現在の位置

平成25年度新潟県上越市・石川県加賀市

1.視察出張委員
 委員長   中田 慎也      委 員   小西 彦治
 副委員長  櫻井  周        〃    山薗 有理
 委 員   佐藤 良憲       〃    西村 政明
  〃    戸田 龍起       〃    北原 速男
  〃    篠原 光宏       〃    上原 秀樹

2.欠席委員 な し

3.視察場所 新潟県上越市議会、石川県加賀市議会 

4.視 察 日 平成26年1月29日(水)~30日(木)

5.調査事項 次のとおり

 
平成26年 1月 29日(水)13:30~ 
新潟県上越市議会「議会基本条例等について」

上越市議会、佐藤副議長からの歓迎のあいさつ、中田委員長からのお礼のあいさつに引き続き、杉田広報公聴委員長から説明、質疑応答が行われた。

○議会基本条例作成過程等について
(1)作成過程
●議員同士の議論の経過
  14市町村という大合併の中で、中心以外の13町村出身の議員が危機感を持ち、自分達の声がしっかりと反映される議会運営であってほしいと願っていた。
 ●消極派の議員との調整
  消極派の議員はいなかった。
 ●学識経験者・当局の法務部門との連携
 学識経験者との連携なし。検討委員中の法務に詳しい議員が全体をリードしていた。事務局に専門家はいなかったが、先進事例を調べて対応した。
●市民との意見交換会の詳細、市民意見により修正した点  
  4会場で81人が出席。「市民の意見をよく聞いてくれる議会に」「議員それぞれの考えはあるが、議会全体として行政側にもの申してほしい」等の意見が多かった。
(2)特色
 議員・議会の役割・政策提言・賛否の公表・市民意見の反映・説明責任・議員間討議
(3)自治基本条例との関係
  自治体の憲法としての自治基本条例であり、その中の議会の役割を抽出・特化したものが議会基本条例である。自治基本条例との整合を図らなければならない。
(4)制定後の検証作業
  制定後2年が経過したことから、平成25年に半年程度検証委員会を開いた。条例から見て、取り組みが不十分であったという反省が中心で「全てにより積極的に取り組んでいく」「不断の議会改革に努める」「必要と認めるときは所見や意見を付する」ことを確認した。

○具体的取組みについて
(1)議員間の自由討議【3条1項1号】
  賛否の分かれる案件について、委員会で自由討議を行ってきた。自由討議を行うかは、基本的に委員長裁量。付帯意見や付帯所見をつけるなどしてきた。案件によっては、2日間かけて討議を行った。
(2)政治倫理【3条1項6号】
10年ほど前(合併前)政治倫理条例の検討を1年間行ったが、会社経営者が議員になることの是非等にまで発展して、決裂した。議会基本条例制定時にも自治法の規定で十分との理由で見送られた。
(3)議長の議会招集【4条】
議長の責務として規定し直したものである。
(4)情報公開【7条】
  基本的に議会が持つあらゆる情報は市民に公開しなければならないと考えており、あらゆる機会を捉えて情報公開に努めている。市民からの評価も高い。
(5)会議の公開【7条3項】
  代表者会を含めて全ての会議が公開。ただし代表者会は日程を周知するわけではないので傍聴者は通常いない。
(6)市民参加及び市民との連携【8条】
  参考人制度・公聴会制度の運用実績はない。
  請願・陳情は市民の意見陳述の機会を積極的に設けており、10回程度の実績がある。5分程度の陳述、質疑。市民から直接提案を受けるため趣旨をよく把握できる。
(7)議会報告会【9条】
  議会基本条例制定前から議会報告会・意見交換会をセットで実施しており、制定後は意見交換会単独開催(25年8月に6回)も行っている。予算・決算定例会後に2会場ずつ4回行っていたが、4会場ずつ8回に増加。全28地域自治区で実施済み。
広報公聴委員会正副委員長が司会をし、記録・マイク・写真係は各会派で分担。全議員が答弁者になることで、平等・公平な報告会を心がけている。参加者の意見は多様だが、特定の方でなく広く意見をもらうよう心がけている。
(8)広報広聴委員会【10条】
  任意の委員会という位置づけ。議会報告会・意見交換会運営の中心的役割、市民意見等の課題整理、議会だより編集、議会改革の視察受入等を行う。
(9)政策提案条例(中山間地域振興基本条例)【14条】
  3年余りをかけて制定。先進地視察・管内視察・中山間地住民との意見交換等、時間をかけて丁寧に進めてきた。市長の公約とも一致しており、当局との調整はスムーズであった。現在も引き続き特別委員会で中山間地振興に尽力している。
他に総務政策常任委員会で「空き家適正化及び活用条例」の制定を進めている。
(10)反問権【17条2項】
  行使の例はないが、議員の自覚を高め、十分に精査された質問に心がけることに役立っている。
(11)予算・決算委員会
  4つの常任委員会に分割付託し、各委員会にて採決している。
(12)長期欠席議員の扱い
  取り決めなし。
(13)議長・副議長選挙の立候補制について
  平成18年5月から実施。ただし、副議長候補者は1人の場合が多い。もちろん水面下の調整はある。

< 質疑応答 >
Q.議会報告会はどのような報告内容を選択しているか。また、質疑の内容は。
A.委員長報告を資料として配布し、ポイントを約7分で説明し、予算・決算に対する質問に回答していく。それが終わると、意見交換会に移行し、約40分予算・決算とは関係のない内容も含んだ意見交換をする。
単独開催の意見交換会は、テーマはまったく設定しない。

Q.委員会での自由討議は、事前にテーマを決めて、準備可能な体制をとっているか。
自由討議の中に当局はいるのか。また、ヒートアップしすぎることはないか。
A.テーマは委員長の裁量に任されており、意見が分かれる内容について行っている。事前に通告がある場合もあるが、基本的には、すでに委員の間で意見を言いたい機運が高まっている内容を選ぶ。
  当局はいない。委員長の裁き等によって紳士的に運営されている。

Q. これまでの改革の取り組みで、平成20年11月に実施されている議会ポストの役割は、また、対応は事務局か。
A. 議長名で返答し、内容は全議員に周知される。苦情や意見要望を伺うあらゆるツールのひとつである。議会報告会を実施するようになってからは、あまりない。

Q.秘密会にするのは具体的にどのような内容か。
A.私の経験では事例がない。付帯意見をつけるときなど別室で決まってしまう場合はあるが。

Q.代表者会の公開は、伊丹では意見が分かれているところだが、上越市ではどのように運用しているか。
A.公開しているが、実際に市民が来られた例はない。会議録は作成していない。

Q.役員選考の代表者会も公開しているか。
A.調整をする代表者会も公開という位置づけだが、積極的に周知しているわけではないので、市民は来られない。

Q.自由討議は議員が意見を言い合うだけになってしまわないか。自由討議のなかで当局に改めて質疑することはできるのか。
A.互いの刺激になるので、それはそれで意義のあることと考えている。当局は退席してもらう。

Q.請願・陳情者の意見陳述について、議会が呼ぶ場合と市民が求める場合があるのか。
A.両方の場合があり、どちらも参考人として呼ぶ。

Q.基本条例の制定により、市民の市制への関心が高まったというようなことはあるのか。
A.市民の関心という点の他に、議員の自覚が高まったという点が大きい。

Q.制定した項目の中で良かった点、悪かった点は。
A視察報告をしっかりするようになった点を初め、市民に向き合う態度ができた。

Q.自由討議の中で自分と異なる考え方を攻撃し、ヒートアップしていく例を聞いたことがあるが、上越市ではそのようなことはないのか。
A紳士的に運営されている。特別なルールを設けているわけでもない。

Q.定数・報酬について、市民にどのような説明をされているか。
A.報酬は審議会で決める。定数は合併により減らしているため今のところ市民からの声はない。

Q.定数48人から32人に決定するに至る経緯は。
A.17年1月合併後、3年半で決定した。38人案、34人案もあったが、市民へのアンケートで圧倒的に32人案が支持された。

Q.正副議長の立候補制について、規定が無いのがなぜか。
A.基本条例制定前から実施しており、あまり意識しなかった。

Q.所信表明は具体的にどのように行うのか。
A.届出をした者が本会議場で行う。5~10分程度。質疑なし。

Q.予算・決算は常任委員会へ分割付託をしているのか。
A.歳入は財務部を所管する総務、歳出はそれぞれの部署を所管する常任委員会に付託しており、委員会ごとの採決を行う。

Q.分割付託し採決するということになると、委員会では反対したが本会議では賛成するということもあるのか。違法性の指摘もあるが。
A.うちではそのようなケースは発生していない。

Q.委員会のインターネット配信につき費用は。
A.イニシャルコスト90万円、ランニングコスト8.3万円。初めは消極的な意見も多かった。USTREAMを利用している。カメラは1箇所で、ほとんど静止画に近い。委員会中心主義なので意味があると思う。

Q.委員会は一部の議員に発言が偏る様子はないか。
A.中継されるようになって、意識して発言している議員もいる。

Q.合併にあたって13の自治区協議会が設置されたということだが、13地区から議員が選出されていない点が理由か。自治区協議会により議員は不要とは見られないか。
A.13町村の声が届かなくなることを危惧して設置された。無報酬で、現在ではなり手に困っている。市長からの諮問と自主審議を行う。議員の役割を重なる点は指摘されたが、今では不要論はなくなった。

Q.13町村の合併時、5つの村からそれぞれ議員は出ているか。
A.当時は出ていたが現在は出ていない。出ていない地域からは地域協議会等で声を届けている。

Q.自治区の協議会は縮小の見通しなのか。
A.それが今問題になっており、活性化のために議論が行われている。

Q.ホームページに掲載の意見交換会の報告はどのようにまとめているのか。
A.報告会で取った記録を報告用紙にまとめて提出し、広報広聴委員会で課題整理を行い、その結果を課題調整会議にかけてまとめている。

Q.議会報告会参加人数が20人程度と比較的多いが、リピーターが多いのか参加しやすい雰囲気なのか。
A.新聞の他、自治会、地域協議会等のルートを通じながら周知している。参加者は固定化してきている。

Q.議会だよりの紙面変更について、工夫した点は。
A.3月議会に特集号等を設けたことや、タイトルの工夫、写真の多用など。市民が気軽に読めるようにするという視点て行っており、現在も進行中である。

 
平成26年 1月 30日(木)9:30~ 
石川県加賀市議会「議会基本条例・市民主役条例について」

加賀市議会の表事務局長から歓迎のあいさつ、中田委員長からお礼のあいさつに引き続き、説明、質疑応答が行われた。

○議会基本条例について
●作成過程等
(1)作成過程
・議員同士の議論の経過
    平成22年1月に条例策定のための小委員会を設置してスタート。
    加藤幸雄氏の著書等で研究、栗山町視察、青年会議所・区長(自治会長)会連合会・女性団体等との意見交換会などを行った。議会活性化特別委員会が素案作成、全員協議会への報告・確認を繰り返した。(議会活性化特別委員会は21回)小委員会設置から1年3ヵ月後の平成23年3月定例会にて全会一致で可決・成立。
・消極派の議員との調整
保守派の古参議員数名は自分たちの首を絞めるといって反対していたが、今では選挙ポスター等で改革推進をPRするほどになっている。進めていくことで、徐々に消極派の議員も熱心になっていくものだと思う。
・学識経験者・当局の法務部門との連携
学識経験者なし。素案作成は議会活性化特別委員会の副委員長が中心。
当局の法務係長が参加している。(加えて、説明者の事務局長は法務部門12年の経験者。)
・市民との意見交換会の詳細、市民意見により修正した点
   行ったが、基本条例と関係のない発言が多かった。パブコメは0件。
   アンケート調査では定数削減の要望ばかりだった。
(2)特色
   2~6章の章立て。「開かれた議会」「監視する議会」「審議する議会」「政策提案する議会」「市民が参加する議会」
(3)自治基本条例との関係
   議会基本条例が先行し、別々に制定された。
   自治基本条例は「市民主役条例」という名前で、議会提案で成立。
(4)制定後の検証作業
   現在、議会活性化特別委員会で検証作業中。

●具体的取組み
(1)反問権のメリット・デメリット【9条3項】
  活性化の効果や、萎縮効果を検討した結果、詳細説明を求める程度の反問権になった。行使の事例なし。
(2)文書質問【9条4項】
実際の運用状況
  要綱を作成しているが、事例なし。
(3)夜間・休日議会の開催【6条】
実際の運用状況、市民・傍聴者の反応、インターネット放送との関係
  平成23年12月に実施。経費は職員手当て等10万円程度。傍聴26人。
(4)議員間の自由討議【12条】
   討議の場、内容、注意点
  常任委員会で時間を設けているわけではない。
  市民主役条例のときに討議が行われた。
(5)市民参加及び市民との連携【17条】
   情報公開のメリット・デメリット、市民からの反応
   参考人制度・公聴会制度の活用状況と成果、
請願・陳情の提案者の意見聴取の運用状況と成果
  市民から積極的評価をいただいている面もある。
  参考人制度・公聴会制度の事例はなし。
  請願は24年3月に意見聴取の場を設けた事例あり。請願者がかわいそうに感じるほど質問が飛んだ。
陳情は事例なし。
(6)議会報告会【18条】
議員の選定、報告内容
市民の意見・要望の傾向、注意点
5人ずつ4班に分けて実施。すべて議員で準備・実施する。
  パワーポイントで報告をした後、あらかじめ配っていた意見・質問記入用紙を回収し、整理しているテーマごとに質問に答えていく。テーマごとに議員で担当を分けて回答している。
  昨年前期は20地区507人。後期は20地区361人。
  実施後のアンケートでは7割の参加者が満足。
(7)予算・決算委員会
日数、議員の発言時間の公平性に関する工夫、市長出席の有無、
  任意の(議決設置ではない)予算特別委員会を設置し、本会議場で行っている。市長出席。
  会派毎に、基本30分+構成員×10分の持ち時間で質疑を行う。
  決算特別委員会は議決設置をしており、市長は出席していない。
(8)長期欠席議員の扱い
取り決めの有無
  なし。
(9)議長・副議長選挙の立候補制について
  平成21年10月、本会議場で議員がいきなり提案し、議運での協議を約束したが、未だ行われていない。議会改革検討委員会の検討項目にはあがっている。
(10)政治倫理条例
  ・条例制定の経緯、
   議会基本条例の半年前に議決。全会一致ではなかった(賛成2/3)。
   制定後、政治倫理審査会(学識経験者・市民のみ)に2件の審査請求があり(暴行、議員が議決前に市民に情報開示)、いずれも取り下げ。審議に時間と経費を要するため市民理解が得られず、ともに取り下げ。
・当局法務部門との連携
   当局法務部門は関与なし。
・補助金交付団体のトップ就任辞退【5条】、指定管理者・自治会長は5条での規制対象に含まれるか
自治会長含む。反対派意見「地域での活動があって議員になったのであるから、禁止はおかしい。」賛成派意見「議員が就任していることで、無言の圧力を感じてしまう。」
会長を辞めずに補助金を辞退した事例はあり。
導入時は6ヶ月の猶予期間を設け、会長交代してもらった。
副会長以下の役職は禁止しておらず、効果を疑う意見もあり。
・逮捕後説明会【13条】と推定無罪の原則【憲法31条、刑事訴訟法336条、国際人権規約B規約14条】との関係
   弁明の機会を付与する趣旨。

○市民主役条例について
(1)作成過程
・スケジュール、議員同士の議論の経過
   当時の民主党政権が主張していた地域主権改革を契機に、平成22年4月スタートし、41回の会議を重ねた。
・学識経験者、当局との連携
   市民グループ・議員グループ・職員グループの3者でグループワークの後、討議するという会議形式。東北大学の学者1名、当局例規担当も1名参加。
・市民意見を反映させた点は
  条例自体が住民協働の結果できたもの。

(2)制定後の検証作業
 ・検証を行う組織を設けているか
   企画課で運用の見直し中。
   市民提案の少なさが課題。

< 質疑応答 >
Q.議員間討議を実際行う場合には、どのような場で実施が決まるのか。
A.議員間討議は、議員の間で賛否が分かれる病院の統合問題で実施することを想定して条文に入れたが、実際には統合が速く進み、実施されないままで条文だけが残った。
その後、市民主役条例が唯一の実績である。
今後は、市全体の大きな問題が生じたときに実施しようという考えである。

Q.議会報告会のアンケート中、「まちづくり単位で実施」との表現があるが、まちづくり単位とは。
A.加賀市は小学校単位で20地区に分かれている。バブル時代の昭和57年にまちづくり推進協議会を設置し、地区ごとに施設を建てた。以降、町内会との役割の違いについて議論がある。

Q.議会報告会の4つの班は、班内の役割分担をそれぞれ異なる形で決めているのか。
A.地元の議員が入っている場合に、その議員に報告者になっていただくこと意外は同じである。渉外担当として地元市民と調整する議員の役割が大きく参加者数に影響する。

Q.議員報酬増額について議員の多数からの声があったとのことだが、多数とはどのぐらいか。
A.議員定数等検討会を組織し、全議員にアンケート実施したところ8割以上が上げるべきとの意見であった。それを受けて市長に申し入れをした。

Q.議員の寄附行為が禁止されていることを議会だよりに掲載しているのはいつごろからか。
A.田舎で必要性が高いためかなり前から掲載している。今は活性化特別委員会で香典廃止を議論している。

Q.補助金交付団体のトップ就任制限について、市民の側からの反応は。
A.政治倫理条例制定の過程では、自律規範であるから市民意見は不要ということになった。

Q.自治会は業務委託で、補助金交付団体との性質の違いがあるのではないか。
A.分類が困難であるとの議論はあった。自治会は、業務委託と補助金交付とが一緒になっている。議員がトップに就任していることで、執行部が圧力を感じてしまう点については同じなので、すべて含めている。

Q.インターネット等での情報公開の効果のほどは。
A.インターネット録画中継の利用経験者は2%、生中継を実施したら見るという回答は10%であり、現状では効果は無いと思う。しかし、将来を見据えて若者ひとりでも関心を持ってもらえたらいいという考え方で実施している。

Q.条例制定による具体的な効果は。
A.市民アンケートの評価によると35%の評価をもらっている。
  政策提案条例につながっている点は大きな効果である。今後は、空き家管理、医療従事者への奨学金制度、生活保護費のチェック機能などを考えている。
  議員の政策法務能力は上がってきている。
以  上

お問い合わせ先
市議会事務局
〒664-8503 伊丹市千僧1-1(市役所2階)
電話番号072-783-1344 ファクス072-784-8092

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