治見」のフレーズを決めた理由については。
(答)市長のマニフェストや選挙の際のキャッチフレーズではあるが、多治見市はベットタウンとして発展してきたため、郊外に団地ができて中心市街地は賑わいがある程度残っており、郊外と中心市街地どっちにも政策を行うという市長の意気込みもあって決められた。
(問)決算審査の前に実行計画を検証するという話であったが、スケジュール的には厳しくないのか。
(答)今年は、後期計画の策定や4月改選があった。臨時会で委員構成が決まり、すぐに検証にかかると同時に特別委員会も立ち上げて動き出すため、スケジュール的にはかなり厳しい。
(問)中期財政計画で歳入の見込みが平成31(2019)~平成34(2022)で約50億円の財源が不足すると見込んでいるが、その要因は。
(答)財政部局が担当であるため詳細は把握していないが、人口減少に伴う税収減、税制改正の影響などが要因であると考えている。
(問)国の助成などにより3月頃に補正予算を年度内に組み直す場合、総合計画はどのような形で変更されるのか。
(答)3月頃に補正予算が組まれた場合は、基本的には12月議会で総合計画の内容を変更する。12月議会に間に合わない場合は、3月議会で変更することになる。
(問)総合計画と財政計画が連携している中で、歳出はどのように算出しているのか。
(答)毎年5月から6月に、各部局に対して企画部門が今後4年間の事業費の照会を行い、総合計画費の見込みを出していく。その後、財政部局が見込んだ歳入と企画部門が出した歳出を合わせた形でとりまとめを行っている。
(問)総合計画の基本構想第1部第4章で、平成28年の総合計画策定時に前期4年間歳出計画額を決めているが、毎年の出てくる予算に対してどのように調整しているのか。
(答)総合計画策定当時の財政計画については、4年間このまま使うのではなく、歳入計画も歳出計画も毎年更新していく。
(問)討議課題集をホームページで公開しているが、出された意見について市民から反発などはなかったのか。
(答)これからのことを話し合うためのものであり、議論の支障にならないような形で、執行部の意見をあまり反映しすぎないような資料作りを心掛けてきた。
(問)討議課題集の意見と各議員を支持している市民の意見と乖離がある場合は批判を受けることがあるのか。
(答)議員間討議で話し合い、各々が持っている地域の情報なども伝えながら、皆が同じ意見を出せるようにしている。
(問)総合計画の担当は行政側である中で、行政としての計画ではなく、市全体の計画に変更したということであるが、どのような意図があったのか。
(答)今後、自治会や地域コミュニティーに行政の業務を依頼することになった場合、総合計画を市民と共に作らなければ、押し付けになることから変更を行った。

10月17日 9時45分~ 三重県鈴鹿市

<鈴鹿市総合計画2023について>

 初めに、鈴鹿市議会議長より歓迎のあいさつを受けた後、杉委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、鈴鹿市総合政策課政策創造グループ 主幹、担当職員から説明がなされた後、質疑応答がなされた。

(鈴鹿市を取り巻く情勢)
 鈴鹿市の人口は、1970年から2020年までは国勢調査による実績値、それ以降から2065年までは厚生労働省の外郭団体である社人研推計準拠データによる推計した場合、現在200,000人弱から約118,441人に減少することが見込まれており、1970年の人口数と同じくらいになる。また、65歳以上の高齢者1人を支える生産年齢人口においても、1970年の9.68人であったのが、2065年には、1.24人に減少することが推測されている。
財政では、歳出の大半を占める義務的経費である扶助費が生産年齢人口の変化や社会的情勢などにより増加傾向となっており、財政の硬直化の要因となっている。2019年度の一般会計予算では、633億円が歳出予算となっており、過去からの推移においても若干右肩上がりとなっている。人口と財政問題は今後の重要課題となっている。

(鈴鹿市総合計画2023について)
 2016年度からスタートし、計画の全体目標を将来都市像とし位置づけ、「みんなで創り 育み 成長し みんなに愛され 選ばれるまち すずか」としている。将来都市像は、人口が減少の中にあっても、住みよいまちを実現するために、地域が総ぐるみでまちづくりを行っていくための新たな仕組みを構築しながら、暮らしに必要な都市の活力を持続的に作り、育み、成長させる。その結果、鈴鹿市に住み続けたいと実感できる都市を目標に掲げている。これらを市民と行政が協働して実現し、それが実現できたかどうかをはかるために、鈴鹿市に住み続けたいと思う市民の割合を目標値として設定し、2015年度時点に行ったアンケート調査では、87.5%をスタートラインとして、2023年度の計画終了時には90%の達成を目標としている。

(計画策定のプロセス)
 計画策定にあたっては、市民参加の重要性を意識しながら、市民と共に策定を行った。まず、市民アンケートの実施による市政に対する意識等の現状把握を無作為に抽出した市民4,000人に対して行い、約40%の回答を得ている。
庁内の若手から中堅職員から構成される職員ワーキンググループを設置し、人口減少による将来起こりうるリスクの把握を行ってきた。これらのデータや資料を基に、平成26年度に公募で市民89名を募り、市民委員会を設置した。職員ワーキンググループと共同して、将来都市像などの基本構想が決定された。
 その後、庁内で計画案を検討していく段階に入ってからも、まちづくり意見交換会、パブリックコメント等で市民の意見を聴取してきた。意見交換についてはこれまで一般市民のみであったが、市内の大学生や外国人市民を対象とし、若い意見や外国人の意見をもらってきた。
総合計画2023の策定のプロセスとしては、総合計画審議会で審議し、その後の平成27年12月定例議会で基本構想が議決された。議決対象ではない基本計画については、市議会の全員協議会や会派単位での意見聞き取りを行い、議員からの提言を積極的に反映する仕組みとなっている。

(計画の体系)
 総合計画の体系では、システムの再構築として、個々のマネジメントシステム等と連携し、トータル・システムとしての運用を目指している。また、システムを連動させ、重複化を解消することで、職員の事務負担の軽減を図り、無駄を解消し、総合計画の目指す方向である効果・効率の向上を図っている。
総合計画2023の構成では、最上位にある鈴鹿市まちづくり基本条例の理念を実現するために、総合計画を8年間で市が実施する政策等の最重要の計画として位置づけており、基本構想、基本計画、実行計画の三層の構造となっている。計画期間として、基本構想は8年、基本計画と実行計画は4年となっている。従来、鈴鹿市では計画ものは10年又は5年を基本としてきたが、市長の政策方針と総合計画の施策体系との整合性を図っていくために、今回から計画期間の変更を行った。
(運用の仕組み)
 総合計画を弊害化させないために、運用の仕組みでは、将来都市像の実現のために自治体経営の柱の強化として行政力の向上と市民力の向上を図っている。行政経営システムの効率化では、シーズンレビューの導入を図っている。政策的な事業費や新たな市民にニーズに対応するための経費が縮小している中で、これらの事業費の確保に向けて、そして事業の効果的な推進に向けて春夏秋冬のシーズンごとに、効果的な事業選択、事業推進のための協議といった場を市長と経営層の幹部職員が総合計画の各々方向性を確認し合いながら政策的な協議を行うといった会議の場の導入を行っている。

  • スプリングレビュー(4月頃に、当年度取組方針の共有、翌年度の事業計画の協議、共有)
  • サマーレビュー(7月~8月頃に、前年度末の事業結果をもとに実行計画編成に着手していく。)
  • オータムレビュー(9月~10月頃に、市長の政策方針と当該年度の財政に基づいた政策的事業に係る協議を行う。)
  • ウィンターレビュー(12月頃に、政策的事業の最終選択に向けた協議を行う。)

これらのレビューの議論の基になる評価の仕組みでは、レビューでの政策的協議を効果的に行うために、基本構想、基本計画、実行計画の各層ごとに成果指標を設け、総合計画を一体的に評価できる仕組みを構築し、必要に応じて、常に見直しをしていくことができる。

(計画体系の総合化)
 計画体系の総合化では、総合計画と個別計画の関係性の課題として約80の個別計画が存在することで、総合計画に書かれていることとは内容が異なったり、策定時期や計画期間のずれが生じたりなど、それらを統一するために計画体系の総合化を行った。総合計画を中心として、個別計画との方向性の不一致があるものの修正、統合や廃止といった形で、重複の解消を図り、不必要な個別計画を作らないように、計画期間がずれないようにする。現在、約80の個別計画を約30に縮小しており、今後は総合計画1本に対して、個別計画を10本程度にするといった整備を総合計画の後半の4年間で進めていく。
市民力の向上を図るために、市民と行政との協働だけでなく、市民同士の相互の協働の促進を高め、今年度前期基本計画4年目に、市民力の向上を図るための土台の整備を行ってきた。今年度市内全地域に地域づくり協議会28の設立を予定しており、住民主体の地域づくりのさらなる推進するために、地域別経営計画を作成し、後期基本計画間に行政経営計画と連携させる形で、互いに補完しながら自助・共助を深めていく。
 平成30年度から今年度にかけては、地域づくり協議会で、地域別経営計画の策定を進めており、主幹級の職員を支援職員として各地域に10名程度配置し、計400名程度の人的支援を行っている。また現在、予算制度はできていないが、地域に一括交付金制度の構築を進めており、来年度予算で試行していく予定であり、遅くても後期基本計画4年の間で、地域に一定のお金を交付し、その中で、行政サービスの代わりとなるものを地域の中で行ってもらう。こういった市民力と行政力で、人口減少社会にも対応できるような仕組みの構築など、都市の持続性を確保したいと考えている。
(将来都市像を支える6本の柱)
将来都市像を支えるまちづくりとして6本の自治体経営の柱がある。

  1.  大切な命と暮らしを守るまち すずか
  2.  子どもの未来を創り、豊かな文化を育むまち すずか
  3.  みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち すずか
  4.  自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずか
  5.  活力ある産業が育ちにぎわいと交流が生まれるまち すずか
  6.  市民力,行政力の向上のために

 6本の柱の施策として、防犯カメラの設置及び運用に関する条例を施行し犯罪防止、避難地や災害対策拠点となる防災機能を持つ公園の整備、高齢者の交通事故防止する取り組みとして運転免許返納者に対して市が運営しているコミュニティーバスの乗車運賃割引を開始している。
 また、今年3月に開通した鈴鹿PAスマートICでは市のPRのほかに、近隣地域で企業誘致の進展を期待している。雇用の創出にむけて市内産業界の方々と高校の指導者との意見交換会を開催し、学生と企業とのマッチングができるよう情報共有を行っている。
市民力・行政力のところでは、男女共同参画社会に重点を置き、「SUZUKA女性活躍推進連携協議会」を設置し、女性の活躍促進に向けた取り組みを積極的に展開している。また、多文化共生社会の実現に向けて、外国人市民が鈴鹿市で生活しやすくなるような支援を行っている。シティセールスの推進では、モータスポーツと連携したイベントの開催、鈴鹿シティセールス特命大使の委嘱や、すずか応援寄付金の創設などを行っている。

<質疑応答>
(問)地域別経営計画の中で、地域間で格差が生じないようにするために取り組みされていることはあるのか
(答)地域別経営計画については、進捗度がおもわしくない状況であり、地域からも「地域は経営ではない」との声があり、来年3月議会の同意を経て計画を断念する予定にしている。現状、地域格差が生じており、地域ごとの特徴をつかむことが難しくなっていきている。今後は、多少の地域格差はありきで、できるだけ地域の特徴を生かしていただけるよう地域間で情報を共有してもらえるよう、行政として応援していく。
(問)計画体系の総合化の中で、約80の個別計画を統合・廃止をして大幅に減少させているが、統合・廃止する際に、庁内から反発はなかったのか
(答)出された計画が庁内の方針に基づいたものなのか、また市民と約束したものかどうかの整理を行った。個別計画を立てる際の条件として、パブリックコメントと市議会全員協議会への報告の2つを設けたことで、庁内から大きな反発はなかった。
(問)地域別経営計画の取り扱いが変わってくるという答えであったが、それに伴い、地域支援職員の位置づけと取り組みも変わってくるということなのか。
(答)地域別経営計画を作る前に地域計画を策定する必要があるため、支援職員を張り付けるという制度・設計を進めてきた。今年度、地域計画、地域別経営計画ができあがる予定で、地域支援職員は本来終わるべき制度であったが、若干遅れていることもあって、次年度以降は新しい制度を考えているところである。人数の縮小であるとか、地域から要望のある若手職員を支援職員として新たに制度・設計していく。それらを組み込んだ地域計画を再度確認し、次期総合計画策定につなげていく。
(問)地域支援職員の具体的な取り組みの一つとして、アンケート作成などを手伝ったりしているが、実際に、地域の様々な行事に入って話し合ったりする中で、地域課題なども把握しながら進めていくといった役割を持っているのか。
(答)アンケートやワークショップなど行政が主体的にやってきたものを、地域に伝えたりしているが、地域行事に参加することについては、それぞれの地域の考え方や職員の入り方にもよるため、一概にルール化はできていない。
(問)約400名いる地域支援職員は日常の業務以外で、地域支援を行っているのか。
(答)地域支援を行う場合は、平日の夜の地域の会議や土曜日、日曜日の行事など、基本は業務時間外になる。土曜日、日曜日に通常業務がある職員がいた場合は、別の職員が代わりにその日は地域支援業務を行ったりしている。
(問)地域別経営計画を、前期ではなく、後期基本計画に入れた理由は。
(答)2016年策定当時に、前期4年間で進めてはいたが、手法等について議会からの質問や、また行政主導のやり方で地域力が本当に上がるのかなどの意見もあり、市民力向上のために必要なことを今一度検討するため、後期に入れた。
(問)地域別経営計画は初めに、モデル地域を作ったりはせず、一斉に地域ごとで行っているのか。
(答)地域の協議会の代表者の考え方や地域の特性なども各々異なるため、先行するモデル地域を選定するのは現状のところ難しい。
(問)総合計画の6本の柱があるが、次の総合計画に向けて、その中で重点的に取り組む施策はあるのか。
(答)部局が施策の中で、早急に取り組むべき施策と先延ばしが可能な施策とに分け、その中で重点的に取り組むべき施策を取捨選択して、優先順位を付けさせることが後期計画の目的の1つである。現在、集約しているところであり、11月のレブューで、部局が出した考えを市長等が査定する予定になっているため、現時点でどれを重点的に取り組むかは申し上げにくい。
(問)一括交付金を行っていると伺ったが、鈴鹿市の小学校区と自治会加入率はいくらか。
(答)小学校は30校で、現在設立している協議会は28で概ね小学校単位にある。自治会加入率は、正式な数字は把握していないが、都市部よりは高いのではないかと聞いている。
(問)総合計画として、人口減少と少子化、高齢化の対策に取り組んでいかなければならない中での貴市の考え方について
(答)人口減少については、直近の人口推移と企業動向を見据えると、4年程度は大きく減少しないが、10年、20年後は減少していくのは間違いない。その対策として、企業誘致を積極的に行い、人口流入を図る。市民に住み続けてもらうためには、こども子育て支援などのソフト面の支援を強化していくことで鈴鹿市に住んでもらい、人口流出を防止する。高齢化対策については、際立ったものはないが、地域と市内の学校とが積極的に交流を図り、災害時の防災協定を締結したりするなど、地道な形で高齢化対策を行っている。
(問)総合計画と他の計画を連動させ、システムの一体化を行っているが、具体的にどのような形で連携してきたのか
(答)システムを一体化して連動することの必要性を庁内で意識付けるため、システムが機能しているかを確認するための職員向けアンケートや研修など定期的に実施している。
(問)運用の仕組みにある中期財政計画は、市の行財政改革を基に立てているのか、また総合計画について財政面の枠組みがあるのか。
(答)枠組みは毎年変更されるため、財政見通しを見据えて計画を立てていかなればならない。現状計画と枠組みにおいては、若干ずれが生じている。
(問)国土強靭化計画など国の計画については、市として積極的に受け入れを行っているのか。
(答)市長は積極的に受け入れ、総合計画にも反映していくような姿勢を持っている。
(問)まちづくり意見交換会において、パブリックコメントとして外国人を対象に意見を募ると聞いたが、具体的にどんな意見が出て、どういう形で反映されているのか。
(答)前回の会議の中で、外国人市民を対象に総合計画について説明したところ、なかなか理解しにくいということを感じた。そのため、普段日常の中で困っていることなどを聞いて、そこから出てきた意見などを総合計画に反映していきたいと考えている。

以上

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