現在の位置

平成27年度千葉県松戸市・東京都日野市

 

1.視察出張委員
 委員長   加藤 光博        委 員   相崎 佐和子
 副委員長  竹村 和人         〃    川上 八郎
 委 員   里見 孝枝           〃    久村 真知子
  〃    大津留 求            〃    加柴 優美
  〃    川井田 清香       

2.視察都市  千葉県松戸市・東京都日野市
3.視 察 日  平成27年8月10日(月)~11日(火)
4.調査事項  下記報告のとおり

 

◎8月10日(月) 13:30~ 千葉県松戸市

<学習指導事業 国際理解推進業務「言語活用科」について>

 初めに、松戸市議会事務局 大谷課長からの歓迎あいさつを受けた後、加藤委員長が、視察を受けていただいたことに対するお礼を述べた。続いて、学校教育部指導課 波田課長、同指導課 菊地補佐から説明がなされた後、質疑応答がなされた。最後に加藤委員長がお礼を述べた。


<施策の概要>
 『言語活用科』は、『将来、子どもたちがグローバルに活躍できる素地を身に付けること』を目指している。長いスパンで、小学校卒業時や中学校卒業時を想定して、「コミュニケーションの基(もと)」として、1.自分の意見をわかりやすく伝えることができる、2.相手が伝えようとしていることを理解することができる、の二点を目指して継続的に指導している。
市内の小学校44校、中学校20校の計64校が全て教育課程特例校に指定されており、学習指導要領の範囲を超えた部分も含まれている。
 
◆なぜこのような学習が必要なのか。
・日本人と諸外国人は、コミュニケーションスタイルが違う。日本人同士の通常のコ
ミュニケーション(以下、「日本モード」)の特徴は、主語や目的を明確にしなくても
話せるところ。あうんの呼吸とか、察しあうことを美徳とする特徴がある。
・諸外国の人と接する機会のある人のコミュニケーション(以下、「グローバルスタン
ダードモード」)は、結論と理由を明確にする特徴がある。結論をまず述べて、その結論を支える理由を述べる。理由に基づいて分析し表現するので、同じ文化を共有していない人にも伝わるコミュニケーションである。

以上、二点の考え方から、日本モードとグローバルスタンダードモードの両方を知り、スイッチの切替を身につけることを目指す。


言語活用科では「英語分野」と「日本語分野」において「言葉の力」を英語と日本語の二つからアプローチし、日本語と異なる構造方法と思考方法を学ぶ。

【英語分野】
・小学校と中学校に、LAT(Language Arts Teacher:言語技術指導員)を配置。
・小学校の『英語分野』では市独自にICT教材『ハートでENGLISH(映像、
ワークブック、発音無敵ソングCD、手引き書)』を作成。教材は2年間使用し、2年
間で140レッスン(5年生70レッスン、6年生70レッスン)。
・中学校では、小学校の授業とのギャップがあるのではないかと考え、カリキュラムの大幅見直しを行った。また、1.英語ルームの設置2.簡易電子黒板システムの導入3.デジタル教科書を導入し、各学年25時間ずつ取り組んでいる。
 
【日本語分野】
小学校5・6年生は各5時間、中学校1~3年生は各10時間、それぞれ実施。
《6つの分野について学ぶ》

小・中学校共通
1.意見を言おう
2.わかりやすく伝えよう。
3.分析しよう。        
4.その人になって考えよう。
5.話を再現しよう

中学校のみ
6.思考力を高めよう。

<質疑応答>
(問)カリキュラムに、子ども達が一つの言葉からイメージする言葉を72個書き出すという内容があったが、子ども達は授業でなかなか意見を言わないイメージがあるが活発に意見が出るのか。
(答)カリキュラムは、そのクラスの実態に合わせてクラス全体やグループ、または個人でワークを進めるなど、何も書けないというようなことがないように各クラスで工夫をして進めている。
(問)一つの言葉からイメージを作り出すためには、普段から、子ども達がいろいろな体験をすることが大切であり、その体験によってイメージも変わってくる。その関係性は、どう考えているのか。
(答)恐らく、一人ひとりの体験の量は違う。言葉を72個出すことや色々な言葉を書くことが目的ではなく、書きやすいところから書くようになどの指導はしている。書き出せない子には教師が寄り添って対話をしながら、学校行事の共通体験などから書き出していくように進めたりしている。自分の思考を上手く整理していくということが目的である。
(問)「ハートでENGLISH」は、映像と組み合わせて非常にわかりやすい内容となっている。どれぐらいの期間をかけて、予算的はどれぐらいかかったのか。
(答)平成22年度に5年生分、平成23年度に6年生分をそれぞれ作成し、2年間かけて作成した。各学年分の作成期間は、目次のような項目に関する打合せから印刷まででほぼ1年。印刷費を除いて、製作費は3,200万円ほど。内容については外注ではなく、学校教育部・指導課在籍の主事が通常のルーチンワークと掛け持ちで作成した。
(問) LAT(言語技術指導員)は、オールイングリッシュの授業とのことだが、英語分野(単語・文法)の内容を、習っている・習っていないというようなことが出てくるかと思うが、その兼ね合いは。
(答)オールイングリッシュだが、学校によってそんなにカリキュラムに差はなく、習っている・習っていないということは関係ない。教科書に基づいたオールイングリッシュではなく、プランに基づいて授業を行っており、英語を感じるというイメージで外国人とのやり取りを楽しむレッスンである。
(問)言語活用科を始めることになったきっかけは。
(答)英語嫌いがあまりにも多く、英語の点数が伸びないところから始まった。英語の力をつけるためには英語を嫌いにさせてはいけないというところが原点である。徐々に、英語嫌いの数値も減ってきており、成果は出ていると感じている。
   日本語のほうも、意見を言うときに的確に伝えられるようにしたほうがいいということで、英語と日本語の両輪で取り組んでいこうという、当時の市長・教育長の強い思いがあった。
(問)イニシャルコストで3,200万円かかったとのことだが、国や県などの補助金が入ったのか。また、ランニングコストはいくらか。
(答)国や県の補助金は一切なく、全て市費である。「ハートでENGLISH」の冊子は1冊300円ほどで、ランニングコストとして毎年、小学5年生分(約4,000人)の印刷費がかかっている。
(問)独自のカリキュラムだが、成果をどのように測っていくのか。測らないという考え方もあるが。
(答)英語分野の成果のよりどころとなるものは数値で見えるものが一番大きく、テスト関係や全国学力学習状況調査のデータなどで、子どもの捉え方の変化も丁寧に見ている。
 日本語分野は、一目で成果がわかるテストがないため、実施して2年目となる独自で作成したテストにおいて、その経年変化を追っていきたいと考えている。全国学力学習状況調査のB問題といわれる記述をメインにした設問では、無回答がまず減り、平均点が以前より明らかに高くなっている。日本語分野学習との因果関係ははっきりしないが、この取り組みの成果だと受け取っている。
(問)言葉活用科の授業と、通常の国語・英語の授業との兼ね合いは、どのような形になっているのか。
(答)日本語分野の言語活用科の年間指導計画については、各学校に任せている。
(問)小学校は、各教室にパソコンとテレビを配置しているが、中学校には、なぜ配置していないのか。
(答)小学校にテレビを配置するときは、国の補助金を利用して全て設置できた。
また、小学校のほうが映像教材を使って学習に役立てているという成果が今までたくさんあったので先行実施した。現在は、小学校でもいい結果が出ており、中学校でも必要だろうと考え、今後は、徐々に中学校にも整備できるよう取り組んでいく。
(問)小中連携で考えると、小学校教師は中学校の、中学校教師は小学校の、それぞれのカリキュラム内容を把握しているのか。
(答)どちらのカリキュラムも、市内LAN端末でいつでも確認できるようになっている。
言語活用科に取り組み始めた当初は、中学校教師の研修会で「ハートでENGLISH」のことを毎回伝え、情報共有を行った。

 

 

◎8月11日(火) 10:00~ 東京都日野市

<エール(日野市発達・教育支援センター)の運営について>

 初めに、日野市議会事務局の庶務調査課中村係長からの歓迎あいさつを受けた後、加藤 委員長が、視察を受けていただいたことに対するお礼を述べた。続いて、発達・教育支援センター 坂田センター長、発達支援課 志村課長に施設内を案内いただいた後、説明がなされ質疑応答がなされた。最後に加藤委員長がお礼を述べた。


<施策の概要>
0歳から18歳を対象とし、日野市在住の発達障害をお持ちの特別な支援を必要とする子ども達を、福祉と教育の垣根を越えて、切れ目のない支援を行っていくということを目的に平成26年4月に設置された。
施設内は、市長部局の発達支援課と、教育委員会の教育支援課の2課がセンター内に入り、執務に当たっている。センター長は併任辞令を受け、両課の調整を行っている。
 エールは0歳から18歳の相談支援施設であり、一番メインが相談事業である。
発達面に限らず、学校生活で困っている部分も含めて、何かしらの支援が必要な場合にはこちらに相談してもらうようになっている。
初回相談の電話に出るのは、保健師、臨床心理士、特別支援教育総合コーディネーター(元校長。教育関係者)。その初回相談の内容から、発達面なのか、学校での不適応・不登校・いじめの部分なのか、特別支援教育にかかるものなのかを振り分け、発達相談、医療相談、教育相談、就学相談につなげている。
その他、専門職等による適切な支援の実施、地域の施設への支援、家族等へのサポートの充実、切れ目のない一貫した支援の実施、地位交流の場、就労など自立を見据えた支援などを実施している。
切れ目のない一貫した支援の一つとして、0歳から18歳までの支援内容を記録する「かしのきシート」を平成26年度から活用している。

<質疑応答>
(問)開設への経緯について
(答)当初は、発達支援センターという福祉部門からの視点の構想で始まった。
以前、日野市の外郭団体が運営の未就学児が通所する療育施設があり、そこが手狭になったことと老朽化したことで、拡充化を検討するところから始まった。検討を進めていく中で、平成22年に「切れ目のない支援検討委員会」を立ち上げ、行政・市民・民間保育園関係者などの委員が協議し、福祉分野だけでなく教育分野も視野に入れていく方向性となった。教育分野も含めたセンター構想は、開設の1年から1年半前ぐらいから作り上げられてきた。
(問)施設の運営状況について
(答)平成26年度の初回相談は年間584名(新規のみ)であった。その後、専門相談に引き継ぎ、そこからそれぞれの専門相談に移っていくが、エール開設以前の発達支援室や教育センターから引き継いでる方もあり、実態としては不明確である。
ただ一点言えるのは、開設前に比べると小学生の方の相談が増えている。
(問)取り組みの成果と今後の課題について
(答)保護者の子どもに対する悩み・相談事に対して電話1本で対応できる。福祉や教育部門をたらい回しすることなく、今後の支援の道筋をつけることができるのは大きな成果である。エールが開設されたことによって、エールでの相談から始められることで、入口のハードルが低くなっている。
課題としは、エールを訪れるお子さんが増え、小学校に進級すると特別支援教育に繋がる子どもが多くなっている。受け入れ数に限りがあり、特に、特別支援学級への通級を希望する子どもが増加しており、その対応が難しくなってきている。

(問)保護者の反応について 
(答)「発達の相談」というと「障がい児の相談」ということでハードルが高かったが、エールが開設され福祉部門と教育部門が一体になったことで、気軽に相談に来られる方が増えており、保育園・幼稚園の現場からも「発達の相談」に対するハードルが低くなったというお声がある。「黒板の字が写せない」「忘れ物が多い」とか、そういった気軽な相談をしてもいい施設なんだ、という認識をしてもらっているという実感がある。

(問)平成26年度の初回相談は、年間584名の方とつながったとのことだが、電話の初回相談だけで終わる方も増えていると思うが、どれぐらいの割合か。
(答)初回相談584名は、初めて電話をかけてこられた方の人数。当然、初回相談のうち電話だけで終わられる方もおられ、平成26年度は77件であった。
(問)ペアレントトレーニングの内容において、男親とのかかわりはどのように考えているのか。  
(答)ペアレントトレーニングは8回コースで平日に行っているため、実際問題、父親の参加はなかなか難しい。ただ、「お子さんを褒める」という宿題が必ず出ており、家で父親にも関わってもらい、「褒めること」をしてもらうようにしている。
 また、心理療法士さんとの相談に、父親を連れてきてもらうなどの取り組みも行っている。
(問)本市において児童・発達支援センターを建設中だが、調理室や医療室を設置予定だが、そのような検討はされなかったのか。また、通所する子ども達への給食は考えなかったのか。
(答)日野市は、国が構想を出す以前に、センターの構想ができていたため調理室を配置していない。現在は、調理室の設置がなければ「児童・発達支援センター」の指定が受けられない。
給食については、もともと通園事業を弁当持参で行い、保護者との交流を大事にしていた。「親が作る弁当を、食べる」ことを大切にしていたので、それを引き継いでいる。
 医療機関の設置は、コストの問題や医師の確保の問題もあり断念した。
(問)長期間の不登校になると、学習面での遅れが出てくる。それに対応する体制はとっているのか。
(答)勉強する場の提供として「適応指導教室」事業を行っている。
また、不登校は相談を受けるだけではなかなか解消しないので、そこが課題である。本市の場合、不登校の改善に向けて、登校支援コーディネーター(元校長)などの取り組みも行っている。
(問)エールの設備の中で、今までなかったが、こういう設備をつけてよかったという点はあるか。
(答)よかった点は、相談室がたくさんある点と、室内を見られるようにマジックミラーにしたことで、保護者に外から見てもらうことができるようになった点。
また、子どもの手が届かないところに鍵を設置したこと、部屋の中の洗面所等を扉で隠せるようにしたことや地震の時には、扉が飛び出さないような設計にした点。
(問)日野市の小・中学校では特別支援学級を設置していない学校があるが、特別支援学級がないため普通学級へ通うための介助員や加配の教師の対応はどのようにしているのか。
(答) 東京都はまず、特別支援教育の拠点校を設置して、そこに要支援の子ども達が通うという通級のシステムになっている。在籍校に特別支援学級がなければ、他校通学してもらうことになる。普通学級への支援としては、学校の先生方に教室・校内の環境を整えてもらったりしている。
また、教育委員会は介助員の配置や研修体制などを含めて支援している。
(問)新規の相談は電話相談で受けるとのことだが、逆に、電話相談でなく、気軽に立ち寄ってもらって相談を受けるという体制は考えているのか。
(答)電話相談が原則だが、ふらっと、立ち寄られる方もいる。ただ、相談員は数名しかおらず事業も掛け持ちしているため、対応できない場合もある。その場合には、後日の予約をしていただき、再度お越しいただくことで対応している。相談員が対応できない場合には、他の職員が対応し「気軽に立ち寄ってもらって大丈夫」と伝えている。


以 上
 

お問い合わせ先
市議会事務局
〒664-8503 伊丹市千僧1-1(市役所2階)
電話番号072-783-1344 ファクス072-784-8092

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